オリコンは19日、2022年1月から11月までのストリーミング市場全体の総再生数が1123億2196万3264回と、1000億回を突破したことを発表。あわせて、再生数1000億回をけん引した「月間ストリーミングランキングの１位作品」や「ストリーミング市場全体での再生数のシェア率」を発表した。

【写真】その他の写真を見る

　オリコン・リサーチ マーケティング本部 本部長 小島敦史氏は、この記録に対し「現在、あくまでも速報値にはなりますが、年間で再生数1000億回を超えております。引き続きストリーミング市場は好調だと言っていいと思います」とコメント。

　その上で、今期の「ストリーミングランキング」の傾向について、「傾向としては、昨年に引き続き、アニメタイアップ曲のヒットがあるかと思います。例えば、ストリーミングの再生数が2022年1月の月間ランキング1位であるKing Gnu『一途』は、アニメ映画『劇場版 呪術廻戦 0』主題歌です。また、2月の月間ランキング1位であるAimerの『残響散歌』はテレビアニメ『鬼滅の刃』遊郭編オープニングテーマで話題となりました 。そしてテレビアニメ『SPY×FAMILY』オープニングテーマであるOfficial髭男dismの『ミックスナッツ』は、5月の月間ランキング1位です。さらに8月、9月と2か月連続で月間1位を記録したAdo『新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)』は、アニメ映画『ONE PIECE FILM RED』劇中歌です。こちらについては、『ONE PIECE FILM RED』の関連楽曲もそれぞれ再生数を伸ばしました。このように毎月のようにアニメタイアップのヒット曲があったのが印象的でしたね」と、アニメと同ランキング上位曲の関連性を指摘。

　また、「その他の傾向として、3月の月間ランキング1位『Bye-Good-Bye』のBE:FIRST、4月の月間ランキング1位『CALL 119』のINIといったオーディション発のグループのヒットも続きました。次に顕著だったのが、YouTubeやTik Tok、SNS発のヒットかと思います。6月7月と2ヵ月連続で月間ランキング1位を記録したSEKAI NO OWARIの『Habit』は、ミュージックビデオ内でメンバーが踊る超難関ダンスが人気となりました。さらにその楽曲を人気YouTuberのHIKAKINさんとメンバーのFukaseさんが完コピをして大きな話題に。SNSでこのダンスをマネして踊る人が増え、ブームとなりました。他にもTani Yuuki の『W/X/Y』、なとりの『Overdose』などSNS発のヒットが活発な印象です」と分析。さらに、メジャー71%、インディペンデント17％、海外12%という再生数のシェア率にも触れ、「SNS発のヒットが生まれる傾向により、メジャー以外のシェアがみられたことも特徴の一つかと思います」と続けた。

　アニメ、オーディション発グループ、SNS発信の楽曲との相性の良さが見られた「ストリーミングランキング」だが、来年の市場については、「今年は、久々にドラマ主題歌のヒットも見受けられました。川口春奈さん主演で話題のドラマ『Silent』のOfficial髭男dismの主題歌『Subtitle』が話題となり、ストリーミング再生数10月、11月の月間ランキング1位を記録しております。ドラマの魅力と楽曲の良さがマッチすることで起こる大ヒットの相乗効果に来年も期待したいですね。2023年には、テレビアニメ『呪術廻戦』や『鬼滅の刃』、『東京リベンジャーズ』の続編などが発表になっており、タイアップ系のヒットは続くのではないでしょうか。来年もストリーミング市場は盛り上がっていくと思います」と期待した。

【ストリーミングランキングとは】
各音楽配信サービスより提供された再生数を精査し、集計したランキング。当ランキングには、オーディオの再生数（楽曲の再生）および、音楽ビデオの再生数が含まれる。※当ランキングに関する詳細は、弊社WEBサイト「ORICON NEWS」を参照
■データ提供配信サービス（五十音順）
Apple Music、Amazon Music、AWA、KKBOX、Spotify、TOWER RECORDS MUSIC powered by レコチョク、YouTube、YouTube Music、LINE MUSIC、Rakuten Music



■禁無断複写転載
※オリコンランキング（売上枚数のデータ等）の著作権その他の権利はオリコンに帰属していますので、無断で番組でのご使用、Webサイト（PC、スマホ、SNS）や雑誌等で掲載するといった行為は固く禁じております。