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嵐がMステで『世界一難しい恋』主題歌を初披露 その魅力とは?

 13日放送の音楽番組『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で、人気グループ・が最新曲『I seek』を初披露した。本作は、大野智が主演するドラマ『世界一難しい恋』(日本テレビ系)主題歌。ドラマやラジオ等でしかオンエアされていなかったこの曲を、同番組では5人がビビッドなセットの中で披露した。楽曲や声の変化、そして“無茶ぶり”にも対応できる、嵐の進化する魅力とは?

5月20日放送の『ミュージックステーション』では、松本潤主演ドラマ『99.9ー刑事専門弁護士ー』主題歌『Daylight』を披露する

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◆好調の“セカムズ”主人公の心情に即した大人のラブソング

 大野智の声が、変わった――? それが、嵐の新曲『I seek』を聴いたときの最初の印象だった。『I seek』は、大野が主演を務めるドラマ『世界一難しい恋』の主題歌。仕事はできるが恋に不器用な男が、独断的だった自分、傲慢だった自分を捨てて、波瑠が演じる“君”に乱されていくというドラマの内容に連動し、この主題歌もまた、ファンクなアレンジがときめきを加速させる、大人のラブソングに仕上がっている。

 嵐の5人の歌声を楽器にたとえるなら、5人とも弦楽器になるだろう。それもギターではなく、タイムレスな艶やかさが耳に心地よいヴァイオリン。同じ楽器なのに、個体によって微細に音が違う。だからこそユニゾンが美しい。演技同様、歌声にも圧倒的な熱量を感じさせる二宮和也、渇いた風のような爽やかさが特徴の相葉雅紀、ラップのときの鋭さと歌う時の優しさを自在に使い分ける櫻井翔、青春の切なさと明るさが混在する松本潤。そういった彼らの歌声の艶めき、きらめきや揺らぎの中でも、大野の歌声の“透明感”は群を抜いていた。でも、『I seek』に限って言えば、大野の声は時折悔恨や葛藤のような感情を滲ませ、弦楽器というより、管楽器的な爆発力を響かせているのである。だから、とくに大サビは、ファンクなアレンジと歌声とが絶妙に溶け合って、「恋したい」気分を盛り上げる。

◆Mステの“無茶ぶり”にも応える 曲には“歳相応”の主張も

 アイドルを応援することの醍醐味の一つは、常にその成長や変容に場に立ち会えることだ。13日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)では、ウインクや指さしなど、嵐が番組で披露したパフォーマンスを、“決めワザ”別にランキングしていたが、顔立ち、髪型、衣装など、見た目がどんどん変化している彼らを、「懐かしい〜」とアーティスト本人と一緒に振り返るのは、ある意味、“最新作が最高傑作”だという自負がなければできない企画ともいえる。「過去にあれだけチャーミングなパフォーマンスを披露したのだから、今日も魅せてくれるはず」と、視聴者は期待し、その見えない期待に彼らは確実に応えていく。「歌い終わりにカメラ目線を」という、大野への生放送ならではのスリリングな無茶ぶりには、誰もが釘付けになったはずだ。

 2対3だったり、1対4だったり、“5”という人数をフルに生かしたダンスのフォーメーションや、まるで何かに“気づく”ように低い位置から起き上がる振り付けなど、見たことのない新しい世界をダンスでも提示しながら、歌詞の中にも、従来のアイドルのラブソングにはない“歳相応”の主張が感じられた。
 それは、<ここから 今から 変わりたいんだ>という想い。言い換えれば、いくつになっても人は変われるということだ。そのかけがえのない真実を、彼らは自らの“存在”で示している。“闘い方”を音楽で曝け出している。どんな日常も当たり前だと思わない、常に“Hello”と“ Goodbye”のある生き方を――。
(文/菊地陽子)

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