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コンサート日本一さだまさし、アンコール問題を語る

 T.M.Revolution・西川貴教の発言をきっかけにアンコールのあり方が話題を呼んでいる。日本では多くの公演でアンコール演奏が行われているが、もともとが客席の盛り上がりで自然発生的にスタートしたであろうアンコールが、いつの間にか定番になっている現状もふまえ、ホールコンサート回数日本一、7月8日にニューアルバム『風の軌跡』を発売したばかりのさだまさしにアンコールについての見解を聞いた。

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■呼ばれないのに出ていく必要はないと思う

――近年、アンコールの是非が話題になっていますが、さださんはアンコールについてどう考えていますか?
【さだ】 最近の若いミュージシャンのコンサートを見に行くと、客席がアンコールを当たり前だと思い込んでいるところがある。でも、それは間違いだと思う。アンコールは勝手に始まるものではなく、本編が終わってもまだ聞き足りない客席がミュージシャンに要求するものだよね。呼ばれないのに出ていく必要はないと思う。だから、もし出ていく前に拍手が鳴りやんだら僕はそのまま帰る。逆にアンコールをやって、まだ拍手が鳴りやまなければ、また出ていく。で、もういいよね、って思いながら袖に引っ込んで、まだ拍手が鳴りやまなければ、また出ていく。

――つまり、その状況いかんで決めていくものだと。
【さだ】 僕は6時にコンサートをスタートしてアンコールが続いて10時過ぎまで歌ったことがある。10周年記念コンサートの最終日の大阪フェスの時だけど、この時はみんな帰らなかったな。最後にはステージに座って、「お願いだから帰って!」って懇願してみんなに帰ってもらいました(笑)。アンコールは要求されればナンボでもありまっせ、っていうのが僕の考え方。みんな、気持ちはそうなんじゃないの?

――TM西川さんも「客席から求められ、それにこたえる心と心の呼応がアンコール」と言っています。ただ、twitterに書き込んだ時の公演では、「アンコールを頂きステージに出ると、スマホを触ったり、着席して談笑されてることがあるので」と、客席がアンコールを本当に要求しているのかどうかがわからない状況が気になったようです。
【さだ】 そういう時は出なきゃいいんだよ。アンコールは本編ではないんだから。そこはビジネスのようでビジネスじゃないところがある。だから呼ばれれば何度でも出るんだよね。

――そこはお客さんとの闘いですか?
【さだ】 サービスだね。リクエストしてくれる限りやります! っていう。お客さんの中には、あれだけ一生懸命やってくれたんだからこれで解放してあげようよという考え方の人も多い訳で。そういう人達の意志を乗り越えて、それでもまだまだ呼ぶんだったら、いいよ行くよっていう覚悟はあるね。でも、アンコールって面白いもので、こちらがすごくいいステージができて、やる気まんまんなのに、いいステージだったからって客席がアンコール1回で満足してしまって、俺はまだ出たいのに出れなくて「最近のお客さんは躾がいいね」ってつぶやきながら楽屋に戻って終わっちゃうってこともあるよね。アンコールも生き物だと思うね。

――会館の使用制限時間もありますしね。
【さだ】 まあね。ただそれは俺の知ったこっちゃない (笑)。呼ばれる限り、俺は関係なくやるよ。ただ、その日中にどうしても終わらなければいけない事情がある時は別だけど(笑)。そういう時は本編を計算して、何度かアンコールが来てもいいように持っていく。だから客席に悟られずに満足してもらいながら無事コンサートを終えることができるし、お客さんにも「もうこんな時間! 楽しかった」と満足してもらえるだけの技量はあるんじゃないかな。

――さすがコンサート回数日本一ですね。
【さだ】 修羅場も感動もくぐってきたからね。以前、自分自身がすごく感動して絶対に帰りたくないコンサートいうのがあった。でも、しばらくするとみんなぽつぽつと帰っていくんだよね。「ああ、やっぱりみんな帰るのね…」って、ステージの袖で置いてきぼりになったような気持ちになったこともあるし(笑)。色々なことがあるからステージは楽しいよね。どうしてもお客さんが帰らなかった時に、その場の判断で「祈り」っていう曲を演奏して、最後のラララのフレーズを客席が大合唱するように煽って、演奏を順次止めて袖に下げて、最後はピアノ1本にして、途中でそのピアノも帰らせて、僕も指揮をしながらだんだんステージを離れて、楽屋に帰って着替えてね。楽屋口を出る時に客席がまだ歌ってて、それを聞きながら「みんな、ありがとう」ってつぶやきながら帰ったこともあったね(笑)。4000回もやっていると、いろいろなことがあるよ。



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  • アンコールについての見解を語る“コンサート日本一”、さだまさし
  • 7月8日発売のさだまさしのニューアルバム『風の軌跡』』

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