元「パント!」りさ姉が待望の“歌手デビュー” 「私はこれからもずっと、りさおねえさん」

 NHK Eテレ『おかあさんといっしょ』で「パント!」のおねえさんとして活躍してきた上原りさが、「はみがきジョーズ/ベイビーシャーク」で1月29日、CDデビューする。昨年3月に7年間にわたって出演してきた同番組を卒業し、新たな世界に踏み出して約10ヶ月。それでもなお"りさおねえさん"と呼ばれることへの思いや、同番組との絆、そして今後の活動について語ってもらった。

番組卒業後、一番驚いたのが今回の”歌手デビュー"

──リリースに先駆けて、全国各地のイベントで「はみがきジョーズ/ベイビーシャーク」を披露してきましたが、"りさおねえさん"が帰ってきた! と子どもたちも喜んでいるんじゃないですか?
上原卒業してまだ1年経ってないので、けっこう覚えていてくれる子も多くてうれしいです。この歌も子どもたちの反応がとてもいいんですよ。メロディも歌詞もシンプルなので、初めて聴く子たちもすぐに覚えてみんなで歌ってくれるんです。

──楽しい振り付けもあって、よけい覚えやすいのかもしれないですね。
上原イベントではまず『みんなで歯みがきしようね〜』と振り付けをレクチャーしてから歌うことが多いんですが、子どもたちがシュシュシューッて、必死に歯みがきをしている姿が可愛くて可愛くて、自然と私もニコニコしてしまいます。子どもたちの歌声もたくさん盛り込まれていたり、あとCDでは世界中の子どもたちに大人気の『ベイビーシャーク』の日本語バージョンも歌わせていただいたりと、より子どもたちが親しみやすい1枚になったんじゃないかなと思います。
──ちなみに「おかあさんといっしょ」では7年間、"身体表現のおねえさん"を務めてこられましたが、歌はいかがですか?
上原もともと音楽大学のミュージカルコースで学んでいたので、歌はもちろん大好きなんですけど、人前でちゃんと歌うのはそれこそ7年ぶりなので、最初の頃はかなり緊張しました。現役のおねえさん時代は声を出すにしても子どもたちを煽る感じだったので、歌とはぜんぜん違う喉の使い方をしていて(笑)。『おかあさんといっしょ』を卒業後から、歌うための喉作りをしていこうとボイトレに通ってきました。でもCDを出すなんてまったく想像していなかったので、卒業してからたくさんの新しい体験をさせていただいていますが、一番驚いたのが今回の”歌手デビュー"でしたね。

“芸能人”として自分の中の意識も変えなければ…

──昨年3月に「おかあさんといっしょ」を卒業され、ホリプロ所属となりましたが、どのような環境の変化を感じますか?
上原一番は周りが大人の方ばかりになったということですね(笑)。それから"芸能人"として見られるようになったこと。『おかあさんといっしょ』のおねえさんは、テレビに出ている人ではあるけど芸能人ではないんです。だけど今はお仕事内容的にも、やっぱり"芸能人"という肩書きになるのかなと。自分の中の意識も変えなければと思うんですが、なかなか慣れないですね。

──どんなときに戸惑いを感じますか?
上原当たり前のことかもしれませんが、バラエティやトーク番組というのは『おかあさんといっしょ』とはぜんぜんペースが違っていて。きっちり台本が決まってるわけではなく、その場その場で盛り上がった話題が展開していくこともよくあって、そのスピード感についていくのにいつも必死です(汗)。
──それでもやはり、7年間の『おかあさんといっしょ』の経験は生きているのでは?
上原そうですね。『おかあさんといっしょ』で学んだことはたくさんあります。一番大きかったのは、こちらが本気で向き合わないと子どもたちには絶対に響かないということ。子どもというのは大人のように空気を読むなんてことは絶対にしないですから、こちらが適当なことをしたら適当な反応しか返ってこないんです。あとは臨機応変さですね。子どもたちって本当に自由なので(笑)。

──今だから笑い話だけど、みたいなことも現場で起きていたり?
上原今でも思い出すのが、『パント!』のコーナーで雪のパントをやったときに、ある子が『オラフ!』と叫んだことです。雪に関連して『アナと雪の女王』を思い出したんでしょうね。でもNHKは特別な理由がなく固有名詞を言うのはNG。その子の声があまりに大きかったので、私のマイクが拾ってしまうんじゃないかと、そのときはドキドキしっぱなしでした(笑)。『おかあさんといっしょ』の現場では、そういう小さな事件が毎日のように起きていて、そのたびにどう対処するかといった臨機応変さは身についたのかなと感じています。

『おかあさんといっしょ』の仲間がいつでも助けてくれる

──改めて偉大な番組に関わってきたんだな、と?
上原そうですね。『おかあさんといっしょ』って、多くの人が人生で3回経験する番組だと言われてるんですよ。まずは子どものとき、次に親になったとき、そして孫ができたとき。加えて私は"おねえさん"として、みなさんよりも1回多くこの番組に関われているんだと思うと、ありがたい気持ちでいっぱいです。いつか自分にも子どもができたときに、どんな気持ちでこの番組を見るんだろうと妄想することもありますね。それこそ私が現役の頃にやってたあの歌はやるのかな、とか。

──子どもの頃に歌った歌は、ずっと忘れないもの。「はみがきジョーズ」もそんな1曲になるといいですよね。
上原今の子どもたちが大人になって子どもができたときに、一緒に歯みがきをしながらこの歌を歌ってくれたりしたら本当に幸せですね。ずっと先の話になりますけど。
──一足先に卒業〜芸能界入りした横山だいすけさんからは、タレントになる上でのアドバイスはありましたか?
上原たくさんの初めてを経験するだろうから、新鮮な気持ちで楽しめばいいよ、とおっしゃってくれました。たしかに芸能界は『おかあさんといっしょ』とはぜんぜん違う世界なのでゼロスタートにはなるけど、迷ったり悩んだりしたら『おかあさんといっしょ』の仲間がいつでも助けてくれるから安心していていいんだよ、と。

──たとえ卒業しても、『おかあさんといっしょ』との絆は途切れないんですね。
上原『おかあさんといっしょ』のおにいさん、おねえさんは卒業しても、生涯おにいさん、おねえさんなんですよ、とNHKの方には言われています。というのも、どの世代にも『私のおにいさん、おねえさん』がいるんですよね。私にとってけんたろうおにいさん(速水けんたろう)とあゆみおねえさん(茂森あゆみ)が、永遠のおにいさん、おねえさんであるように。私もイベントで『りさおねえさーん』と話しかけられたり、それこそお仕事でご一緒したタレントさんに『子どもと一緒に見てましたよ』と言われたりすることも多くて、むしろ卒業してからのほうが『私はこれからもずっとおねえさんなんだ』という思いが強くなったかもしれません。

これからいろんなことに挑戦! 一番の憧れはミュージカル

──NHKドラマ『伝説のお母さん』(2月1日スタート)に"魔界のおねえさん"役として出演することも発表されました。今後はどのような活動をしていきたいですか?
上原いろんなことに挑戦させていただきたいのはもちろんですが、やはり一番の憧れはミュージカルです。昔からミュージカルは観るのも大好きで、中でも『ミー・アンド・マイ・ガール』や『Ernest in Love』といった演目がお気に入りです。群衆の中にポツンといるだけでもいいので、あの世界に入りたいと夢見てしまいます。

──どちらも宝塚歌劇団の演目ですね。上原さんもかつて受験をされたとか。
上原はい。2回受験したんですが、叶わずでした。

──遠回りはしたかもしれませんが、ホリプロという舞台に精力的に取り組む事務所に所属されて、夢に近づいたのではないでしょうか。
上原ホリプロは、宝塚の中でも特に憧れていた安蘭けいさんが所属していらっしゃる事務所でもあって──。

──もうお会いしましたか?
上原はい。本当に所属したばかりの頃、事務所の先輩がお食事に連れていってくださったときに、いきなり『呼ぼうよ』ということになったんです。私としては心の準備のないままにお会いすることになり……。お部屋に入ってこられたときには、ただただ直立不動で固まってしまいました。

──いつか共演できたらいいですね。
上原そうしたら死んでもいいです(笑)! でも大学でミュージカルを学んだとは言え、プロの世界はまったく経験不足。『おかあさんといっしょ』で演技経験させていただきましたが、やはり大人向けの演目とは表現が違うところがあります。そこは1つ大きな課題として、演技も歌も勉強を続けていきたいですね。

文/児玉澄子

提供元: コンフィデンス

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