森口博子、「ガンダム」に救われた歌手人生 紆余曲折経てのいま「夢に締め切りはない」

音楽番組『Anison Days』(BS11)のレギュラーメンバー&スタッフと一緒に初登場3位を祝う森口博子(C)BS11

音楽番組『Anison Days』(BS11)のレギュラーメンバー&スタッフと一緒に初登場3位を祝う森口博子(C)BS11

仕事・恋愛・人間関係がうまくいかず四面楚歌な情況も…『ガンダム』に助けられた歌手人生

──今や「水の星へ愛をこめて」は数あるガンダムソングでも人気です。しかし、週間シングルランキングで16位が最高位でした。
森口 今のようにアニソンがフィーチャーされる以前の時代でしたから。それでも歌うことを諦められなくて、泣きながら「どんな仕事でもやります、地元に返さないでください」とお願いしたら、バラエティの仕事をいただけるようになりました。これは絶対に歌に繋がるんだと信じて、与えられた仕事を全力でやっていくうちに、23歳で「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」(劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』主題歌)を歌わせていただくことになりました。その曲で初めてオリコンTOP10に入りました(最高9位)。それで『紅白歌合戦』に出場させていただいたら、「えっ、森口博子って歌手だったの!?」「歌声聴いて感動しました」という今のような現象が起きました。

──まさに昭和から平成の日本の音楽史ですね。「水の星へ愛を込めて」はいわゆるドーナツ盤のレコードでした。そして「ETERNAL WIND 〜ほほえみは光る風の中〜」は8センチのCDでした。
森口 とてもCDが売れた時代でした。ところが30代になり、音楽業界的にもCDが売れない時代に突入。特に厄年の頃は、歌手としても20代のように勢いでは勝負できない。かといってキャリアのある先輩のような説得力もない。そんな迷いがあるなか、さらに体調も恋愛も人間関係も何もかもうまくいかなくなり、四面楚歌な状態に陥っていました。

──どのように乗り越えたんですか?
森口 母の「辛いときこそ笑っていなさい」という言葉でした。たとえ作り笑顔でも、ふてくされているよりは笑っているほうがいい、“運気も上がる”と。そう言われたときは半信半疑だったんですけど、多少無理してでも笑っていたら、本当にいいことばかり見えてくるようになったんですよ。食べ物でも農家の方がいて漁師さんがいて、たくさんの方の手を通じてようやく食べられるんだと思うとなんでも美味しく感じられて心から感謝の気持ちが芽生えました。すると自然と体調も回復していきますよね。

そうこうしているうちに39歳、またガンダムに助けられました。「もうひとつの未来〜starry spirits〜」(ゲーム『SDガンダム GGENERATION SPIRITS』主題歌)をいただいたのをきっかけに、歌の仕事がどんどん舞い込んでくるようになったんです。40代でも「宇宙の彼方で」(劇場版『ガンダムTHE ORIGIN IV 運命の前夜』主題歌)、「鳥籠の少年」(SANKYO『CRフィーバー機動戦士Ζガンダム』搭載曲)と続き、さまざまな音楽サイトで1位をいただいて、流れが大きく変わりました。

エゴサーチすることで、自分を信じて歌っていこうと、逆にやる気になります

──いつも明るく元気なイメージの森口さんですが、多少無理してでも笑うのって効果があるんですね。
森口 本当に辛い時は、無理して笑う必要はないと思います。そんな日々のなかで、少しでも無理ができる日に笑ってみると、後から心が付いてくる。そのことを本当に経験しました。落ち込み続けるのも体力が奪われますし、そんな時はただでさえ体調が悪いのにね(苦笑)。そう気付いてからは、すごく前向きになりました。今ではエゴサーチで悪口を発見しても、落ち込まないです。

──お話を聞いていると、結構エゴサーチしていますね。
森口 面白くて、けっこうしちゃうんです(笑)。ちなみにまだネットがない時代の話ですが、雑誌『an・an』の「恋人にしたい女性タレント」にランクインしたことがあったんです。理由は「明るくて楽しいから」と。でもページをめくったら、「恋人にしたくない女性タレント」にもランクインしていて(笑)。理由は「騒がしいから」。捉え方の違いだけで、言ってることは同じですよね。つい最近もエゴサーチをしたら、私の声を「キレイすぎて面白みがない」という意見がありました。その一方で「声がキレイで好き」という人もいました。興味がない人もいる、だけど好きだと言ってくれる人がいるんだから、ブレることはない。自分を信じて歌っていこうと、この先も逆にやる気になります!

ここまで来たら80代でもガンダムのテーマソングを歌う

──ネットの意見に振り回されがちな今の時代に、とても貴重なメッセージです。最後に今後の活動についてお聞かせください。
森口 デビューから10・20・30・40代といろいろなシリーズごとにテーマソングを歌わせていただきました。ガンダムに支えられているそんななかで、昨年50代を目前に「鳥籠の少年」(SANKYO『CRフィーバー機動戦士Zガンダム』搭載曲)を歌わせていただきました。そしてこのたび再び、SANKYO『フィーバー機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』搭載曲、「追憶シンフォニア/果てないあの宇宙へ」で鮎川麻弥さんとのコラボが決定致しました。1985年『機動戦士Ζガンダム』前期のテーマソングを麻弥さんが、後期のテーマソング(デビュー曲)を私が担当させていただいた仲なので、この度のタッグは感慨深いですし、息もピッタリ!! 念願叶い50代でもガンダムのテーマソングを歌わせていただくこと、心から嬉しく思います。

さらに『機動戦士ガンダムSEED』の挿入歌「暁の車」のカバーがAmazon Musicで独占配信中です。この勢いで冬のライブ&ディナーショーなど色々な音楽活動、駆け抜けます! ここまで来たら60代、70代、80代でもガンダムのテーマソングを歌うんだと勝手に思い描いています(笑)。でも、あながち夢じゃないと思っています。“言霊パワーで!”ガンダムは永遠ですから。そのためにも私もいつまでも歌い続けられる身体でいようと、この夢は歌手としてのモチベーションにもなっています。

提供元: コンフィデンス

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