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藤井ゆきよ SPECIAL INTERVIEW “サカサマ”の異世界……体感しません?

話題の劇場アニメ『サカサマのパテマ』で初の主演を務める声優・藤井ゆきよ。今作への熱すぎる想いはもちろん、パーソナルな部分まで、ちょっぴり“天然”な発言も含めてお届けします!!

監督から展開を教えてもらったときは興奮しちゃって!!

――ん? どうかしましたか!?
【藤井ゆきよ】 (周囲を見渡しながらソワソワ)いえ! あの…マル秘ノートがなくて…。

――マル秘ノート! ネタでも仕込んでるんですか(笑)。
【藤井】 違います(笑)。私、映画のクライマックスの内容とか喋っちゃいけないことも喋っちゃうので、それが無いと不安で…。

――なるほど。大丈夫です! ヤバそうならカットするんで(笑)。
【藤井】 宜しくお願いします!!

――藤井さんの初主演である劇場アニメ『サカサマのパテマ』ですが、非常に独特な世界観ですよね。重力が逆さまになった2つ世界が物語の舞台ということで、演じるのは大変でしたよね?
【藤井】 そうですね。設定的にやったことのない役柄だったので(笑)。パテマ役は3回オーディションがありまして、原作などがある通常のオーディションなら物語の世界観とか、どんなキャラクターなのかを自分の中に入れて臨むんですけど、パテマのときはそんなに教えていただけなくて(笑)。

――それは、あえてなんですか?
【藤井】 多分そうだと思います。でも、最終オーディションは監督と1対1でじっくり説明して頂きながら進んでいきました。

――随分と特殊なオーディションですね!
【藤井】 初めての体験でした! コンテや台本を観ながら、監督に色々と質問して台詞を喋るという流れで。その場で初めて通し台本を頂きました。

――でも、演じる側としては事前に役が作りこめないから不安ですよね?
【藤井】 そうですね。ただ、監督から細かい説明を受けてそれに沿って演じるというのも、余計な先入観とか思い込みが入らないので、それはそれで良かったのかなと思います!

――確かに複雑な世界観なので、作った本人(監督)から直接説明を受けた方がいい。
【藤井】 そうなんですよ!! もう複雑すぎて、その場で“図”を書きたくなりました(笑)。監督からどのような展開になるかを教えてもらったときは「え〜!そんな感じになっちゃうの!?」って興奮しちゃって。

――オーディション会場で絶叫したと(笑)。
【藤井】 はい! お客さんとして最初に物語を楽しませていただきました(笑)。キャラクターは監督の中でハッキリとしたパテマ像があって、そこに私なりの意見も言わせてもらって固めていった感じです。

サカサマの感覚が分からなくて…逆立ちしてみたんですけど(笑)

――初の主演作で、これまでにない斬新な現場というのも良いですね
【藤井】 はい! やっぱり主演ということで、監督とマンツーマンで話す機会が一番多かったと思うので、この作品に懸ける思いを肌で感じることが出来たので、何とかそれにお応えしなければ!って思いました。

――心地よいプレッシャーも感じながら。
【藤井】 はい。当時、初の主演ということで、自分でも思い入れも強かったんですけど、不器用な面も多くて(笑)。でも、ひた向きに生きるパテマとリンクする部分はあったのかなって。

――このメインカットも作品の世界観を見事に反映してますよね。
【藤井】 ホントに素敵なカットですよね!! 逆さま同士で抱き合ってるんですけど、物語の全てをそのまま一枚の絵で表していると思います。あと、ひっくり返して見ると、また違った印象を受けるんですよ〜!!

――主人公とヒロインが抱き合うシーンって、様々な作品でありますけど、逆さまで抱き合ってるシーンは新鮮ですよね。
【藤井】 そうですよね!! 一見、何か技をかけてるのかと思いますけど(笑)。

――アハハハ! 別にパイルドライバーをかけてるワケじゃないと(笑)。
【藤井】 はい。しっかり抱き合ってます(笑)。

――逆さまで生きることを宿命付けられた少女・パテマ。アフレコを続けていく中で、パテマへの印象も変わっていった?
【藤井】 そうですね。最初は空に落ちる感覚、重力が逆の感覚ってどんな気持ちなんだろう?ってずっと考えていまして。とりあえず逆立ちもしてみたんですけど(笑)。

――体を張って体感してみたと(笑)。
【藤井】 逆立ちはあまり役にたちませんでしたが(笑)。でも想像していたら“空に落ちる感覚”ってとんでもなく恐ろしいなって!

――そうですよねぇ。子供の頃、よく鏡を目の下にあてて空の上に立ってるような遊びをしましたけど、結構怖い。
【藤井】 あぁ〜!やりましたよね!! 逆立ちしないでもそれで感覚は味わえましたね(笑)。

――空に特別な想いを抱くエイジとのやり取りも“逆さま”という構図だけに難しかったですよね?
【藤井】 エイジと出会った直後は、お互い見ているものが違うので、会話もちぐはぐだし、芝居のテンションも違うんですね。でも、物語が進んで2人の心の距離が近くなっていくうちに、お芝居も語りかけるようになっていくんです。“距離感”というものを今作では一番大切にしましたね。

――冒頭のちぐはぐさが逆に良いですよね。ストーリーが進んでいくうちに、“目線”が同じになっていく感覚が観る側も共有できるというか。
【藤井】 正にそうなんです!! 普段私たちが普通に生活していて、同じ風景を見ても、捉え方や見え方の違いで“目線”って異なりますよね。『サカサマのパテマ』のパテマとエイジって、文字通り180度目線が違うんです。でも、そんな2人が心を通わすことで同じ見え方が出来るんだということは、今作のテーマとして大きな部分ではあると思いますね。

――今作を観て思ったのは、異質な世界観なのに凄く“ロマンチック”だなって事なんですよ。
【藤井】 そうですよね〜(ウットリ)。 特に2人が14歳位の設定なので、色々な可能性が詰まっていることが分かるんです。今作に出てくる大人たちは、凝り固まった人ばかりなんですけど、2人は寄り添って固定観念を打開していくんです。

――逆さまのまま寄り添う姿に感銘を受けますよね。異世界に住む者同士でも心が通じ合うことが絶対にある……“他者との関わり方”っていう部分を今作は強く打ち出してますよね。
【藤井】 はい。大人になってからこの作品を観るというのも良いですよね。2人の心の繋がりや葛藤などを感じることも出来るんですけど、SF作品としても非常に良く出来ているので、そこも注目して欲しいです。

――そうですね。ダイナミックな描写はもちろんですけど、伏線も凄く張られていますよね?
【藤井】 はい! なので、最初に観た印象と2回目以降では、また異なるんですよ。だから何度でも楽しめる作品なんです。

――美術も凄く凝っていて、監督、キャスト、スタッフによる渾身の作品であるということは伝わってきますよね。そんな作品で初の主演を務められたことは、藤井さんにとっても大きかったんでしょうね。
【藤井】 収録自体は2年前だったんですけど、初めて自分が主演を頂けた作品が、心の底から面白いと思える作品で本当に幸せだなって感じてます。

――こういうのってめぐり合わせですもんね。
【藤井】 いや〜持ってますね(笑)。

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劇場アニメ『サカサマのパテマ』

 空を忌み嫌う世界・アイガ。そこに住む少年エイジ(岡本信彦)は空に特別な想いを抱いていた。そこに、突然現れたのは、地底世界から降ってきた“サカサマの少女”パテマ(藤井ゆきよ)。必死にフェンスにしがみつき、今にも“空”に落ちそうなパテマを助けようとしたエイジだが、彼女に引っ張られるように2人は空へ飛び出した。

 その頃、アイガの君主イザムラの元には、「サカサマ人」があらわれたとの報告が届く。イザムラは、治安警察のジャクに捜索を命じるのだった…。

監督:吉浦康裕
出演:藤井ゆきよ 岡本信彦 大畑伸太郎 
【映画公式サイト】

2013年11月9日(土)全国劇場公開
(C)Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013

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