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SEKAI NO OWARIツアーファイナル、Fukaseが語った「生まれてきて良かった」の意味とは?

ライブ全体がセカオワワールド、メンバーは車に乗って登場

  • Fukase

    Fukase

  • Saori

    Saori

  • 運転手はNakajin。「無事故で良かった!」と感想を語った

    運転手はNakajin。「無事故で良かった!」と感想を語った

 全国11会場で25公演を行ってきたツアー『The Dinner』が、ついにさいたまスーパーアリーナでファイナルを迎えた。黒いコートとアイマスクという衣装に身を包んだライブスタッフ、まるでお城に入る門のようにものものしく作られたチケットゲート。古びた洋館の中庭にパーティ支度を施したような、だけど全体的に薄暗めでクラシカルなステージ。どの作品に特化するでもなく、これまでの楽曲の中から彼らが今もっとも伝えたい想いの詰まった曲たちを並べた選曲――。つまり今回のツアーはSEKAI NO OWARIがもっとも得意とする世界観を本気で作り上げ、熱意を込めて届けるツアーだったと言える。そしてそれは、彼らが世代を超えた多くの人に愛される理由を、あらためて知る時間でもあった。

 月明かり程度の明るさの中、赤いクラシックカーに乗って4人が登場すると、「ANTI-HERO」からライブはスタート。演出とはいえとにかく照明が暗い。目をこらさないとステージ上の彼らを探すのも大変なくらいだ。しかもその暗さは、時に明るくなりつつもライブ後半まで続く。だけども、そうしてステージ上の装飾や4人の表情が少しずつ見えてくることで、歌と演奏をたっぷり味わえるのも事実だった。何度聴いても情感たっぷりのメロディが胸をきゅっとさせる「スターライトパレード」では、一斉に観客席のスターライトリング(腕時計型のライト)が点灯し、洋館から続く花道で歌うFukaseを包み込む。その美しい光景、そして場内一体の大合唱に、早くも涙腺が緩みそうになった。

実は“モンスター”という設定、観客の女性をさらう場面も?

  • Nakajin

    Nakajin

  • DJ LOVE

    DJ LOVE

  • 英語詞の新曲「Monsoon Night」では頭上のシャンデリアが揺れる!

    英語詞の新曲「Monsoon Night」では頭上のシャンデリアが揺れる!

 Fukase、Nakajin、DJ LOVEはタキシード、Saoriは黒いドレスという清楚な衣装ということもあり、それぞれの振る舞いも優雅に感じられる。微笑みながらピアノに向かい、可憐な指使いでサウンドに繊細かつ大胆な表情をつけていくSaori。ギターはもちろんのことマンドリンやバスドラなどいくつもの楽器をスマートにこなし、楽曲全体を引っ張っていくNakajin。その風貌と同様、多彩なサウンドマジックで曲のストーリー性に奥行きを出していくDJ LOVE。そして歌詞に込められたメッセージを、ひとつひとつ手渡しするように歌上げていくFukase。特にこの日のFukaseの歌声はハッとするほど情熱的で、前半の「Love the warz-rearranged-」「Never Ending World」から、荒々しく迫力ある歌を響かせていた。幻想的な空間の中で聴く、生々しい声。それゆえに、メッセージはむしろむき出しになっていく。

 中盤、実はモンスターである彼らが「人間が食べたい」と語りあうアニメーションから、花道の先端にあるセンターステージで「Death Disco」や英語詞の新曲「Monsoon Night」を演奏。FukaseのファルセットとSaoriのつま弾くピアノ、ストリングス隊の滑らかな和音が印象的な「SOS」をしっとり聞かせた後、メンバーが観客の女性ひとりを指さしで選出。なんとステージに上げられ、Fukaseのエスコートにより館の中に連れていかれてしまった。ふいに、女性の悲鳴が場内に響く。鶏の頭をかぶった料理人たちに調理され、彼女は今夜の“ ディナー”となった。

セカオワというバンドの本分とは? Fukaseが声を詰まらせ語る

 そんなシーンを経て歌われた「深い森」「幻の命」「MAGIC」は、彼らが今のファンよりもっと若い世代、子どもたちに伝えたい想いが綴られていた。つらい現実の裏にある、慈しむべき命の尊さ、そして生きていくことの素晴らしさ。そして、そこから続く「RPG」「Dragon Night」は、だからこそ一緒に手をつないで歩いていこう、という直接的なメッセージとなって客席を煽りたてた。

 例えばそういった想いを理詰めで叫ぶのではなく、ビジュアルとサウンドのマジックで美しく伝えていくことができるのが、SEKAI NO OWARIというバンドの本分なのだ。「炎と森のカーニバル」から始まったアンコールでは、アリーナを走り回りながらたくさんの人と触れ合ったFukase。心の内を語ったMCでは、「……本当に、生まれてきて良かった」と、涙をこらえて声を詰まらせる瞬間もあった。信頼と尊敬でできた絆が作る、愛の音楽。SEKAI NO OWARIが幅広い層に愛される理由を肌で感じる夜だった。
(写真/太田好治 文/川上きくえ)

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