デビュー20年目を迎えた今も進化が止まらない! 氷川きよし、歌い続ける理由「僕の生き様」

「箱根八里の半次郎」でのデビューから、今年で20年目を迎えた氷川きよし。“演歌界のプリンス”からジャンルを超えたボーカリストへと変貌を遂げ、最近ではアニメ『ドラゴンボール超』(フジテレビ系)の主題歌「限界突破×サバイバー」をビジュアル系顔負けのパフォーマンスでパワフルに歌うライブ動画がネットを賑わせたことも記憶に新しい。20周年イヤーを記念し今夏は、7月に日本武道館公演。そして、自身の誕生日である9月6日には、初めての大阪城ホール単独公演を開催した。今も進化を続ける氷川にとって、「歌うこと」「表現すること」とは。

構成から衣装、セットまで、すべてに強いこだわりを持つコンサート

――まずは20周年おめでとうございます。
氷川きよし(以下、氷川) ありがとうございます。おかげさまで。

――20年ということを、ご自身では意識されていますか?
氷川 20年やってきて、次は何をしようかなと考えています。デビューから20年ずっと、1年かけて全国を回るコンサートツアーを続けてきて、「少し立ち止まってみてもいいのかな?」と思うこともありますが、「いや、これを一生続けていくことが大切」と、自分のなかで思いを巡らせています。
――今のお話しのなかにもありましたが、氷川さんにとって常に身近にあるものがコンサートだったと思います。やはり、コンサートに懸ける想いは強いですか?
氷川 コンサートはステージ構成から衣装、セットに至るまで、すべてに強いこだわりがあります。高校生の頃からデザインにも興味がありましたし、ステージでどんなふうに見えるのか、どんな世界を作り上げられるのかを考えるのが、1つの生きがいなんです。先日の大阪城ホールでの単独公演では、いろんな表現にチャレンジすることができて、すごく嬉しかったですね。大阪城ホールでは、この公演のために作ってもらった「大阪とんぼ」(最新アルバム『新・演歌名曲コレクション9 −大丈夫/最上の船頭−』収録)など、関西以西を舞台にしたオリジナル作品を多く歌うように意識していました。そうしたら、「私たちのことを歌ってくれている」と、地元の方に喜んでいただけるかな?って。そこは演歌の強み、ご当地ソングの力です。
――氷川さんの活動を見ていると、常にファンの方々のことを一番に考えてらっしゃるなといつも感じます。
氷川 活動の基本、原動力はそこです。ファンの皆さんが応援してくださるからこそ、歌えるんです。

――ファンの皆さんのコメントをネットで見ると、「好きな衣装で、好きに歌って」と、氷川さんのすべてを受け入れる愛を感じます。
氷川 そういうふうに聴いて下さって、本当に嬉しいですね。

演歌は今でも難しい、だからこそロックなナンバーも歌うことができる

――最近は、“演歌歌手”という枠にとどまらず、“ボーカリスト・氷川きよし”ですよね。「限界突破×サバイバー」など、ロックテイストの楽曲も本当に魅力的です。
氷川 演歌歌手としてデビューさせていただきましたが、高校生の時に初めて挑戦するまで、実は演歌は歌ったことがなかったんです。20年歌い続けていますが、こぶしの付け方や言葉の出し方など、今でも演歌は難しいと感じますね。でも、だからこそ歌手として成長できているというか、ロックなナンバーも歌うことができるんだと思います。ロックは言葉をバンバン投げてシャウトできるのが、歌っていて気持ち良いですよね。ロックの闘志が燃える感じはもちろん大好きですし、バラードも、シャンソンも大好きで。演歌はもちろん、今後もいろいろな表現をしていけたら良いなと思っています。

――シャンソン、絶対に似合いますね。
氷川 昨年から、ツアーでも歌っています。シャンソンから感じるヨーロッパに憧れますし、実際に歌うと、ヨーロッパに連れていってもらえるようで、スイッチが入りますね。シャンソンは愛をテーマにしている歌が多く、「燃えるような恋がしたい」「すべてを捨てて恋を選びたい」と、現実にはできない世界を歌で表現する。そこに素晴らしさがあり、歌っていて楽しいです。
――氷川さんご自身で、「こんなボーカリストになりたい」という、目標になる人はいますか?
氷川 いろいろなタイプの曲を歌って、どのジャンルの歌も違うものにしたいと思っていて。演歌は演歌、ロックはロックで、振り幅大きく歌い方を変えたいんです。だから、誰かを目標にするのではなくて、歌ごとに違う人になりたい。しっかりと“自分を生きて”、表現者として成長していきたいですね。

――いつもステージでは宙を飛んだり高いところに上がったり、馬に乗ったりしながら歌われていて、「体幹がすごっ!」と驚きますが、どういうトレーニングをされているんですか?
氷川 特別なトレーニングはしていないですね。ステージに立つ本数が多いので、自然とそれで鍛えられているというか。お客さまがいる場所すべてが“鍛錬の場”です。やっぱり、お客さまはウソをつかない。ステージで良いとき、喜んでいらっしゃるときはワッと拍手をくださるし、イマイチだと感じたときは、拍手もまばらです(笑)。でも、正直に反応してくださるからこそ、自分を更新していくことができるんです。

――しかし、ステージを見ているとドキドキします、高いところに上がったり、吊られたり。
氷川 エンターテインメントには、スリルとかドキドキ感とか、絶対に必要です。

歌うことは自分の使命、全身全霊で“歌の力”を伝えていく

――新しいことに挑戦するのが好き?
氷川 好きですね。基本、自分を追い込んでいくのが好きみたいですね(笑)。

――(笑)。イコール、常に上しか見ていないということですよね。 
氷川 明日に進むだけです。人にどう思われるかじゃなく、「自分がどう生きるか」。歌が僕の生き様で、大切なことを歌で伝えていきたい。ですから、新しい曲を作っていただいたときも、理解できない部分や表現があったら、作詞家の先生と納得がいくまで話し合うようにしています。
――そういう話をするようになったのは、いつ頃からですか?
氷川 控えめですが、昔から結構させていただいていたと思います。自分の作品を守りたいんです。歌は自分が死んでも残っていきます。その歌は、自分の身体と心を通して伝えていくべきものか? 自分が確信を持って歌えなければ、意味がありません。歌には人生を変えるぐらいの力があり、自分もそうやって変えられた1人ですから。歌うことは自分の使命です。確信しています。歌の力を伝えていきます。

――『Animelo Summer Live (アニサマ)』への出演があったり、最近は若い、普段は演歌・歌謡をあまり聴かない層も氷川さんを知るようになりましたが、若いリスナーをどうとらえていますか?
氷川 若い方々から、「もの珍しい」とか「覚醒した」とか、興味を持っていただけていることは嬉しいですよね。ただそれは、僕が演歌・歌謡のフィールドで活動しているから、今はそのギャップで驚いてくださっているわけで、そこから先をどうつなげていくか? どうやってコンサートに足を運んでもらうか?ということが大事ですよね。若い層のお客さまも2割くらいいますので、そういう方たちも楽しんでもらえるよう、いろいろやりたいですね。演歌には演歌のオシャレさがあるし、ロックにはロックの面白さ、アニソンにはアニソンの魅力があり、どれも、それぞれ楽しんで聴いてもらいたいですね。

文/和田静香

初の大阪城ホール単独公演! 氷川きよし20周年記念コンサートをWOWOWで放送

42歳の誕生日となる9月6日に開催した、氷川きよし初の大阪城ホール単独公演の模様をオンエア。 2000年にシングル「箱根八里の半次郎」で鮮烈なデビューを果たし、以降、端正なルックスと確かな歌唱力で音楽シーンを盛り上げてきた氷川。演歌歌手でありながら、ポップス性の強い曲も巧みに歌いこなし、最近は「限界突破×サバイバー」で見せたビジュアル系顔負けのパフォーマンスとロックな一面も話題。さまざまな表情を見せ、さらなる進化を予感させる氷川の20周年記念公演は必見! また、20周年を迎えた氷川が「これまで」と「これから」を語る、関連番組も合わせて放送する。
『氷川きよし デビュー20周年記念コンサート 〜あなたがいるから〜in大阪城ホール』
放送日:初回10月27日(日)後2:00[WOWOWプライム]
※後日、再放送あり
収録日:2019年9月6日/収録場所:大阪・大阪城ホール

『ヴォーカリスト 氷川きよしの魅力
放送日:初回9月22日(日)後3:00[WOWOWプライム]
10月5日(土)前8:00[WOWOWプライム]
10月9日(水)後2:30[WOWOWライブ]
10月27日(日)後1:00[WOWOWプライム]

■番組情報⇒https://www.wowow.co.jp/hikawa/(外部サイト)

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提供元: コンフィデンス

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