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The Sketchbook『新しい彼らの一面とスタイルを感じさせる作品!』

9月28日のSHIBUYA-AXに向けて、100本ライブとセルフプロモーションという課題を自らに課して活動しているThe Sketchbookが、3rdアルバム『12』をリリース。シンプルさを追求した前作とは打って変わり、シンセサイザーを使うなど多彩なサウンドを聴かせており、新しいThe Sketchbookのスタイルを感じさせる作品になった。

“今”を大切にしていきたいという気持ちを込めたアルバム

  • アルバム『12』【CD+DVD】

    アルバム『12』【CD+DVD】

――タイトルは、全12曲収録だから『12(トゥエルブ)』に?
小原それもひとつあります。でも、それだけじゃないんですよ!
多田時計でたとえると“12”は始まりの数字であり、1周回って終わりの数字でもある。1年も12ヶ月のローテーションを繰り返していますよね。そんなところから、このアルバムを完成させたことで、The Sketchbookとしての新たな一歩を踏み出すという意味を込めています。あと、その1日が終わると新しい1日が始まるわけですが、そんなことは当たり前すぎて誰も気にも止めないけど、何かが起きてその1日で終わってしまうことだってあるかもしれない。そのことを胸に刻んで、“今”というものを大切にしていきたいという気持ちも込めました。

――アルバム曲の歌詞には、“今”というメッセージがたくさん込められていますね。
多田はい。僕らが2年間の活動を通して見いだしたスローガンは、「現状打破」というものなんですが……。人が成長する上で必要なものは、今にとらわれることではなく、打開して新たなものに挑戦していくことだと思っているんです。自分の弱さと向き合うことは怖いしエネルギーもいるけど、ちゃんと向き合って理解し超えて行くことが、成長につながるんじゃないかと。応援してくれるみなさんとたくさんコミュニケートして、受け身の人が多いなという印象がすごくあったので、僕たちが積極的に活動する姿勢を見せることや、曲のメッセージとして発信して行くことで、それをみんなに伝えられたらと思いました。僕らだって変われたんだから、みんなもきっと変われるし、聴いてくれる人それぞれの想いで動きはじめてくれたらうれしいです。

――アルバムの4曲目の「フラッシュバック」という曲は、ちょっとフワッとしたトリップ感のある感じのサウンド。歌詞はメッセージ性よりも、音楽を楽しむという雰囲気ですね。
小原The Sketchbookの新境地と言える曲のひとつです。前回のアルバムではシンプルに生のサウンドにこだわりましたが、この曲ではシンセの音がむしろ前に出るくらいにしていて。ギターは空間系のエフェクターを多用して、でも歌が引き立つようにシンプルさを心がけて演奏しました。
渡邊この曲では、ダンスビートを採り入れて、The Sketchbookの裾野を広げる1曲になったと思います。野外とか広い会場で演奏したら、きっと気持ちいいだろうなと想像しながら演奏しました。あとドラムという部分で言うと…「Mirror」という曲なんかは、アッパーの曲なので、激しいリズムで演奏するのが楽しかったですね。やっぱり大前提には、ライブでみんなと一緒に盛り上がりたいというのがあるので、みんなの拍手をあおるようなドラミングを意識しました。
小原その「Mirror」は、今自分たちが掲げている現状打破というテーマに、すごくハマっている曲です。The Sketchbookのなかでの私のギターはどうあるべきかとか、もっと個人的な部分でも壁にぶち当たることは多いんですが、こういう背中を押してくれる歌詞があがってくると、メンバーながら励まされるし……。落ち込んだとき、自分に渇を入れたいとき、悩んだときなどに聴いてほしい曲になりましたね。

デビューから2年間の成長を感じてもらえる作品

  • アルバム『12』【CDのみ】

    アルバム『12』【CDのみ】

――11曲目の「over the station」は、すごく温かくて前に進む力強さのある曲。3人で歌っているパートがあったりして、アッパーな曲とは違う意味で、ライブを想像させてくれますね。
多田今は、9月28日のSHIBUYA-AXワンマンに向けて活動しているのですが、そこでみんなで一緒に歌いたい、ここまで来たよろこびを分かち合える曲がほしいと思って作りました。SHIBUYA-AXをひとつの駅に見立てて書いていて……駅ってある人にとっては出発の場所かもしれないし、ある人にとっては目的地かもしれないし。『12』というタイトルに込めたものとも通じるんじゃないかって思います。

――口笛が入ってますが?
多田はい。まず街の音があって、何気ない口笛から曲が始まります。
小原私はそもそも口笛が吹けないので(苦笑)。
渡邊2人よりマシだったということで、僕が吹きました!自然な雰囲気が出るように、修正せずそのまま収録しています(笑)。みんなで歩いて行こうということで行進曲っぽいビートを叩いているんですが、AXのステージとか情景がはっきりしていたので、サウンドも作りやすかったですね。

――そしてラストの「キヲク-Unplugged Ver.-」は、デビューシングルの1枚「クローバー」のカップリング曲ですが、どうして今これを入れようと?
多田今回のアルバムで初めてThe Sketchbookを聴いた人に、じゃあ前のアルバムも聴いてみよう!と思ってほしくて。今まで応援してくれているみんなに対しては、デビューから2年間の成長を感じてもらえるんじゃないかと思います。
小原アコースティック形態でライブをやることはけっこうあって、「キヲク」もやったことがあるんです。でもレコーディングするのは初めてで。アコギはエレキとは感触が違うし、表現力も求められるので大変でした。何度もテイクを重ねたし。実は今回のアルバムでいちばん大変な曲でした。
渡邊いろんなアイディアを採り入れて進化した僕らを聴いてもらうための1曲目から11曲目があって、最後の「キヲク-Unplugged Ver.-」で原点回帰する……タイムマシンのような曲だなって思います。この「キヲク-Unplugged Ver.-」があるからこそ、時計の針がまた12時に戻って来られるんじゃないかって思いますね。

(文:榑林史章)

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