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小倉唯が「かわいさに衝撃を受けた!」アイドルたち ℃-ute、松浦亜弥からIVE、超ときめき宣伝部まで

自分らしい世界観を追求した初のセルフプロデュースアルバム

――ここからは4thアルバム『Tarte』についておうかがいしていきます。アルバムタイトルですが、1stアルバムから『Strawberry JAM』、『Cherry Passport』、『ホップ・ステップ・アップル』と、毎作赤いフルーツの名前がタイトルに盛り込まれていました。そこにきて最新作は“タルト”ということで、区切り的な意味合いもあるのでしょうか。
ありますね。ちょっとした“ネタ切れ”というのも正直な部分で……なんて冗談です(笑)。ここで一旦、今までの流れを踏襲して1枚のアルバムにできたら素敵だなと思い、今までのフルーツをフィーチャーしつつ、それらを支える器といったこところから、タルトというタイトルになりました。ベリーもチェリーもアップルも全部乗せた「よくばりフルーツタルト」です。

4thアルバム『Tarte』

4thアルバム『Tarte』

――初のセルフプロデュースアルバムになったきっかけがあれば教えてください。
明確なきっかけがあったわけではありませんが、以前セルフプロデュースのシングルを出させていただいてから時間が経ち、今回アルバムをセルフプロデュースしたらどうなるのかという考えが浮かんできました。タイトル的にも今までの総まとめというところで、自分らしい世界観を繰り広げられたらいいのではと思い、セルフプロデュースという形になりました。
――タイトルの意味合いやジャケット写真などビジュアルも含めて、一つの“集大成”的なアルバムなのですね。収録曲のディレクションも自身で決断する部分が多かったかと思いますが、こだわった点はどんなところですか?
“よくばり”が今回のキーワードなので、バラエティ豊かな曲を揃えました。ビジュアルのモチーフやイメージも、イチゴ、チェリー、アップルが全部乗っていたり、頭にリボンがたくさん着いていたりするのも“欲張りさ”を表しています。

あとは、「酸いも甘いも全部乗せたい」という想いがあったので、かわいさだけじゃなく、その中に少しピリッとスパイスが効いているような曲だったり歌い方だったり、アクセントになるようなものも意識しました。

初のMV監督業はジャッジの難しさを痛感

――今回はリード曲のMVで監督にも初挑戦されています。やろうと思われたのはどうしてしょうか?
アイドルグループでメンバーの方が自ら監督をして作られたMVを観ていて、自分もいつか挑戦してみたいなという想いがありました。コロナ禍になり、自分でYouTubeを始めた時に動画の編集作業が楽しかった経験も大きいですね。よくMVでお世話になっている監督さんからも背中を押してもらい、今回監督をやらせていただくことになりました。

――監督として見て、“アーティスト・小倉 唯”はいかがでしたか?
どうだろう(笑)。自分が想像していた以上には、タルトの世界観を素敵な形にすることができたかなと思います。

――挑戦されてみて、想像以上に大変だと感じたことは何かありましたか?
小道具を決めるようなときに最終的なジャッジをする責任の重みですね。例を挙げると、クマの姿になって寝転がるシーンのソファーを複数の候補から選ばなければいけなかったのですが、実物ではなく紙の資料で判断しなくてはならなくて。何を選ぶのが正解なんだろう、と悩みました(苦笑)それって正解がなく、感覚的な判断ですから。

最後は自分の感覚やイメージを働かせて「これだ!」と思ったものを使用しているのですが、そういったセレクト一つでもガラッとMV 全体の雰囲気が変わるんだなというのも痛感しましたね。でも完成した映像を観たときには、「このソファーで良かったな」と思うことができたのでホッとしました。

小倉唯『ta・ta・tarte♪』MV

――では一番手応えを感じたのはどのようなことでしょうか?
今作は、パティシエになった私、タルトをイメージした衣装の私、テディベアになってちょっとドキッとするイメージの私、その「3人」のメリハリを意識していました。MVを観た人たちから「それぞれ違った表情や雰囲気が出ているのがよかった」といった感想を聞くと、自分が思い描いていた3つの軸が体現できたのかなとも思えましたね。

――ご自身の狙いが観ている人に伝わるのは何よりですね。
それと、クルクル回っているうちに衣装が本物のタルトに変わっていくシーンを、落ちサビあたりに入れたのもこだわりなんですが、そこを褒めていただけた時は、すごくうれしかったです。タルトというタイトルを思いついた時に「これだ!」というひらめきがあったカットなんですよね。
――たしかに印象的で素敵なシーンでした。そういうアイデアは常に考え続けて思いつくのでしょうか。
急にパッと降ってきますし、曲を聴いている時から、自分の中で“物語”が想像できているというか。役作りに近いのかもしれませんが、レコーディングする際、歌っている環境や気持ちを自分に落とし込むと、自然とそこに世界観が広がっているような感覚があるんです。絞り出すというよりは、湧き出てくるアイデアを整理していくような作業に近かったと思います。

――そういったアイデアの源となるものを取り入れるために、普段から無意識に実践していることはありますか?
あるかもしれないですね。私はコスメが好きなんですが、限定コスメには特殊なかわいい名前がついていたりすることが多いんです。造語っぽいというか。今回、作詞をする際に、そういった言葉一つ一つも、自分の中で何かしらのヒントになっていたのかなって。

“かわいい言葉ストック”も、何かきっとセンサーが無意識のうちに働いて蓄えているのだろうなって思わされました。

歌は“心” ファンの「心引き込めるような自分でありたい」

――前作のアルバムから3年と期間を設けてのリリースとなりましたが、アーティストとして表現したいこと、新たに興味を持ったことなど、活動に関して“変化”はありましたか。
すごく大きな3年でした。2年前くらいからコロナ禍だったと思いますが、今まで当たり前だった生活とのギャップも相まって、激動の3年間だった印象があります。

――特にどのような部分でそう感じられたのでしょうか。
自分のアーティスト性や、そもそもの“あり方”はそれほど変化しているわけじゃないと思いますが、やっぱりファンの方とコミュニケーションをとれる機会がぐっと減った印象がありますね。それにサブスクリプションがこの3年間で活発になってきたり、音楽の楽しみ方や私のことを知ってくださるきっかけなど、音楽市場の変化も感じましたね。

――そうした中で、表現や発信の仕方で変化した部分は何かありますか。
自分がアーティストでいられて、何か表現できる場があるということに、これまで以上にありがたみを感じました。また、どこか少し客観視して、改めて歌うことや表現することの楽しさに気づくきっかけにもなり、歌やダンスという一つ一つのことを、とても楽しんで活動できるようになったと感じますね。
――意識の変化やアルバムのセルフプロデュースを経験し、アーティストとしての“発信力”も高まったのではないでしょうか。
前作のアルバムと併せて聴くと、私自身の心境の変化というか、今までアーティスト活動を続けたことによる良い変化を、今作で踏襲できているのではないかなと思います。今作を現時点での一つの“集大成”としていますが、きっと何年か後にはまた違う聴こえ方になるのだろうなと思うと、それが今から楽しみでもあります。

今の自分にできる表現を詰め込めた点では達成感もありますし、ここからどう変化していくのだろうというワクワクを感じられるのもうれしいです。

――そんな“新たなフェーズ”に向けて、アーティスト・小倉 唯としての理想とする姿や目標を教えてください。
純粋に自分が楽しんでいる姿は、そのままファンの方にも伝わると思いますので、まずは自分が楽しみながらパフォーマンスするという、初心に返りたい気持ちが強いです。

私は自分のことを何か特筆して能力が高いとは思っていなくて。全体的な総合力を評価していただけるように、これからも突き詰めて努力を重ねていきたいです。また、ひたむきに向き合っていく姿を皆さんに見ていただき、「応援したいな」と思ってもらえるよう、心を引き込めるようなパフォーマンスの実践や自分であることを心がけていきたいですね。
――ありがとうございます。最後に、小倉さんにとって「歌とは○○」を一言で表すなら?
歌を聴いていると、歌っている人の“心”を感じるような気がして、歌い方や発声はその人自体を映すものだなと感じています。私もきっと、歌っている姿や歌声は自分の“心”でもあります。“人の心を自分の心で動かす”といいますか、そういった想いでこれからもパフォーマンスしていきたいなと思っています。なので、歌とは“心”ですね。
プロフィール

小倉唯

小倉唯(おぐら・ゆい)

群馬県出身。声優としてアニメ『HUGっと!プリキュア』輝木ほまれ/キュアエトワール役、『ヤマノススメ』青羽ここな役、ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』マンハッタンカフェ役などを務める。アーティストとしては2012年にソロデビュー。
作品情報

2月16日発売 4thアルバム『Tarte』

小倉唯初のセルフプロデュースアルバム。シングル表題曲『Destiny』『I・LOVE・YOU!!』『ハピネス*センセーション』『Clear Morning』『Fightin★Pose』5曲と、配信限定曲『Very Merry Happy Christmas』に加え、新曲6曲を収録。CD+BD盤、CD+DVD盤には、小倉唯が初めて監督に挑戦したリード曲『ta・ta・tarte♪』ミュージックビデオとそのメイキングも収録されている。
この記事について
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「Fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
⇒この記事をオリジナルページで読む(2月22日掲載)

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