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家入レオ「前は番犬みたいに予防線を張っていた」 デビューから3年、20歳の進化

 17歳でデビューしてから3年、昨年の12月には20歳を迎えた家入レオが、2月25日に3rdアルバム『20』を発売した。タイトル通り、“20歳”を強く意識して制作された本作は、10代から20代にかけての様々な変化が感じられる作品に仕上がっている。以前から「20歳になること」に対して特別な思いを抱いていた家入。実際に20歳を迎えた今、どんな気持ちでいるのだろうか。

■20歳になってみないとわからないことがたくさんあった

――やはり20歳になるというのは大きな意味があったんですか。
【家入】 ありました。デビューするときに「これからはあなたのことは高校生じゃなくて、ひとりの大人として扱うから」って言われたんです。そのときから自分でもけっこう甘えなくやれてると思ってたんですけど、それでもガラス1枚分のフィルターはちゃんと設定してもらってたんですよね。誰かに何かを言われたとしても、ちょっとカドが丸くなった状態で自分のところに届く。そのガラスが抜き去られて、ホントの意味で責任を持てるようになったというか。何よりも自分自身が解放的になれましたね。

――誰に対しても1対1でしっかり向き合えるほうが性に合ってるんじゃないですか?
【家入】 好きですね(笑)。ケンカもしっかりやり合いたいタイプなんですよ。コミュニケーションが取れないのがいちばん苦痛だし、ちゃんと言い合えるのであれば、それは質のいい人間関係だと思いますね。もちろん人によって違うだろうし、あくまでも“私の場合は”ですけど。

――今回のアルバム制作はやはり今まで以上に年齢を意識されたのでしょうか。
【家入】 アルバムも3枚目なので、デビュー前に作りためていた曲がなくなってきてるんですよ。そのぶんリアルタイムの曲が多くなっています。実際、今回はこの1年以内に出来た曲がほとんどなんですよね。20歳をいちばん意識してたのって、19歳の1年だったんですよ。私は17歳でデビューしたんですけど、計算式を解いている途中で答えがバン!と出されることもけっこうあったんです。私が「こうしたい」ということに対して、「こうするべき」とすぐに答えを出されてしまう。そういうときに私は「20歳になれば」という言葉を使ってたんです。それは「いま頑張ったら、いい未来が待っている」というおまじないの役割だったような気がします。20歳になったときは「なんだ、こんなもんか」って思ったけど(笑)、それも20歳になってみないと分からなかったことですし。

■10代の喜びや悲しみとしっかり向き合う

――自分自身でしっかり実感しながら進んでいきたい、ということですか。
【家入】 そうですね。生きていれば嬉しいことも悲しいこともあるけど、20代になったら“20代の喜び”“20代の悲しみ”を味わいたいんです。そのためには10代の喜びや悲しみとしっかり向き合わないといけないって思って。そうしないと、10代の壁が形を変えてずっと立ちはだかる気がしたんですよ。「この瞬間を歌に刻みつけたい」というのはずっと言ってきたし、伝えたいメッセージも変わってないんですけどね。ただ、伝え方は変わってきたかもしれない。

――どんなふうに?
【家入】 誰かが私の家のドアをノックしたとして、前だったら番犬くらいの勢いで予防線を張ってたんですね。いまは「お茶でも飲んでいきませんか?」って優しく言えるようになったし、そのほうが(リスナーも)心の階段を下ってきやすいんじゃないかなって。1stアルバムの頃、「レオちゃんの曲を聴くときは、心の準備をしておかないとズタズタにやられちゃうんだよね」って言われたことがあって。それも自分の持ち味なのかなって思ってたんだけど、傷つく準備をしてもらわないほうが心の浸透率が上がるだろうし、もっと届くと思ったんですよ。そのためにはまず、私から両手を広げて、みんなを受け入れないとなって。そういう意味では、全体的に淡いアルバムになったと思います。

――5月からは『20』を引っ提げたツアーがスタートしますが、ライブに臨む姿勢も変化してますか?
【家入】 これまではずっとスイッチを切り替えてステージに上がってたんですけど、年末の「COUNT DOWN JAPAN」くらいから、それをやめてみたんです。そしたら、すごくラクにスッと雰囲気に溶け込めて、「こっちのほうが届くのかもしれないな」って思いましたね。何て言うか、普段の自分以上のものを見せようとしないことの大切さに気づいたのかもしれない。

――では最後に。20代の「家入レオ」が目指すものとは何でしょうか。
【家入】 それを見つけていきたいと思っています。10代は勢いでいけたところもあると思うんですけど、これからは自分で責任を持って、いろんなものを探していかないといけないなと思うんです。映画、音楽、本にももっともっと触れたいし、インプット、アウトプットをたくさんしていかないと。『20』は始まりのアルバムだと思ってるんですよ。10代の幕を閉めたアルバムでもあるし、この先はもっともっとステップアップしていかないとダメだなと思います。

(文/森朋之)



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