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ルパンや逆転裁判まで “実写化の元祖”宝塚が腐女子を取り込む施策

 近年、映画では『バクマン。』、『進撃の巨人』、『アイアムアヒーロー』、ドラマでも『天才バカボン』(日本テレビ系)や『重版出来!』(TBS系)等々、人気漫画の実写化が相次いでいる。そんな中、“実写化の総本家”とも言うべき宝塚歌劇団も、『るろうに剣心』、『ルパン三世』などの漫画や、『逆転裁判』といったゲーム作品の実写化を実現してきているのだ。とりわけ多くの男性にとっては“秘密の花園”であり、神秘のヴェールに包まれている宝塚は、なぜ少年漫画やゲームの実写化に挑戦し続けるのだろうか?

“夢のような空間”で女性ファンを熱狂 格式高い伝統の宝塚

  • 長年女性の心を鷲掴みにしてきたタカラジェンヌ(写真は元タカラジェンヌの霧矢大夢)

    長年女性の心を鷲掴みにしてきたタカラジェンヌ(写真は元タカラジェンヌの霧矢大夢)

 初公演は1914年と100年をも超える伝統はもとより、“歌劇団に入れるのは付属の宝塚音楽学校の卒業生のみ”、そして何より“全員が未婚女性”という鉄の掟を持つ宝塚。ファン以外、または男性にとってもどこか現実離れした、閉鎖的な“女の園”といったイメージがある。“ヅカファン”にしても、「出待ちでは礼儀正しく整列し、タカラジェンヌが通ったときにひざまずき、お手紙やプレゼントを渡す」「『会』(タカラジェンヌ個人のファンクラブ)での公演鑑賞は“総見”と言い、“会服”と言われる揃いの服を着る」「複数の会に入会してはならない」等々、ファン自身も「清く、正しく、美しく」をモットーにしているという。

 これだけの決まり事を持ち、固定した熱狂的なファンもついている宝塚だが、やはり“女性向け”といった感は否めない。
「確かに宝塚の代表作『ベルサイユのばら』は少女マンガだし、『源氏物語』や『ロミオとジュリエット』もそれぞれ日本、世界を代表する古典文学、『風と共に去りぬ』はハリウッドが生んだ大ロマンス映画です。国内外の格式高い大恋愛作品を、原作の世界観のままに忠実に舞台で実写化して、“夢のような空間”を創り出してしまう。まさに宝塚の真骨頂で、そこにこそ日本の乙女たちが心をときめかせ、熱狂的なファンになる魅力があるわけです」(女性誌記者)

美しい世界観作りだすタカラジェンヌ リスキーな実写化も“お手のもの”

 それだけに、何もわざわざ少年漫画やゲーム作品の世界に挑戦することもないように思われる。しかも現在、漫画やゲームの実写化作品があまりにも増えすぎたことで、「原作を馬鹿にしている」などのバッシングも受けかねないムードがあり、リスキーですらあるのではないか。

 「宝塚の舞台では、遠くから見ているお客さんでもわかりやすいように“厚化粧”だし、演じるジェンヌたちもキャラになりきるのは“お手のもの”。安易な実写化ドラマにありがちな“中半端さ”はいっさいありません。むしろ普通の俳優さんたちが演じるよりキャラへの違和感は少ないんじゃないですか」(前出・記者)

『おそ松さん』ヒットからみる “腐女子”と“ヅカファン”の共通点

 ある意味、ジェンヌとファンたちとの間で培われ、成熟してきたとも言えるこの“宝塚的”な文化・世界観は、最近のアニメ『おそ松さん』(テレビ東京系)が女性の間で大ヒットしたことにも通じているようだ。
「『おそ松さん』のヒットは、かねてより“腐女子”と呼ばれていた女性のオタク層が多数派となって、一般化した現象です。言ってみれば、女性のオタク文化が普通に受け入れられはじめたんですね。『おそ松さん』にしたって超人気漫画の古典作品。アニメにしろヅカファンにしろ、ひとつのものを徹底的に楽しむメンタリティは共通しています。自分の好きな世界のためには手間と時間と金を惜しまない、という意味でも、アニメやゲームオタクとヅカファンは共通点があるかもしれません」(前出・記者)

 とすれば、オタクの女性層が宝塚の世界に接近することもあり得るし、ヅカファンがBL(ボーイズラブ)やTL(ティーンズラブ)の世界に近づくこともあり得るというわけだ。そもそも宝塚自体にそうした“傾向”があると言ってもいいだろうし、今後はさらに“踏み込んだ”実写化に挑戦する可能性も高いのではないだろうか。そして、実写化の“出来栄え”に一喜一憂してきたアニメやゲームファンも、逆に宝塚の舞台で繰り広げられる“世界”に魅了され、新たなヅカファンとして取り込まれていくかもしれない。日本の伝統的文化・宝塚と、クールジャパン的な日本のサブカルチャーのクロスオーバーが、これからどのような化学変化を起こしていくのか、注目したいところである。

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