歌手・安室奈美恵が、90年代に世界を席捲した米女性R＆Bグループ・TLCのデビュー20周年記念アルバム『TLC20 〜20thアニヴァーサリー・ヒッツ〜』（6月19日、日本先行発売）に参加したことが10日、わかった。安室が洋楽アーティストの楽曲に参加するのは初めて。「彼女たちの20周年という素敵なタイミングに、ご一緒できてすごく光栄です」と感激もひとしおだ。

　安室と同じ1992年にデビューしたTLCは、もともとT-ボズ、チリ、レフト・アイからなる3人組。これまでに4つのグラミー賞を受賞、全米シングルチャート1位を4曲で獲得し、全世界のアルバム総売上は6500万枚以上という、今なおガールズR&Bグループ史上最高の売上記録を保持するスーパーグループだ。

　2002年に不慮の交通事故でレフト・アイさんを失う悲劇に見舞われ、残された2人で活動を続けているTLCは、自身のヒット曲を新たにレコーディングした20周年記念作を世界に先駆けて日本で先行発売。日本に並々ならぬ愛着を持っている彼女たちは、95年に全米7週連続1位を記録した代表曲「ウォーターフォールズ」のリメイクにあたり、同曲で印象的なレフト・アイさんのパートを担当する歌手として、安室に白羽の矢を立てた。

　きっかけはTLCの代表作を手がけた米音楽界屈指の人気音楽プロデューサー、ダラス・オースティン氏が1999年〜2000年代初め、安室のシングル「SOMETHING 'BOUT THE KISS」など数曲をプロデュース。当時、ダラス氏の自宅を訪れた安室は、氏の当時の交際相手だったチリと対面し、両者に縁が生まれていた。

　TLC側の熱烈なオファーを快諾した安室は、原曲を元に歌詞やメロディーをアレンジ。レフト・アイさんのパートとサビを新たに歌唱した音源を聴いたT・ボズは「興奮したわ。私たちの代表曲に新しい息吹を与えてくれた。ナミエが参加してくれたことを誇りに思う」と称賛。TLC側の期待を超える出来栄えとなった同曲は、TLC with 安室奈美恵の「ウォーターフォールズ（20th アニヴァーサリー・ヴァージョン）」として生まれ変わった。

　多忙を極めた両者のレコーディングは別々に行われたが、写真撮影のため米ロサンゼルスで対面。久しぶりの再会となったチリは安室に走り寄り、T-ボズともすぐに意気投合。チリは「久しぶりにナミエに会えてうれしかった。10年以上前に会ったとき、将来何かできたらいいなって思ってたから、今回共演が実現してとても喜ばしく思うわ。彼女がアレンジしてくれたところ、すごく気に入ってる」と大喜びした。

　TLCは、アルバム発売週の22日に千葉・幕張メッセで行われる音楽授賞式『MTV VMAJ 2013』に出演するため、約3年ぶりに来日。新作に向けた本格的な活動を日本からスタートさせる。

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