04年のバンド結成から丸10年を経て、11年目に突入したUNISON SQUARE GARDEN の10thシングル「シュガーソングとビターステップ」が、6/1付で自己最高初動となる3.4万枚を売り上げ、5位に初登場。その後も順調に売上を伸ばし、発売4週目の累積売上では、初動のほぼ倍となる6.7万枚（6/22付）を記録するスマッシュヒットとなっている。

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　シングル・アルバムを通じて、これまでの自己最高売上は13年11月発売の8thシングル「桜のあと（all quartets lead to the？）」の2.3万枚で、本作で、自身のセールス記録を大きく伸ばしているのだ。

　UNISON SQUARE GARDENのブレイクポイントとしては、TOKYO MX他で放送されたTVアニメ『TIGER & BUNNY』OPテーマとなった5thシングル「オリオンをなぞる」（11年5月発売）のヒットが挙げられる。

　同作はアニメのヒットとともに、セールスを伸ばし、累積売上2.0万枚を記録。同年には初の日比谷野外音楽堂公演も成功させた。その後も、「TIGER & BUNNY」シリーズとは2度にわたるコラボが実現。劇場版『〜-The Beginning-』主題歌「リニアブルーを聴きながら」（12年9月発売）と、劇場第2弾『〜-The Rising-』主題歌「harmonized finale」（14年2月発売）の2作を書き下ろした。

　さらに、前作「桜のあと（all quartets lead to the？）」もアニメ『夜桜四重奏- ハナノウタ-』主題歌となり、今作では、アニメ『血界戦線』EDテーマとなっており、ここ数年、アニメを通じて、着実にファンを獲得している。

　実際、本誌「期待度ランキング」で実施した調査でも、今作発売1週前の興味関心度では、前作ではほぼ反応のなかった、10代男女の関心の高まりもみられており、『血界戦線』の視聴者が反応していることがうかがえる。

■タイアップとライブの両輪でファンを拡大

　今作について、タワーレコード商品本部邦楽部 担当者は「想定を大きく上回る売れ行き」と語る。

「タワーレコードに初めて来る方も多く見受けられ、『血界戦線』のファンを中心に、ファン層が急速に広がったと実感しています」（タワーレコード担当者）

　ほぼすべての楽曲で作詞・作曲を担当するベースの田淵智也は、アニメや漫画への造詣も深く、LiSAや戸松遥など、アニソン系アーティストや声優へも多数楽曲を提供しており、実は、アニメファンからも広く知られる存在。

　アニメ音楽誌『リスアニ!』でも連載を持つなど、田淵のアニメ作品に対する愛着や理解が、タイアップ曲のクオリティにも繋がっているのは間違いない。

　実際、エッジが効いたバンドアンサンブルから奏でられるキャッチーなメロディーライン、斎藤宏介の印象的なボーカルは、『TIGER & BUNNY』や『血界戦線』といった戦闘系・バトル系アニメのスピード感や世界観とも見事に合致しており、今作も『血界戦線』鑑賞後の余韻を十分に引き立てている。

　一方で、彼らはライブバンドとしての実力も申し分ない。ここ数年は多数の夏フェスに出演しているほか、本年7月24日には初の日本武道館公演を開催。一般席およびバックスタンド席のすべてを即完させた。なかでも田淵の演奏中のパフォーマンス（暴れっぷり）は、ファンの間でも有名で、テレビ出演時などでも、そのパフォーマンスが話題となることも多い。

「6月5日の『ミュージックステーション』への出演も、今回のセールスに影響したと考えています。もともとライブバンドとしてコアファンを掴んでおり、アニメで彼らの楽曲に出会い、パフォーマンスを観てファンになる。こうした構図も生まれているのかもしれません」（タワーレコード担当者）

　ジャンルを超えて彼らのサウンドが広がり始めている中、先述した日本武道館公演に続き、7月22日にはバンド結成10 周年記念アルバム『DUGOUT ACCIDENT』の発売も控える。先日のタワーレコード担当者は「アニメファンの方はタイアップ曲のシングルは購入していただけますが、アルバムとなると、なかなか購入までには至らないケースも多いです。今後、ライブやメディア露出などを通じて、どうアニメファンを掴んでいくのか注目しています」とも語る。

　今作のヒットを受け、早くも次回アルバムへの期待も高まっている。


(ORIGINAL CONFIDENCE　15年6月22日号掲載)