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芋洗い坂音楽ストリート『Vol.13 ジャニーズWESTとOVOのショーに共通していたものは……』

ジャニーズWESTとOVOに共通するものとは……

 4月にジャニーズエンタテイメントよりデビューする、ジャニーズWESTの『なにわ侍 ハローTOKYO!!』(日生劇場/2月5日〜28日)と、2月13日よりスタートしたシルク・ドゥ・ソレイユの『OVO』(東京公演・お台場ビッグトップ/〜6月29日)、まったく方向性の異なる2つのショーを短期間で観た。

 『なにわ侍 ハローTOKYO!!』は関西ジャニーズJr.の精鋭たち7名で結成された新アイドルグループ。年末の『ジャニーズカウントダウンライブ2013〜2014』では4名でデビューと発表されたのだが、その後ファンからの要望や本人たちの希望が取り入れられたようで、プラス3人の7人組でデビューすることが決定している。

 そんな彼らのデビュー前にしての東京凱旋の舞台が、この“ジャニーズ侍”だ。内容は1部がミュージカル風のお芝居、2部がショーという構成。ジャニーズファンでない人は知らないかもしれないが、ジャニーズの少年たちはコンサート以外にも必ずこういう劇場でのお芝居やショーを経験する。アイドルとしてレベルアップしていくのだ。

 今回はデビュー間近のジャニーズWESTとしての初の単独の舞台。面白いのは、1部のお芝居のストーリー。内容はこうだ。4人の少年たちがオーディションで選ばれ、今まさにデビューしようとしている。ただ、デビューは決まったものの、何となく何かが足りない不安感にさいなまれてしまう。そして自分たちに足りないものが何かを真剣に考えた4人は、さまざまな出会いの中から新たなメンバーをグループに入れていく。そして揃った7人でデビューに向かっていくという物語。

 まさに、現在彼らがおかれている境遇をそのまま物語にしたようで、リアルにデビューを期待させる演出。そのストーリーを彼ら7人とそのほかの出演ジュニアたちがアドリブも交えながら演じていくのだ。

 今回デビューする中間淳太濱田崇裕桐山照史重岡大毅神山智洋藤井流星小瀧望は、それぞれに個性のある面々。すでに多くのファンを持つメンバーも多く、アウェイの東京でも臆することなく存在感を発揮。もちろん、チケットは売り出し開始と同時に全36公演がすべてソールドアウトの人気ぶりだからまいってしまう。今回の公演で歌われた新曲のうち、人気度の高いものをシングル化して4月に発売する予定とのことだ。

“コアファン”の獲得がエンタメビジネスの鍵?

 もうひとつの『OVO』。こちらは言わずと知れたシルク・ドゥ・ソレイユの最新のショーだ。その超絶パフォーマンスとショーアップされたステージの何ともいえないマッチングで大人気。今回は“昆虫世界”をテーマに、アクロバットや曲芸、サーカスなどを組み合わせたショーを展開する。特筆すべきは、そのステージ美術の世界観。昆虫を芸術的にデフォルメした独創的な色彩の衣装を、まとったアクターたちと巨大な花や壁などが出現消失する舞台セットが混然一体となって、来場者を夢幻の世界に誘い込む。

 今回のメインキャラクターは3人。そのうちのひとり、ハエのフォーリナー役は日本人の谷口博教が演じている。日本公演だから彼がメインのひとりに選ばれたのかと思ったが、実際のパフォーマンスを見ていると、ほかのメインキャストに引けを取らない。これは、彼の才能が認められ国籍に関係なく選ばれたのだと確信。シルクの世界でも日本人が大活躍していることに、ちょっと感動。

 6月末までの長期東京公演(その後は全国へ)にもかかわらず、チケットはかなりの売れ行きらしい。休憩時間にはカフェスペースに移動し、来場者の話をそれとなく聞いてみる。どうも、みなさん毎回のシルク公演を大変楽しみにしているようで、来日公演はかかさず観ていると思われる。そんな光景を目にしながら、2つの公演の共通点に気が付いた。

 2つの公演に共通するのは、コアファンをきちんとつかまえているということなのだ。男の子たちの成長を楽しみにしている女性コアファンがいるのがジャニーズの舞台。ファンの人たちは例えばそれがバックでダンスをしているだけだったとしても喜んでステージを観に駆けつける。そして成長ぶりを喜ぶ。応援している男の子がデビューするということになれば、その子たちのデビュー直前のショーはちょっとした加熱ぶりとなる。

 シルク・ドゥ・ソレイユの場合は、その幻想的な世界観に対するファンがいる。今度はどんな世界観で、どんなアクロバットを見せてくれるのだろうと楽しみにしているたくさんのファンがいる。だから長期間の公演日程が組まれても確実に席が埋まっていくのだ。

 どちらにも共通しているのは、単発の興業のように見えて、実は潜在的なファンを逃がさずにファンで居続けさせる仕掛けが裏側できちんと機能していることなのだ。ジャニーズとシルク・ドゥ・ソレイユ、このかけ離れていると思われる2つのエンターテインメントに共通するもの。それこそがビジネスとしてのエンターテインメントの要諦のように思うのだ。

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