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「元気」「共感」で今夏を席捲する3ピースバンド2選

 経験や体験に消費の価値観を見出す、いわゆる“コト消費”への流れはエンタメ・シーンにおいても顕著だ。2016年のライブ・エンタメの入場者数は4,768万人と過去最高を記録しており(一般社団法人コンサートプロモーターズ協会調べ)、わずか8年前の2008年の同じ調査結果(2,253万人)と比べると倍以上の規模にまでマーケットが成長していることが見てとれる。

一緒に盛り上がれるバンド1位、WANIMA

一緒に盛り上がれるバンド1位、WANIMA

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 その動員アップの一翼を担っていると言えるのが音楽フェスの存在だ。国内アーティストの野外イベントは前年比107.5%と増加の傾向を見せており、なかでも舞台設営、開放的な雰囲気なども相まって夏に開催される音楽フェス“夏フェス”への注目度は高い。お目当てのバンドや“掘り出し物”のアーティストとの出会いなどこの夏も各地で行われる夏フェスには多くの音楽ファンが足を運ぶ。

■トップを分け合ったWANIMAback number

 そこで、この夏はどういったバンドが、激アツのステージで盛り上げてくれるのか、「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」「フジロックフェスティバル」、「サマーソニック」といった10年以上続く歴史ある音楽フェスの今年の出演バンドを対象に、「みんなで一緒に盛り上がれるバンド」「元気をもらえるバンド」のアンケート調査を行った。

 結果は、「みんなで一緒に盛り上がれるバンド」の1位にWANIMA、2位にback number、「元気をもらえるバンド」の1位にback number、2位にWANIMAと、この2つのバンドがトップを分け合う形となった。

■10代・20代に訴求するWANIMAの応援歌

 WANIMAは、2015年のアルバム『Are You Coming?』で存在を知らしめ、16年夏のシングル「JUICE UP!!」で大きく弾け、auのCMに起用された「やってみよう」で全国区へと羽ばたいた、まさにホップ・ステップ・ジャンプを絵に描いたような伸長著しいバンドである。「JUICE UP!!」でのステップアップはあったもののこの1年での浸透度の凄まじさから鑑みると、今年の夏フェスでの注目度の高さは1年前とは桁違いと言えそうだ。今年5月に発売した最新シングル「Gotta Go!!」は、自己最高位(3位)を記録した。そのリード曲である「CHARM」は、進学や就職など、新たな環境で頑張る人や、それを見送る人の「お守りになってほしい」という思いから生まれた、WANIMAらしい直球のメッセージソング。同曲が若者に人気の応援歌となっているところも、10代、20代にまで回答層が広がった一因だろう。「一体になって盛り上がれる」(20代/女性/愛知)、「フェスを盛り上げる代表のイメージ」(10代/女性/大阪)という声は、彼らが出演するイベントに出かける音楽ファンの多くが抱いているイメージかもしれない。

 そのほかにWANIMAに寄せられたコメントには、「明るくて元気が出る」(20代/男性/静岡)、「パーカッションとボーカルが素晴らしく、演奏もノリも素晴らしい。夏にいい汗かいてハイになれるバンド」(30代/男性/神奈川)、「テンションアゲアゲの元気な曲が多いと思う」(10代/女性/長崎)、「エネルギッシュなパフォーマンスがすごい」(20代/女性/香川)、「ポジティブでキャッチーな歌詞と疾走感が最高!」(30代/女性/千葉)、「応援するようなフレーズがたくさん歌の中にある」(10代/女性/岡山)、「勇気づけられる」(30代/女性/宮城)といったものが並ぶ。通底するのは「パワー」「前向き」「応援」といったところだろうか。音楽を通して前向きになりたい、という思いに応えることのできる存在だからこそ人々は彼らに期待し、そのステージを心待ちにするのだろう。

■「共感」を呼ぶ楽曲パワーが「元気」を生み出すback number

 一方のback numberについては改めて語るまでもないだろう。2015年に発表したアルバム『シャンデリア』での初の1位獲得によって人気が加速すると、一気に時代を代表するバンドの一角へと躍進、ベストアルバム『アンコール』が17年上半期のアルバム売上TOP3入りを果たし、この春には全国15会場30公演に及ぶアリーナツアーを成功させたばかりだ。

 「色々な年代に親しみやすい曲だと思う」(30代/女性/神奈川)、「世代を超えて受け入れられる音楽なので」(40代/女性/愛知)、「盛り上がれる曲もバラードもまんべんなくあるので、どんな人といっても盛り上がれそう」(30代/女性/東京)、「バラードからアップな曲まで幅広いから」(50代/男性/埼玉)、「共感できる曲があるから」(50代/女性/東京)、「歌いやすいメロディーで、歌詞に共感する人が多いと思うから」(50代/女性/神奈川)、「曲に共感できるから」(50代/男性/群馬)といったところが彼らを選んだ人々のコメントだが、ここに共通するのは「世代を選ばない曲調」と「共感できる楽曲」という点だろう。

 出演するアーティストもジャンルレスな音楽フェスでは、そこに集う観客もまさに十人十色。そうしたさまざまな世代・嗜好の違いを超越して届けられる作品群を保持するからこその「盛り上がり」が期待できるということだろうし、「共感」を呼ぶ楽曲パワーが「元気」を生み出すのだろう。注目のバンドだから選ばれたというわけではなさそうだ。

 音楽的スタイルや人々が期待するイメージこそ全く異なるものの、この2組のバンドが今年の夏を席巻するのは間違いないはずだ。

【調査概要】
調査対象:全国10〜50代男女
サンプル数:4136人
調査期間:2017年7月26日〜7月28日
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ

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