大手芸能プロダクション・アミューズが主催する恒例の音楽フェス『Amuse Fes in MAKUHARI 2019 〜恋とか愛とか〜』が1日、千葉・幕張メッセ国際展示場9-11ホールで行われた。昨年はボーカルの山村隆太が喉の治療に専念し、活動を休止していたflumpoolが2年ぶりに登場。“兄貴分”のポルノグラフィティ岡野昭仁は「隆太、お帰り」と熱い抱擁で迎え、同期の高橋優も「一生忘れられない日になった」と復活を喜んだ。

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　山村は2017年12月に「歌唱時機能性発声障害」を公表し、治療に専念するためflumpoolはバンド活動を休止。昨年の同イベントには出演できなかったが、今年1月に活動を再開し、2年ぶりの登場となった。

　今回は出演者が副題の『恋とか愛とか』にまつわる話をするなか、高橋優は同期の山村隆太との関係性を語り始めた。

　「flumpoolと高橋優って、アミューズに所属させてもらったタイミングが2008年で、ほぼほぼ一緒なんです。2008年2月に初めて対バンをさせてもらって、僕がアグレッシブすぎたのか、自分が持っていたギターの弦を3本くらい切っちゃって演奏できなくなってしまったときに、まだあんまりしゃべったこともない隆太のギターを借りて、最後までどうにか演奏できた。その日から、もうかれこれ10年以上の付き合いになるのかな。お互いいろんなことがあった」

　この日はイベントの目玉企画として、アミューズを代表するアーティストの楽曲7曲を、曲ごとにボーカルを変えてメドレーで披露した。その中で、山村はRihwaとのデュエットで高橋の「福笑い」を、高橋はソロでflumpoolの「とうとい」を歌唱した。

　「さっき隆太が僕の歌を歌ってくれて『あなたが笑っていたら僕も笑いたくなる』と歌って、その後に僕がflumpoolの歌を歌わせてもらって、『笑ってくれてありがとう』と歌い結ぶことができた」と2人のやりとりのようなメドレーに感慨深げ。「こういうことを友達の前でしゃべるのはイヤなんですけど、10年以上一緒に歩いている仲間というか、ライバルというか、そういう存在。タイトルの『恋とか愛とか』ではないけど、絆とか、つながりとか、腐れ縁とか、友情とか、そういう言葉になるのかな。そういった意味でも2019年6月1日は一生忘れられない日になったと思っています」と山村の復活を喜んだ。

　そして、flumpoolの出番では、山村が高橋に支えられたことを感謝した。「僕はすごくプライドが高いところがあって、声が出ないときもみんなが心配してくれているのに“大丈夫、大丈夫”と言っていたし、周りを寄せつけなかったんです。でも優くんは、声が出ない頃に一緒にカラオケに行って、ちょっと声が出ただけで泣いてくれたんです。すごいでしょう？　俺も一緒に泣いたよ。それくらい一緒に背負ってくれた」と明かし、2人の友情に観客は胸を熱くした。

　そして、flumpoolのステージにはもう一人、山村の大きな心の支えとなったという岡野昭仁が登場した。大先輩の岡野から「お帰りなさい」と声をかけられ、抱擁と握手を交わした山村は「うれしいなぁ…」と満面の笑みを浮かべた。

　岡野は昨年の同イベントで「隆太が良くなって、またステージに戻ってきてくれることを願って歌います」とメッセージを送り、flumpoolの「星に願いを」を歌った。山村はその光景を会場の隅で観ていたといい、「友達と観に来ていたんですけど、友達のほうを見れないくらい泣いていました」と告白。「昭仁さんに本当に勇気づけられて、あのときそれがなかったら、あきらめていたと思います。ありがとうございます」と感謝を伝えると、今年は2人で「星に願いを」を歌い、感動の輪が広がった。

　もともとこのイベント自体、兄貴分のポルノグラフィティが中心となって所属アーティストを集め、懇親会を兼ねて行っていたバーベキュー大会を、ファンと一緒に盛り上がるためにフェス化したもの。アーティスト同士の結束が固いことで知られる。山村は休憩中に行われた囲み取材でも「声が出ない期間が長かったので、背負っているものがあったんですけど、ポルノさんが引っ張ってくれている一体感、仲のいい雰囲気が表だけでなく裏でも伝わってきた」と話し、「いろんな方が『頑張れ』『楽にね』と肩をもんでくれたりとか、（余計な）力が抜けました」と先輩、同僚の支えに感謝しきりだった。