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クマムシ、「あったかいんだからぁ」の誕生秘話を語る

 <あったかいんだからぁ♪>のフレーズで、現在、大ブレイク中のクマムシ。SKE48の松井珠理奈などアイドル界から、SEKAI NO OWARIなどのアーティストまで、錚々たる面々からマネされているブームの感想や、歌ネタ誕生秘話など、クマムシの魅力に迫る。CDデビューして「気分はすっかりアーティスト」な新曲「あったかいんだからぁ♪」の制作秘話も2人のボケとツッコミを交えてお届けします。

歌好きがきっかけで、「あったかいんだからぁ」が誕生

――まず、大ブレイク中の現在の心境を!
長谷川 ビックリしています。半年前までは何もなかったのに、そこから180度、人生が激変したなって。
佐藤 “クマムシ”って名前の微生物がいて、今まではネットで検索するとそれがトップに出てきたんですよ。でも、今は僕らが出てくるようになって。ただ、長谷川が「あったかいんだからぁ」って歌ってるせいで、僕のことはTwitterとかで「クマムシの“あったかくない”ヤツ」って言われているのがちょっと不満で……。まあ受け入れていますが。

――佐藤さんがいないと、長谷川さんもあったまれないですからね。
長谷川 そうですね。でもネタでは佐藤くんに「歌うなよ!」って言われて、“シュン”ってなっています。
佐藤 “シュン”としてるの? その割りには堂々と歌ってるけど。止まんないじゃん。
長谷川 歌うことが好きだからね。

――「あったかいんだからぁ」は、松井珠理奈(SKE48)がマネをしたり、SEKAI NO OWARI(セカオワ)がステージで歌ったり、アイドル&音楽界からもファンが続出していますが、どう思っています?
長谷川 おいしいなって思います。マネしてくれるおかげで、例えば、セカオワのファンの方まで僕らのことを見てくれるわけだから。でも、本物のアイドルやアーティストじゃないですか。そんな方々に「あったかいんだからぁ」ってやられるとちょっと叶わない。実際、SKE48のイベントに出させてもらったときに、目の前でマネされたんだけど、ちょっと可愛すぎちゃって……。
佐藤 可愛く見られたいの?! 違うでしょ。笑ってもらえばいいじゃん。アイドルやアーティストに、可愛さや歌の上手さで叶わなくていいから。
長谷川 いやいや、競いたい。セカオワのFUKASEさんなんて、何も崩さずFUKASEさんのまま「あったかいんだからぁ」って歌ってくださったじゃないですか。あんなことされたら、もうまずいですよ。だから僕も最近、ボイストレーニングに通おうかと思っていて。もっと歌が上手くなりたいし、もっと高音が出ればネタが広がるんじゃないかと。
佐藤 目指すのそこじゃないから。
長谷川 いっそマライヤ・キャリーさんぐらいの高音を。
佐藤 あ、それなら面白いわ(笑)。

――でもアイドルソングの歌ネタの前は、ビジュアル系ネタもやっていたんですよね?
長谷川 はい。僕がビジュアル系アーティストとしてデビューしたらっていうネタで。ちょっと歌っていいですか? (いきなり大熱唱で)さっきまでの夢ぇ〜、夢の続きを見て〜、2人だけの夢〜、それは儚いものを〜クチュ〜・テルミ〜・ザ・ウェイトゥ〜 ライブラリ〜……。
佐藤 長いよ! あと“クッチュー・テルミー・ザ・ウェイトゥー・ライブラリー”って「図書館までの道を教えてください」ってどういう意味だよ!……みたいなネタです(笑)。

――(笑)。そもそも歌ネタ漫才をやろうと思ったきっかけは?
長谷川 元々はコント師を目指してやっていたけど、事務所のライブで良い評価を得られなかったんですよ。それで、あるとき作家さんに「設定とかこだわり過ぎてグチャグチャっとしているから、何も考えず長谷川が好きなネタをやってみたら」ってアドバイスされまして。俺の好きなことっていったら、やっぱり子どもの頃から好きだった歌かなと。

――アーティストのようなこと言いますね(笑)。
長谷川 はい。アーティストっぽくなっちゃうんですけど。でも、歌が好きなことって悪くないですよね?

――悪くないです(笑)。
長谷川 なので僕が作った歌で人々を幸せにできたらいいなと思ったんですね。それで、高校時代、教科書に乗っていた「Could you tell me the way to」ってフレーズを歌いながら覚えていたことを思い出して。
佐藤 僕もよく、メロディをつけながら英文を覚えてた。
長谷川 システムって書いてあったら、(歌いながら)“システム〜”とかね。それで作ったメロディがずっと頭の中に残っていたので、これは何かに使えるなとビジュアル系ソングにしました。

――なるほど。
長谷川 ただ、最初はそこでもコント縛りがあって、ビジュアル系の格好をしようとすると、衣装やメイクのお金や手間がかかっちゃう。だったらいっそ漫才にしちゃおうかなと。歌ネタの漫才をやっている人はあまりいなかったし、実際にやってみたら事務所のライブで3位になって、すごく良い評価を得られました。
佐藤 初めてのライブだったんだよね。
長谷川 それで、第2弾に「あったかいんだからぁ」をやって、そこからどんどん歌ネタが増えていったっていう。

「あったかいんだからぁ」がウケた理由は?!

――佐藤さんは歌ネタをどう思ってました?
佐藤 “クッチュー〜”は面白いと思いました。でも、“あったかいんだからぁ”に関しては、こんなイカつい見た目のヤツがアイドルソングを歌ったらウケるだろうとは思ったけど、そのフレーズがこんなにフィーチャーされるとは思っていなくて。
長谷川 4分間のネタなんだけど、「あったかいだからぁ」は2ヶ所しか出てこないんです。でも、ライブでやるたびにこのフレーズがウケることに気づいて。もしかしたら、そこだけに特化した短いネタにしたほうがいいのかなと思って今の形になったんです。

――「あったかいんだからぁ」が何でここまでウケたと思います?
長谷川 またちょっとアーティストぽいこと言っちゃいますが(笑)、メロディラインじゃないかな。僕も作ったとき、やけに曲がまとわりつくなと思ったので。それとしぐさですかね。これも自然に出たんですよ。

――メロディも自然に浮かんだの?
長谷川 下りてきましたねぇ。それこそ歌詞と同時に出て来たパターン?(ドヤ顔)。まあ考えて作るパターンもありますが。

――佐藤さんは曲を作らないんですか?
佐藤 作ったけど、やっぱりアーティスト・長谷川には叶わないっていうか、却下されるんですよ。だから最近は作らない。
長谷川 やっぱり人が作ったものだと語呂が悪いとか、すごく意識しちゃうんです。字余りとかもちょっと気持ち悪くて。僕、もしかしたら完璧主義者なのかなぁ。

――(笑)。では、今回のCD制作かなりもこだわった?
長谷川 何回も何回も繰り返しレコーディングさせていただきました。でも歌い過ぎて、途中で「あったかいんだからぁ」の言い方がわからなくてなってしまって。♪あったかいの“あ”の入り方がわからなくなってしまったんです。で、ピアノで音を出してもらって思い出したりしたので、「あ、俺、いまアーティストやってる」って。
佐藤 んはははは(笑)。

――いや、アーティストですよ。曲調も“本格バラード”ですし。
長谷川 僕らも、最初はこういう感じになると予想してなかったんです。アイドルソングのネタとしてやってるので、もっとすごくポップな感じになると思っていて。
佐藤 それこそカップリングの“スーパーキューティクル ver.”みたいな感じがメインになると思ってました。

――こっちはノリノリのアッパーチューンですね。
長谷川 でもバラードちっくなほうを聴いていくうちに、こっちがいいなと。心がほっこりするっていうか。まさに“あったかい”曲になってるなと。

――今の季節にもピッタリですよね。夏だったら違ったかも。
長谷川 暑苦しかったですね(笑)。

――佐藤さんのパートは<YES!>ってひと言だけですけど、何かこだわりは?
佐藤 僕、この曲はかなりヒマなんですけど(笑)、<YES!>に気持ち,こめていくというか。いろんな<YES!>を出したいと思っていて。
長谷川 セリで上がりながらの<YES!>とか、セットの脇から覗いて<YES!>とか。
佐藤 もし『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)のスーパーライブに出させてもらったら<YES!>のときに花火が上がるとかね。
長谷川 世界最大の<YES!>を。
佐藤 しかもですね、来年は中国で世界陸上もあるので、“YES”の代わりに“ニーハオ”とか、いろいろ考えています。ここは唯一、お笑いを取れるポイントなので、芸人として精一杯やりたいなと。

――そこがなかったら普通に素敵なバラードですもんね。
長谷川 だからカップリングでは相当遊ばせてもらった。フェスとかでタオルとか振り回しながら歌ってもらえたらと思っています。

――CDリリースで、さらにブームが加熱しそうですが。ここに至るまでは大変なことも多かったんじゃないですか?
佐藤 僕ら、お笑いライブをやってる劇場のルールで、1ヶ月に1回ネタを作らなきゃならないんですよ。でも長谷川がそこまでのハイペースで、なかなか歌を作れない。それは大変でしたね。
長谷川 毎回、「あったかいんだらぁ」と同じレベルの楽曲を作るのはしんどくって。
佐藤 これもアーティストの悩みみたいですが(笑)。

――曲作りの苦労があると。
長谷川 ネタ見せの審査のときも、普通の漫才をやってる芸人さんはネタに関してのダメ出しをされるんだけど、僕らは「もう少しそこのメロディラインをキレイに歌えないかな」とか「その歌詞、全部いらない」とか、歌のダメ出しをされます。そのうちに、やっていてもだんだん楽しくなってきちゃって。ちょっと歌ネタからは離れたほうがいいってことで、またコントに戻ってみたり、ボケとツッコミを入れ変えてみたこともあって。

――佐藤さんがボケ役を?
佐藤 作家さんから、歌ネタをやめてお互いの人間性を見せてみればって結構厳しく言われたんですよ。それで、僕がボケをやって、彼をツッコミにして。
長谷川 佐藤くんは天然っていうか、ほんわかしたアホな感じなので。プライベートでは実は彼がホントのボケなんです。
佐藤 職業ツッコミしています。
長谷川 それ、言っちゃう?! でもそれも結構ウケてたんですよ。だから僕ら、こっちなのかなって思ったりもして……。それで、そんな時期の『アメ・トー―ク』(テレビ朝日系)だったんです。

解散の危機も〜佐藤の遅刻が原因!?

――クマムシさんが一気に注目された、「パクリたい芸人」の回ですね。
長谷川 あれは企画に助けられた。ザキヤマさん(アンタッチャブルの山崎弘也)とフジモンさん(FUJIWARAの藤本敏史)がマネしてくださったのが、世間に広まったひとつのきっかけというか。ただ、その前に実は解散の危機もあったんです。

――えっいつ頃?
長谷川 養成所時代でコンビを組んで1年もたっていないとき。『青春!イモトの門』(BSフジ)という番組で、養成所生を密着して追いかける企画があったんですね。それで、僕らが選ばれたんだけど、佐藤くんがロケに2回も遅刻したんです。
佐藤 まだ養成所生だったので、学生の延長線上みたいな気分だったのかも。あとギャラもほとんど出ないし(笑)。
長谷川 ヤラしいからっ。佐藤くんが朝まで飲んじゃって遅刻したっていう。1回目は何とか許してもらえたけど、2回遅刻したんでメチャクチャ怒られたんです。それで、反省のために「佐藤、坊主にしてこい」って言われて、髪を切りにいったら、すげーオシャレなツーブロックの坊主にしてきて。

――(笑)。
長谷川 「お前、なんだよ、その髪型!」って言われたら、「青山の美容室でやってもらって……」って言いながら怒られていました。「オシャレ坊主じゃねーか」って。
佐藤 テレビ業界は厳しいなあって思いました(笑)。
長谷川 それで「佐藤はダメだから、ひとりで頑張ったほうがいいんじゃないか」っていろんな方から言われ、僕も考えて、距離を置いたんです。でもスクールの一番偉い方に「番組に密着されたってことは、お前ら2人に何かあるんだからもう1回、ゼロから佐藤とやってみたら」って言われて。解散せずにやりなおすことにしたんです。

――佐藤さんもホッとした?
佐藤 いや、(解散は)しないだろうなぁって思っていたので。

――危機感ゼロ?
佐藤 ネタがウケていたし、そこまでしないだろうなと。でも、あとから聞いて、そこまで考えていたんだなってびっくりしました。
長谷川 坊主もオシャレなツーブロックのままだったしね。
佐藤 意外と坊主も似合うなって(笑)。

(文:若松正子/撮り下ろし写真:西田周平)

<動画インタビュー>ブレイク中のクマムシ、正直言うと……

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