ORICON NEWS

マキシマム ザ ホルモン「CDのプレミア感」を演出してヒット

 マキシマム ザ ホルモンの約6年ぶりのニューアルバム『予襲復讐』が、8月12日のアルバムランキングで自身初となる初登場1位を獲得した。初動売上は、07年3月発売のアルバム『ぶっ生き返す』(最高5位)での7.1万枚を2倍以上も上回る15.7万枚。ファン待望のニューアルバムということに加えて、今回、徹底的にパッケージの価値を高める展開を行ったことが、爆発的スタートにつながった。

爆発的なヒットとなっているマキシマム ザ ホルモンのアルバム『予襲復讐』(VAP)

爆発的なヒットとなっているマキシマム ザ ホルモンのアルバム『予襲復讐』(VAP)

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 今回、爆発的スタートとなった主な要因は、アルバムとしては前作から約6年ぶりで期待が高まっていたこともあるが、(1)異色対バンを含む精力的なライブ・フェス出演(2)リスナーが一緒に楽しめる施策を盛り込んだメンバー発信によるメディア展開(3)CDパッケージの価値を高める施策の3点がポイントとなった。

 地上波の音楽番組に出演しないというスタンスを貫いてきたなかで、ライブは彼らにとってパフォーマンスはもちろん、音楽そのものを伝える重要な場となっている。特に13年は怒涛のフェス出演やくるり、Perfumeらとの対バンで、新規ファン層へもアピール。ORIGINAL CONFIDENCEの期待度ランキング調査における発売1週前のアーティスト認知度では、前アルバムより28.8Pt増となる45.8%を記録した。

 タワーレコード渋谷店 貞廣菜穂氏は「昔からのファンだった30代前後のスーツを着たサラリーマンや子連れの女性などに加えて、10代のパンク好きの子たちも多かったですね。今も変わらず若いバンドと対バンしていることで、ファン層が広がっていると思います」と語る。その言葉からも新規ファンを獲得している様子が窺える。

 また今回、話題を集めていたのが、動画サイトを使ったプロモーションだ。6月1日〜2日に「ニコニコ生放送」で24時間にわたる特集番組が行われ、2年ぶりの新曲「え・い・り・あ・ん」MVを発表。ただ発表するのではなく、ネット上のどこかにMVを隠し、「マキシマム ザ ホルモン」の後に続く大量のおもしろ検索ワードを提示し、そのなかから検索で当たりが出るとMV視聴ができる、という企画を5日間限定で実施した。7月26日には大根仁氏を筆頭にした8名の監督集団による標題曲「予襲復讐」MVをYouTubeで公開している。

 期待感を煽ってきたなかで、さらに初動の数字を積み上げたのが、「パッケージの価値」を高める施策だ。CDパッケージ自体に付加価値をつけることはもちろん、配信、レンタルを一切禁止したことで、作品の入手はCDのみという状況を作った。さらに店頭でしか特典を入手できない「裏ジャケ店頭企画」や旧譜キャンペーンも実施するなど、店頭で購入してもらうための施策にも注力。「旧譜キャンペーンで配布したうちわは、初日のお昼ごろにはすでになくなってしまいました。裏ジャケ企画に参加するお客様も非常に多く、ファンも彼らの展開をすごく面白がっている印象がありますね」(貞廣氏)。

 今後も引き続き夏フェス出演を多数控えており、さらにセールスを伸ばしていきそうだ。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年8月12日号掲載)

⇒⇒ マキシマム ザ ホルモンのチケット発売情報

関連写真

  • 爆発的なヒットとなっているマキシマム ザ ホルモンのアルバム『予襲復讐』(VAP)
  • マキシマム ザ ホルモンの13年に入ってからの主な動き

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索