4人組バンド・andropが23日、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールでライブと演劇をコラボレーションさせたコンセプトライブ『androp music story act1 〜Christmas Radio〜』を開催した。演劇パートでは女優の松風理咲（20）と中島亜梨沙（39）が初共演した。【以下、ネタバレあり】

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　ライブと演劇を組み合わせたライブは、androp初の試み。物語はラジオブースが舞台で、松風がラジオDJの芽衣役、中島が記憶喪失の謎の女性ゲスト・金子杏奈役を務めた。観客に囲まれたセンターステージで女優2人が演じ、松風がDJとして劇中で紹介するナンバーやBGMをメインステージのandropが生演奏する形で進行していった。

　オープニングナンバーはandropの新アルバム『effector』（22日発売）収録曲「Know How」。同曲の歌詞と演劇がリンクする形で物語が始まった。このほか、アルバム収録曲「Moonlight」「SuperCar」、初披露の「Iro」など8曲で構成。BGMもandropが生演奏し、演劇のストーリーの世界観を増幅した。

　開演前にはandropのメンバー・内澤崇仁（Vo／Gt）、佐藤拓也（Gt／Key）、前田恭介（Ba）、伊藤彬彦（Dr）と、演劇パートに出演する松風と中島が取材に応じた。

　内澤は今回のコンセプトライブについて「コロナ禍で音楽を伝えるにあたって、心が救われるような音楽の表現ができないかなと思ったときに、演劇とライブを融合させるライブができたら」と思いついたそう。時を同じくして、2018年に主題歌を担当したフジテレビ系『グッド・ドクター』の藤野良太プロデューサーと最近になって再会し、脚本を依頼。藤野氏オススメの女優2人を紹介してもらい、松風と中島の出演が決まったという。

　松風は「芸人さんのラジオを聞くのが好き」といい、特にTBSラジオ『バナナマンのバナナムーンGOLD』とニッポン放送『霜降り明星のオールナイトニッポン0（ZERO）』を毎週聴いているそう。中島もTBSラジオ『ハライチのターン！』をよく聴いているといい、今回のラジオ番組設定に大喜び。

　

パーソナリティーへの意欲を聞かれた松風は「やれたらいいなぁと思うんですけど、1人でしゃべる勇気がないので、ぜひ中島さんと一緒にやりたいです」と笑顔。内澤はすかさず「音楽やらせてください」と立候補した。

　中島は「ライブとお芝居のコラボは全く想像がつかなくて。でもandropさんの曲を聴かせていただいて、すごく心にしみて、グッと来る曲だったので、ぜひやらせていただきたいなと飛び込みました。2人の関係性が重要で、芽衣ちゃん（松風）を見るだけで泣けてくるんですよね」と感情移入。「お芝居の途中途中でandropさんの曲が入ってくることによって、エンディングに向けてどんどん盛り上がっていくのがお稽古しながら実感できて、お客様にも満足していただけるんじゃないかなと思います」と期待を寄せた。

　内澤はリハーサルで2人の演技を見て「今のところ100％泣いている」といい、「いつものライブとは気持ちが全然違う。ストーリーとひも付いて音楽が進行していくので、心の動き方が全然違います」と胸中を告白。伊藤彬彦（Dr）は「バンド活動を12年やってきて、観たこともやったこともなかったこと。改めて自分たちの楽曲に対して感動させてもらう機会をいただいて非常に感謝しています」と感激した。

　前田恭介（Ba）は「新しい形の感情の動き方を表現できているなと思います。2人の演技にだいぶつられるところもあり、うちのボーカルなんて稽古のときから感極まっていました」と暴露し、佐藤拓也（Gt／Key）は「藤野さんが僕たちの楽曲計8曲の歌詞の世界観を汲んだストーリーを書いてくれて、新曲も昔出した曲も新たな形で聴いてもらえるのは新鮮。曲たちもイキイキしています」と喜んでいた。

　公演はあす24日にも同所で行われ、配信も実施される。