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ライブで号泣!? 清水翔太の覚悟とは

 今春にキャリア7年を総括する初のベスト盤『ALL SINGLES BEST』を発売した清水翔太。6月からは全国ツアー『清水翔太 LIVE TOUR 2015』がスタートし、延べ5万人を動員し大盛況のなか幕を閉じた。今回は、そのツアーファイナルとなった大阪城ホール公演がWOWOWにてオンエア。自身の地元にある最も思い出の多い場所での初ワンマン公演に、かけた思いを直撃した。

目標の地でのライブは、一生懸命で歌うのに必死

──今回のツアーで初の大阪城ホールでのワンマン公演。地元ということもあり、思い入れが強かったのでは?
清水翔太 地元で一番ライブを観に行って、目標としていた「場所」であったことは確かですね。

──デビュー前は、会場の近くでストリートライブをしていたこともあるそうですね。それだけに目標の場所のステージの立った瞬間、感慨がこみあげてきたのでは?
翔太 一生懸命で歌うのに必死で、(ステージに出た瞬間)感慨に浸るというのはなかったですね(笑)。

──今回は初のベスト盤をリリースしてのツアー。いつものツアーとは違う部分もありましたしね。
翔太 実は、(ツアーのリハーサル)当初は気持ちが乗らなくて。アーティストって、たいてい最新の自分を見せたいと思うんですよ。だから、(過去の曲を中心にした)ベスト盤でのツアーって、どういう感じなのか? という気分でした。でも「再生」をテーマに、楽曲もフレッシュな気分で取り組んで、(お客さんにも)聴いてほしいという思いでリハーサルを始めたら、実際に(過去の音楽が)新鮮に響いてきて。結果、キャリアを振り返ることができた、いいきっかけになったなって思いました。

──実際「アイシテル」は、レゲエヴァージョンに再生されていましたね。
翔太 このアレンジは、リハーサルの気分転換に遊び感覚で始めたのがきっかけで、その場のノリで違うアレンジを試していくうちに、生まれました。

──また、今回はゲストが登場されました。
翔太 BOY-KENさんは、デビュー曲「HOME」のカップリング曲「MUSIC」で参加していただいて、今回の「再生」というテーマにぴったりだと思ったので、登場していただきました。かなり強烈なヴァイブスを持った方なので、驚かれた人も多かったかもしれません。でも、自分のコアな部分もちゃんと観てもらいたかったし、大阪城ホールという大きな会場で共演するのは面白いだろうなと思ったんです。

──ちなみにMCで話す内容は、あらかじめ決めているんですか?
翔太 MCに関しては何も考えずにやってますね。

ライブでは、観客ももっと歌って欲しい

──また「語り」と言えば、アンコールではフロア中央に設置したステージで10月28日発売の新曲「花束のかわりにメロディーを」を、ピアノの弾き語りで披露されました。
翔太 今までそういうことをやったことがなくて。「できる」というお話をいただいて、最初は「HOME」にしようかと思ったんです。でも、バンドでがっちりやりたいと思ったから、(フロアで自分が降りて演奏すると)距離が生まれてしまう。それで他の曲を探していたところ、新曲がぴったりじゃないかって。すっごく緊張したんですけどね。楽しかったです。

──新曲を360度観客の視線が集まるなかで演奏されたんですからね。
翔太 この曲は、よりリアルなメッセージを感じてほしいという思いもあったので。

──どういうきっかけで生まれた曲なのでしょう?
翔太 これまで以上に伝わる“ラブソング”を作りたくて。そのために、まず自分の弱さをすべて出す作業から始めたんです。結果、自分は何もできないんだけど、音楽という武器を持っている。自分の一番誇れる、大切にしているものを、あなたのためにプレゼントします、というテーマで曲を完成させることができました。

──楽曲からは、今後も丁寧に音楽を発信していこうとする清水さんの思いが伝わってきました。ベスト盤をリリースし、今回のツアーを終えて、見えてきた部分もあるのでは?
翔太 そうですね。ツアーを終えて、リセットされた気持ちはありますね。今後ブランディングを含め、ちょっと違うことができそうな。

──また、ファン(観客)との関係も、より濃密になっていきそうな。今後ファンの人たちに対して望むことはありますか?
翔太 僕が一番思うのは、(ライブで)一緒に歌って欲しいということ。自分の曲に問題があるのかもしれないけど、海外のライブだとみんな歌うんですよ。サム・スミスみたいな綺麗な楽曲から、クリス・ブラウンのようなイケイケの曲でも、みんなマイクを向けられなくても大合唱。本人、歌ってねーじゃん!ってくらいの勢い(笑)。そういう感じのほうが、うれしいんですよ。

──カラオケボックスみたいなものですよね、向こうは(笑)。
翔太 観ているとそのほうがいいんですよね。サムだとより感動できたし、クリスはカッコいいって思えた。だから、もっと歌って欲しいという気持ちがあります。

──清水さんの声がかき消されても、いいと?
翔太 一緒に歌うというか。この曲、最高なんだからみんなで共有しよう。仲間なんだから、一緒に歌うでしょ?という感覚なんですよ。そういうところが、まだまだ浸透していないなと感じる部分があります。結構、いろんな場面で「もっと歌ってくれ!」と言っているのですが。

ライブで号泣! 「HOME」をリリースしてなければ、未来は違っていた

──アンコールですが、最後にはデビュー曲である「HOME」を披露されました。
翔太 この曲は、結構泣いちゃいました(笑)。作った当時のことを思い出したりして。その頃、やっと見つけた心安らぐ場所があって、そこを飛び出していかなければならない覚悟が必要だったんです。16、7歳だった自分にとっては、とても苦しくて、辛い覚悟だった。アーティストとしてやっていくために、必要なことだったので。もし、あそこで決断できていなかったら、未来は全然違っていたはず。大阪城ホールでライブなんてできなかったと思います。

──なるほど。
翔太 また大阪城ホールのステージに立てたのは、今までのキャリアの積み重ねた結果ではあるんだけど、一番大切だったのは「HOME」をリリースできたことだと思うんです。この曲がなければ、未来は違っていただろうし、もしかしたらデビューすらできなかったのかもしれない。当時は、そんな未来なんて想像もせず、痛みから解放されたいという思いだけで書いていたけど、結果この(大阪城ホールでの)景色を見せてくれたのが、感慨深かったというか……。この曲で、大阪城ホールまで導いてくれたすべての人への感謝ですね。

──もし「HOME」を作った頃の苦しんでいた自分に、何かアドバイスできるとしたら?
翔太 別にないですね。そのまま頑張れ! としか言えない。当時は絶対に頑張る! と腹をくくっていたから、そのままやれば大丈夫だよって。

──最初から最後まで、感動と興奮で飽きないステージでしたが、最後に観どころを教えてください!
翔太 僕自身もオンエアでチェックすることになると思うので、どういう内容になっているか楽しみなのですが(笑)。冒頭や新曲「花束のかわりにメロディーを」のあたりは結構好きで。今の自分の感覚が表現できているのかなって。

──冒頭のサングラスを外す場面は必見ですよね!
翔太 そうですね(笑)。あれは、どのタイミングで外すか? 何度もリハーサルを重ねました。

(文:松永尚久)

清水翔太 LIVE TOUR 2015 in 大阪城ホール

キャリアの集大成となる全国20ヶ所21公演、約5万人を動員したツアーを6月からスタート。同ツアーのファイナルとなる、大阪城ホール公演をWOWOWで独占放送。

【放送日時】10月24日(土)午後5時〜 [WOWOWライブ]
【再放送日時】12月26日(土)午後10時〜[WOWOWライブ]

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