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ORICON NEWS
オタクの“聖地探し”が図らずも大きな“町おこし”に
“聖地巡礼”への便乗に嫌悪を抱くコアなアニメファンたち
アニメの舞台となった自治体が便乗し、イベントの開催やグッズを製作する動きも今や珍しいことではない。しかし、こういった動きすべてがアニメファンに喜ばれているわけではないという。
「自治体が、あまりにも露骨に巡礼客を狙ったことをすると、原作のファンからは“あざとい”として拒否反応を示されます。特にアニメ好きのオタク層は、こういう商売のネタ的なことをされるのを極端にイヤがりますから、自治体の安易な“先行投資”はリスクがともないます」(アニメ雑誌編集者)
自ら聖地を見つけだしPR活動 自治体をも動かす
オタクたちの発想から新しいビジネス展開が生み出されていく時代
『天空の城ラピュタ』のバルス現象(ラピュタを崩壊させる呪文・バルスを全員でTwitterでつぶやく)ではないが、こうしたアニメファンたちの横のつながりはSNSの発達によって飛躍的に拡大し、ちょっとしたアイディアや感想が、図らずも巨大なイベントに発展する可能性を秘めている。言ってみれば、アニメとは全く関係のない場所に広告代理店の戦略が絡んでなくても、いわゆるオタクたちの発想から新しいビジネス展開が生み出されていく時代なのだ。
そして、“高槻やよい”の聖地巡礼に代表されるような、アニメファン×地方自治体×地元企業それぞれがウインウインの関係になることは、本来の意味での“民間レベルの町おこし”であり、日本の地方再生の鍵を握っているのかもしれない。