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いきものがかり『待望のアルバムが完成!製作過程での意外なエピソードを語る!!』

1年5ヶ月ぶりとなるアルバム『I』は、「風が吹いている」や「ハルウタ」などシングルを含め、個性の強い曲が揃った“濃い”作品。その制作過程や意外なエピソード、完成した現在の想いなどを語ってもらいました。

前作『NERTRAL』以上にニュートラル――フラットな気持ちで制作しました!

――前作「NEWTRAL」で「満足できるものを作れたことで自由になれた気がする」と言っていましたが。その言葉どおり、今作はかなり振り切った内容になっていますね。
水野良樹よくそう言われるんですけど、僕らとしては何か特別な意識を持ってやったつもりはないんです。
吉岡聖恵強いていえば夏にアルバムを出すのは初めてなので、夏らしいものにしようかって言ってたぐらい?
水野でも全然夏らしくなかった、むしろ濃い仕上がりになったっていう(笑)。選曲するときも「NEWTRAL」はアルバム全体がひとつの物語になるような統一感や僕らが伝えたい“意志”みたいなものがあったけど、今回はとりあえずいい意味で好き勝手に選んでいきました。結果的に1曲1曲が濃いものになってバランスが取れたかなっていう感じなんですよ。だからこのアルバムのスタンスとしては『NEWTRAL』よりニュートラル(笑)。制作自体も山あり谷ありっていうより淡々と、すごくフラットな気持ちでできましたね。

――“好き勝手”に選んだという今作ならではの曲を挙げるなら?
水野端的にいうと吉岡が作詞作曲をした「東京」とか。これはデビューからあって何度も候補に挙がっていたんだけど入れなくて。でも今回はスタッフ含め半数以上がやろうってスッと出てきた。この曲は作った頃の吉岡自身の人間性がすごく反映されているので、当時出していたらあまりに吉岡に近すぎて聴く人が不自由になっていた気がするんですね。でも今ならタイミング的に客観的に切り離して聴いてもらえるかなって。
吉岡確かに「東京」は、私のなかからボロッと出てきた曲で、自分との距離がすごく近かったんですよ。でもそこから8年たってある種の客観性が出ているので、自分のなかでも生々しさが薄れている感覚があって。リーダーとほっちの曲を歌うときのような少し離れた距離感を置けました。ただいきものがかりの中で一番暗い曲なので(笑)、最初はアルバムの中で浮いちゃうんじゃないかなと思ったんですよ。でも今回はそれぞれ好きな方向を向いている曲が多いので、いろんな色があるうちのひとつとして溶け込めたかなと。
山下穂尊「東京」の他にも今回は前回、前々回で入れられなかった曲が浮上してくるっていう現象が多々あって。そのなかでもドキュメンタリーに近い等身大の曲と、自分たちとはまったく違うひとりの主人公を描いたフィクションの曲と両極端に分かれている気がしますね。

――シングル「1 2 3〜恋がはじまる〜」や山下さんが書いた「恋跡」なんかはまさにフィクション系を代表する曲ですね。
山下そうですね。これはワンコーラス目を書いた時に別れの歌っぽいなって思って。そこをもう1回咀嚼(そしゃく)してツーコーラス目以降を書いていったので、どっちかとういうと小説的な色合いが強い。

――小説といえばズバリ「恋愛小説」という曲もかなり印象的。
吉岡これは昭和歌謡をリスペクトしようって意識で作った曲なんだけど、純粋無垢というよりちょっとスレちゃってるというか(笑)、大人の雰囲気ですよね。だから歌うときもちょっと声が枯れていていいのかなとか、けだるい感じを出すために語尾ひとつまでかなりこだわりました。

僕らの曲ではあるけど、聴いてくれる人たちが主人公という思いが強い

  • アルバム『I』

    アルバム『I』

――で、そんなストーリー性の強い曲がある一方で「ぱぱぱ〜や」みたいな、ぶっ飛んだナンセンスな曲もあって。
水野これは「じょいふる」と同じくらいにできた曲なんだけど、デモで僕がデタラメに歌っていた<ぱぱぱ〜や>って言葉を貫き通しちゃったっていう(笑)。破たんしてるし意味がわかんないけど、それをそのまま出しちゃうところが面白いんですよって曲にしたかったんですよ。でもこの曲のあとに山下の「恋跡」ですからね。本当に破たんしまくってる(笑)。

――それを歌い分ける吉岡さんもすごいですよね?
水野よく歌えますよね(笑)。
吉岡(小声で)がんばってるんです!でもしょうがない。そこがいきものがかりの良さですからね。

――今作は短編小説を集めたような濃い曲の集まりですが通して聴くと、このアルバムならではのカラーがしっかりあって。以前、自分たちは“泣き笑いポップス3人組”と言っていましたが、最後には涙と笑いの帳尻をちゃんと合わせていくというか。ポジティブだけではない、むしろ人生は涙の方が多いとう現実を今まで以上にありのまま出している“厳しさ”や“生々しさ”感じました。
水野今って笑えない状況の人がたくさんいるので、そこに対しての意識は以前より強くなったかもしれない。「笑顔」みたいな曲を作りながらもこれを笑えない人たちが聴いたらどうなんだろうって考えるというか。そこは今回色濃く出た気がしますね。

――ラストの「ぬくもり」はそんな“笑えない状況”をありのまま捉えながら浄化してくれる曲ですね。
山下実はその前の「風が吹いている」で終わらせるっていう説もあったんだけど、それだと力が入りすぎるので「ぬくもり」を最後にしたんですよ。
水野「風が吹いている」が最後だとデカくなり過ぎるけど、そこを「ぬくもり」でフラットに戻せたかなと。今回はタイトルの「I」にもある通り、僕らの曲ではあるけど聴いてくれる人たちが主人公っていう想いが強いので、自分たちの充実感や達成感はあまりたいしたことじゃない。それより聴く人がここに入っている曲とどう付き合ってくれるかってことが重要で、そういう意味でも「ぬくもり」でフラットになるっていう終わらせ方はこのアルバムらしいのかなと思いますね。
(文:若松正子)

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