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【編集長の目っ!】ソウルシンガー・福原美穂の“真髄”

■ソウルシンガー・福原美穂の“真髄”

 約1年前、ここで福原美穂を取り上げた。その時は「今、日本で最も“歌えてる”シンガーのひとり」、「ものすごい高性能エンジンを持っているのに、それを生かしきれていない」など持ち上げて落とす、みたいな紹介の仕方だった(笑)。

 というのも、彼女の場合はデビューコンベンションも観ているし、その後インタビューで何度も顔を合わし、ライブにもほとんど参戦しているということもあり、常に気になる存在だから。気になるからこそ、期待が大きいからこそ、自分のなかで彼女への評価のハードルを自然に上げていて、リリースする作品にしても、ライブにしても簡単には“いいね”ボタンを押せない、という感じだった、正直。

 でも、彼女のルーツでもある「ソウル・ミュージック」をベースに、自分が“やるべき”音楽を追求する「ソウルEP」シリーズをリリースし始めてから、彼女は変わったと思う。その前、2010年にリリースしたアルバム『Regrets of Love』を作り上げて、彼女自身がそう感じ、シリーズに向かっていったといった方が正しいのかもしれない。

 その「ソウルEP」シリーズの集大成としてリリースされるのが、『The Best of Soul Extreme』(6月13日発売)だ。彼女の3rdアルバムとなるこの作品、その“想い”が溢れる一枚となっている。

 一流のミュージシャンとのコラボは、彼女自身大いに刺激になって、結果的にその高性能エンジンがくすぐられ、いよいよ全開になってきたように思える。彼女がリスペクトしてやまないアーティストと対峙した時の、彼女の極限まで研ぎ澄まされたであろうその“感覚”や、純粋に一緒にコラボができることの喜びや楽しさを感じている、そのときの“感覚”が、すべてパッケージされていると思う。だから聴いていてドキドキするし、彼女の“想い”が真っ直ぐ、熱を帯びて伝わってくる。

 AIとの掛け合いはやっぱり鳥肌ものだし、ソウルの女王・和田アキ子とは、決して臆することなく堂々と向かい合い、すごいグルーブを創り上げている。Charaとの共作では2人の強いけどかわいらしい部分がすごく出ている思うし、天才同士の共演、三浦大知とは2人の実力がぶつかり合い“ソウルほとばしる極上のポップス”を作り上げている。

 さらにUKの歌姫レオナ・ルイスともデュエットを実現させ、壮大なバラードは感動的だ。音楽にどこまでも真摯に向かい合っているアーティスト=“同志”と感性がぶつかり合う瞬間瞬間を、彼女はそれをエネルギーに換え、そしてパワーにして、歌にぶつけてきたのではないだろうか。それほど、どの楽曲も凛々しくて、瑞々しささえ感じる。

 もちろんコラボ曲だけでなく、彼女が歌う13曲すべてにそれを感じる。地に足を着けて、真っ直ぐ前を見つめ、歌と向かい合う彼女のすべてが、魂が、1曲1曲に見事に投影されているから、このアルバムは聴き終わった後、心に残るものの大きさや重さをすごく感じることができるのだと思う。余韻もまたいい。エネルギーをもらったような、そしてまるで、彼女の懐に抱かれているような柔らかで優しい気持ちにもなれる。強さと優しさ両方を持ち合わせているのがソウルシンガーなんだと、改めて感じた。

 初回生産限定盤には、カバーベストが付いているが、これも秀逸だ。選曲の妙も見逃せないが、彼女のボーカリストの実力を堪能できる。ライブで聴く彼女のカバーは最高だ。数々の名曲の、誰もが感じているその曲の良さや聴きどころは真っ直ぐ届け、そこに彼女らしさ、彼女の色をしっかりと乗せ、結果的に“イイ!”と思わせてくれる。

 彼女が言う「ワールド・スタンダード」、日本のみならず世界中の音楽ファンに愛されたい、世界中に日本の良さを音楽で伝えたいというその“想い”、所信表明がこの『The Best of Soul Extreme』に詰まっていると思う。

 高性能エンジンを搭載した24歳の若きソウルシンガーが、そのアイドリングを終え、エンジンも温まり、いよいよアクセル全開。これから一気にスピードに乗り、音楽シーンをうなりを上げ突っ走ってくれそうだ。

⇒ 『編集長の目っ!!』過去記事一覧ページ

関連写真

  • 福原美穂
  • アルバム『The Best of Soul Extreme』ジャケット写真(初回生産限定盤)

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