UVERworld、10代を魅了する“中3の先輩感”

 UVERworldのベストアルバム『ALL TIME BEST』が7/30付で初週売上8.0万枚を記録し、2位にランクインした。メンバー自身がセレクトした「MEMBER BEST」、ファン投票をもとに選曲された「FAN BEST」、バラード曲を中心にした「BALLADE BEST」の3枚組による本作は、これまでのキャリアを総括する作品。本作のヒットは、UVERworldの強いセールス力を改めて証明することになった。

最大理由はバンドとファンの結びつきの強さ

  • UVERworld『ALL TIME BEST』

    UVERworld『ALL TIME BEST』

 オリジナルアルバムセールスは、07年発表の『BUGRIGHT』から昨年リリースされた「TYCOON」まで累積売上で10万枚超えをキープ。結成18年、デビュー13年に及ぶ活動のなかでは、ファンの入れ替わりもあると思われるが、それでも極めて高いセールス力を維持している点は特筆される。その最大の理由はバンドとファンの結びつきの強さに加えて、10代〜20代前半の若年層のファンを常に獲得し続けているからだろう。
 まずはファンとの結びつきについて検証しよう。実際、彼らのライブに行くとオープニングからラストまで、ファンが集中力を切らすことなく、パフォーマンスに熱狂していることがわかる。この求心力を生み出しているのはボーカリストのTAKUYA∞だ。1つひとつの楽曲に対する思い、バンドとファンの絆を明瞭な言葉で語り、しっかりと気持ちを盛り上げてから楽曲を演奏するスタイルが、“このバンドについていきたい”という観客のモチベーションにつながっているのは間違いない。

UVERworld、アルバム作品の売上動向

UVERworldは「中学1年の頃の中学3年の先輩のような存在」

 こうしたファンとバンドの関係についてソニー・・ミュージックレコーズの田野口真介氏はこう証言する。

「よくメンバーにも話していますが、中学1年生の頃の中学3年生の先輩といったイメージに近いと私は感じています。とても身近な存在ですし、なんでも相談できる。でも親しいだけではなく、絶対的な存在でもある。この独特の関係性がファンとの強い結び付きにもつながっているし、10代の若いリスナーを惹きつけているのかもしれません」(ソニー・ミュージックレコーズ 第二制作部 gr8!records A&R田野口真介氏)
 さらにオリコンが実施している“シングル・アルバム期待度調査”によると、今作『ALL TIME BEST』の発売1週間前の興味関心度では10代〜20代の男女、特に10代女性が強く反応していることもわかる。その要因はまず、若いリスナーの心情に訴えかける歌詞。“既存の常識や親世代の圧力に屈せず、自分の人生を全うしてほしい”という切実な思いを込めた歌詞は、先の見えない社会背景も相まって、ティーンネイジャーの心をしっかりと捉えている。10代をターゲットにしたマーケティング的な発想ではなく、メンバー自身の生き方、バンドが積み重ねてきたキャリアが歌詞のなかに反映されていることも、しっかりとした説得力につながっているようだ。

「今回、ファン投票を行ってみて一番驚いたのは男女比が半々だったっことです。近年では2万3000人を動員した「男祭り」を行ったことなどもあり、男性のファン層が増えてきてくれていることも事実ですが、こういった企画に関しては、女性ファンのほうが敏感に反応してくれると予想していたのでびっくりしました。投票された楽曲を見てみて感じたことは、UVERworld自身が当初メンバーベスト用に選曲した曲と上位11位が全く同じだったことです。彼らが放っているメッセージがファンの方に伝わっている純度がいかに高いかということを改めて感じることができました」(田野口氏)

 また、ヘビィロック、HIP HOP、エレクトロなどを取り入れた音楽性もポイントの1つ。現在の若年層は、ジャンルにこだわらず、YouTubeやサブスクリプション・サービスで好みに合う楽曲を聴く傾向があるが、さまざまサウンドをミックスさせたUVERworldの楽曲はこうしたリスニングスタイルにもしっかりと対応していると言えるだろう。

現在のシーンのなかでも際立つTAKUYA∞のカリスマ性

 それらの要素をまとめ上げ、バンドの魅力を強く訴求できているのは、やはりTAKUYA∞の力が大きい。バンドのコンセプト、楽曲の方向性を的確に定めるプロデュース能力も高いが、キャリアを重ねるごとに増してくる独特のカリスマ性は、現在のシーンのなかでも際立っている。仰ぎ見る存在ではなく、リスナーに身近でありながら、その言動はファンにとって絶対的な影響力を持つ。それを先述したように田野口氏は「中学1年の頃の中学3年の先輩のような存在」と表現した。ここにUVERworldの唯一無二の魅力が詰まっているとも言えそうだ。

“身近なカリスマ性”を持ったボーカリスト、強いメッセージ性を備えた歌詞、ジャンルレスなサウンド、誠実に観客と対峙するステージングによって、ファンとの強い結びつきを実現しているUVERworld。本作『ALL TIME BEST」によって改めて示された彼らの求心力は、今後さらに増していくことになりそうだ。

提供元: コンフィデンス

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