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伊勢正三、16年ぶり新アルバムは「好きな世界を表現することができた」ラップにも挑戦

 「なごり雪」や「22歳の別れ」など数多くの名曲を世に送り出してきたシンガーソングライターの伊勢正三(67)が、16年ぶりのオリジナル・アルバム『Re-born』を20日に発売する。テーマは「ラブソング」。作詞、作曲からアレンジ、さらには演奏までを自ら手がけ、「素直に自分の好きな世界を表現することができた」と手応えを明かす。

16年ぶりのオリジナル・アルバム『Re-born』を発売する伊勢正三

16年ぶりのオリジナル・アルバム『Re-born』を発売する伊勢正三

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 伊勢は、1970年代に南こうせつ(69)、山田パンダ(73)と“かぐや姫”として活動、その後も大久保一久(68)とのユニットで“風”を結成するなど、70〜90年代の音楽史を塗り替えて来た。現在はソロ活動する一方、太田裕美(64)と元ガロの大野真澄(69)と共に“なごみーず”として全国を回るなど、「自らの原点」であるライブに主軸を置いた活動を繰り広げている。

 そういった中でリリースする今回のアルバムは、レコード会社のフォーライフによると、ファンからは「未発表があるなら出してほしい」「出し惜しみしないでほしい」という声が多く寄せられていたという。その声に伊勢も「僕に対する期待に応えたかった。まだまだ曲が書けるんだって言うことを示したかった」と、新曲ばかり12曲を収録したアルバムを完成させた。伊勢にとっては実に16年ぶりの作品集となる。

 アルバムのコンセプトは「ラブソング」だが、その内容はフォーク調のものから昭和歌謡風、フレンチポップス調の作品まで幅広い。中でも、字余りの詞をフォーク調のメロディーで歌った「風の日の少年」は自身のお気に入りの1曲。「ぜひ、(吉田)拓郎さんに歌ってもらえたらうれしいね。そんなイメージで作ったものですし…」と期待を寄せる。

 レコーディングは昨年の夏からスタートした。デビュー47年のキャリアもあるだけに「多少はミュージシャンっぽいところを出したかった」と語る一方で「時代に合わせたような作品作りは全く考えなかった」と伊勢。「これまで僕の曲を聴いてくれた人に向けた作品作りをしてきました。結果的に癒しや励ましになってくれたらうれしいですよね。いずれにしても時代を気にしないで作った分、素直に自分の好きな世界が表現できたと満足しています」と振り返る。

 ただ、新しいチャレンジとして「敢えて時代に合わせた部分と言ったら、ラップにチャレンジしたことですかね。ラップは以前から興味があって…。やはりラップは言葉ですから、僕の一番得意とする部分でもあるんです。リズムを取るのも好きですし…」と意欲的。もっとも、16年ぶりのアルバムに実感したのは「集中力」だったようだ。

 「以前は、一晩で出来たものが今は10年かかっちゃう。ものすごいエネルギーを使うよね。特にポップスのラブソングは、歳をとればとるほど大変になる。でも、今回は1曲目に作った『テレポーテーション』は、自分でも驚くぐらいカッコいい作品になった」と胸を張る。伊勢正三、66歳。ミュージシャンとして音楽への執着心はまだまだ衰えていない。

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