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活動休止・結婚・妊娠……絢香が現在の心境を告白!

活動休止中の2年間がなかったら今の自分はなかった

――活動休止の2年間は、どんな月日でした?
絢香 とにかく情報を集めて、身体に良いと言われていることは片っ端からトライする毎日でした。それが遠くでしか得られないことであれば、迷わず海外にも飛びました。大地のエネルギーをたっぷりと含んだ有機のものを食べたり飲んだり。2年間でやってきたことはたくさんあって、あげだしたらキリが無いんですけど、何よりストレスが大敵な病気だからこそ、家族でゆったりとした時間を過ごすことはとても大切にしてきました。料理を作って掃除をして、曲も書きたいときに書く。締め切りがないなかで降ってきたものをそのまま形にする作業は本当に新鮮で楽しくて、それまでよりさらに音楽を近くに感じました。振り返っても、あの2年間がなかったら今の自分はなかったなと思います。

――アーティストのなかには、締め切りがないと書けないという人もいますが。
絢香 私は締め切りが無い方が本当は好きですが、作曲のみに集中できるのであれば、課題があって、期間が決められていても大丈夫です。そもそも歌大好き!というところから私の音楽人生がスタートしているので、その想いはずっと大切にしたい。そこを守るには、余裕のあるスケジューリングというのはとても大事なことですよね。そういう意味で活動休止中は、音楽との向き合い方を改めて確認できたかけがえのない時間でした。そして、そうやって休止期間中に作った曲たちがアルバムになるということは、私にとって一番自然な流れでした。

――復帰作の『The beginning』には、そんな純粋な想いが詰まっていたんですね。
絢香 そうなんです。本当に特別な作品になりました。

――実際、このアルバムではパワーアップした“絢香”が伝わってきました。
絢香 パワーアップしたねって言われるのを目標にしていたので、それはすごく嬉しいです。やはり体調のことがきっかけという経緯があるので、二度と繰り返さないためにも、今はスタッフみんなで相談しながら、私の体調に合ったペースでのスケジュールを組んでもらっています。本当にありがたい環境で音楽ができているし、音楽をやっていて楽しいなって心から思えてる。今が一番。間違いないです。

――素敵ですね(羨)。でも、復帰後の3年間はセーブをしながら活動していたという印象がないかも。それぐらい、テレビからは常に絢香さんの曲が流れていたなと。
絢香 それはありがたいですね。仕事のペースとしては休止前と比べて少ない活動量なので、それでも変わらないくらいの印象を与えられてるならとても嬉しい。復帰してからは、1つひとつをより丁寧に、より良いものにできるよう時間をかけて、皆さんが求めてくださる以上のものを返したいという思いで取り組んでいます。時間はかかるけど、そのやり方が間違いじゃなかったと多くの面で実感できています。自分の満足のいくところに達してないものを世に出すことほど、辛いことはない。そういう意味でこの3年間は、悔いなく全力で1つひとつの曲に取り組めました。今回のアルバム『レインボーロード』には、心の底から“音楽って楽しい!”って思えた自分の想いが散りばめられています。

この3年間たくさん刺激を受けた!音楽をやる時の気持ちが自由になった

――ひとつのコンセプトで作られたというよりは、時間をかけて完成させた渾身の1曲1曲が集まったという感じ?
絢香 この3年間の中で、色々なチャレンジをしながら、そして心から音楽を楽しみながら1曲1曲を大切に書いていきました。その間に、カバーアルバム『遊音倶楽部〜1stgrade〜』も制作しましたし、名曲たちから学ぶことは本当に多く、シンガーとしてもソングライターとしてもたくさん刺激を受けました。ツアーも3回まわり、たくさんのライブもやってきたなかで、感覚として、音楽をやる時の気持ちがどんどん自由になっていきました。「自分」という軸があればどんな曲を表現してもいいんじゃないか、もっともっと自分も楽しんじゃおう! そういう感覚の中で、制作を続けてきたのがこの「レインボーロード」です。

――なかでもロック色の強い「No end」と「Lose control」は、今までの絢香像を塗り替えるぐらいの斬新な楽曲ですね。
絢香 2つともTom Collekiyoさんの曲なんですが、今まで共作はあったけど、曲も詞も自分じゃない形で作品にするのは今回が初めてなんです。もともと、自分の原点は「歌」だと思っていて、全ては歌うことが大好きだというところから始まっているんです。シンガー・ソングライターとして自分の中から生まれてくるメロディや言葉を、自らの歌で表現するというベースはありますが、「歌い手」として色々な曲を表現したいというのも常にありました。彼は共通の音楽仲間を通じて知り合った友人なのですが、初めて彼のデモテープを聴いたとき、衝撃を受けたというか、そのセンスに一瞬にして心を奪われました。率直に歌ってみたい! と思わせる楽曲の力を感じましたし、英語と日本語を織り交ぜての言葉遊びや曲の持って行き方など、彼の曲には、洋楽をたくさん聴いて育って来た私の好きなポイントがたくさん詰まっていました。それに、“奇々怪々”なんて自分からは出てこないような言葉をどう表現しようか、声のトーンはどうしようとか、徹底的に歌を突き詰める作業がすごく楽しかったんです。

――この2曲が入ったことで、アルバム全体の配色=レインボーがよりビビットになっている気がします。
絢香 本当に色の幅がぐんと広がりましたね。まるで初めて見る自分に出会えたような感覚もあって。そして昨年は「にじいろ」という曲がきっかけで、より幅広い世代の人たちに自分の音楽を届けることもできました。このアルバムを通して、“もっと絢香の音楽を聴いてみよう”とか“初めて絢香の歌、いいと思った”っていう人がひとりでも多く増えてくれたら、それ以上に嬉しいことはありません。だからこそ、もっと自分の枠を飛び出して、新しいチャレンジをしたり、もっと良い作品を作りたい!と言う気持ちでこの「レインボーロード」を完成させました。ジャンルの垣根を越えた彩り豊かな楽曲たちが並ぶ、私にとって最高傑作だと言えるこのアルバムが完成した時、目の前にどこまでも続く七色の道がハッキリと見えたんです。その景色をアルバムのタイトルにしようと思い、レインボーロードと名付けました。
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