大阪市内が舞台の“ミスペンス”アドベンチャーアプリ

 2014年9月18日(木)〜21日(日)、幕張で開催された世界最大級のコンピュータエンターテイメントの展示会「東京ゲームショー2014」。このイベントで試遊版を公開し話題となったゲームアプリが『コトノハノキセキ』だ。これは、大阪電気通信大学の学生がプロスタッフの協力でさまざまなコンテンツを制作するプロジェクト「電ch!(でんチャン)」と、同大学の総合情報学部デジタルゲーム学科が制作担当の地上波ラジオ番組「水瀬いのりのげ〜みゅ♪研究所!」の企画から生まれたオリジナル作品で、iPhone、Androidなどで3月に展開される予定だ。今回は、マルチメディアクリエーターとしても活躍するいしぜきひでゆき教授と学生代表として松浦咲里さん(総合情報学部2年生)、伊藤由香さん(同学部3年生)さんに、同ゲームアプリの誕生秘話などについて聞いてみた!
 大阪市内を舞台に、明兎、響香、ユキ、そして双子の凛歌と凛音という美少女キャラクター5人が、各エリアで隠された謎を解きながら、モンスターである絶滅種EXという“怨霊”と攻防を繰り広げるという同アプリ。マルチメディアクリエーターとしても活躍するいしぜきひでゆき教授をはじめ、4人の教員と学生、総勢20人でタッグを組み制作しており、大枠のシナリオや音楽は教員が担当、イラストやサウンドデザイン、プログラミング作業など、重要なパーツ作業はほとんど学生が担当した。

 「顔の表情はもちろん、手足の動きからそのキャラクターの性格が見てとれる、そんなリアリティのある絵にこだわりました。先生の要望が増えるにつれ、本当に悩み苦しみましたが(笑)」と話すのは、美少女キャラクターなどのイラストを担当した松浦咲里さん。グラフィック全般のレベルコントロールをし、クエスチョンと絶滅種EXを担当した伊藤さんも、「先生にはかなり多くダメ出しされました(笑)。敵として勢いのあるキャラクターにすることが難しかった。このEXは絶滅種なので参考になるものがない(笑)。良く似た動物の動画やCGを見て研究し尽くしました」と苦労を振り返る。

舞台は大阪市内! 美少女5人がモンスターと大迫力の戦いを展開

 『コトノハノキセキ』はいしぜき教授をはじめ4人の教員と学生、総勢20人でタッグを組み制作したミステリーとサスペンス、アドベンチャーを盛り込んだ“ミスペンスアドベンチャー”。大阪市内を舞台に、明兎、響香、ユキ、そして双子の凛歌と凛音という美少女キャラクター5人が、各エリアで隠された謎を解きながら、モンスターである絶滅種EXという“怨霊”と攻防を繰り広げる。ストーリーのキーパーソンとして、ウサギや猫、ガラガラヘビなどの要素を合わせ持ったクエスチョンというキャラクターも登場。また、美少女キャラクターたちは絶滅種EXに様々な理由で「声」を奪われ、伏線としてその「声」を取り戻すこともキーワードとなるようだ。

 さらに特筆すべきは舞台を大阪市内限定にしたということ。実際、京都や神戸を巻き込んだほうが名所も多くあり、作りやすいがあえてそうした背景には「なかなかこういった本格的なアドベンチャーアプリの中で、地域限定で地元の要素をいれているものは少ない。地域活性化の一貫として、こういった手法もある、ということもアピールしたい」という。

学生たちの想像以上のプロ意識に、教授も驚きと感動の連続

  • 松浦咲里さん(総合情報学部2年生)

    松浦咲里さん(総合情報学部2年生)

 「顔の表情はもちろん、手足の動きからそのキャラクターの性格が見てとれる、そんなリアリティのある絵にこだわりました。先生の要望が増えるにつれ、本当に悩み苦しみましたが(笑)、だからこそ満足のある仕上がりになっています」と話すのは、美少女キャラクターなどのイラストを担当した松浦さん。また、グラフィック全般のレベルコントロールをし、クエスチョンと絶滅種EXのイラストを担当した伊藤さんは、特に絶滅種EXを完成させるのに時間がかかったと語る。「先生にはかなり多くダメ出しされました(笑)。敵として勢いのあるキャラクターにすることが難しかった。とにかく向かって来る感じにしてほしい、図鑑絵ではダメなど、注文は数限りなく、という感じで(笑)。ただ、このEXは絶滅種なので参考になるものがない(笑)。実際の動きが分からないので、良く似た動物の動画やCGを見て研究し尽くしました」。
  • 伊藤由香さん(総合情報学部3年生)

    伊藤由香さん(総合情報学部3年生)

 今回、ゲームアプリ制作においては、大枠のシナリオや音楽は教員が担当、イラストやサウンドデザイン、プログラミング作業など、重要なパーツ作業はほとんど学生が担当している。いしぜき教授は「イラストに関しては個々のキャラクターの性格を担当の学生に伝え、こういうクオリティで、このレベルで作ってねとオーダーしました。ラフ提出後、OKなら線画を作成し着色してもらう。でもそこでまた、細かいダメ出しをすることも多かったし、授業も並行していたのでかなりきつかったでしょうね」と振り返る。ただ、この2人の頑張りには教授自身、想像を超えるものがあったという。「プロは100望まれたらそれ以上、120、150のものを完成させないと生き残れない。そういう世界です。2人はそこをしっかりと理解している。求められているものに対して、必ずプラスαのものを出そうとしていた。そしてどんな難題でも期限はきっちりと守る。締め切り厳守はプロの鉄則、これには本当に感心しました」と満足気だ。

プロはどうあるべきかをプロの教授から実践で学び、将来に活かす

  • いしぜきひでゆき教授

    いしぜきひでゆき教授

 今回、取材を通して驚いたことは、学生が技術の向上を図っただけでなく、プロとしてどうあるべきか、という姿勢も感じとりこのプロジェクトに参加していたということ。そもそも同大学には「実践的な作業を通して、プロとしての姿勢やノウハウを学んで欲しい」という思いがある。在学中に現場を知ることで、自分の能力、方向性を見出して欲しいと考えているようだ。

 インタビューに答えて頂いたいしぜき教授も「バイオハザードシリーズ」「コンシェルジュ」など、数多くの人気ゲームやドラマ、コミックなどのシナリオを手掛けてきたマルチメディアクリエーター。こういったさまざまなジャンルのプロの教授から直接学べるのは、同大学の大きな魅力だろう。いしぜき教授も「所詮、大学がつくったもの、というレベルではこのプロジェクトにプロの声優を起用し、様々なジャンルのスペシャリストである教授たちが関わった意味がない。とにかく妥協せずにクオリティを重視した指示を出し続けましたし、学生もそれに必死に答え、くらいついてくれました」と語る。

 追いつめられながらも、求められたクオリティの高さに挑み続けたこのプロジェクトは、今後、携わった学生たちのクリエーターとしての能力開発はもちろん、この成果が後輩たちの憧れとなり、さらに頑張る糧になると感じた。

大阪電気通信大学

 5学部13学科と3研究科8専攻からなり、学生がプロスタッフの協力で番組を制作する産学連携プロジェクトの『電ch!(でんチャン)』をはじめ、先進的な取り組みでも話題。キャンパスは次世代テクノロジーへの学びが詰まった寝屋川キャンパス、金融経済を学べる駅前キャンパス、先端マルチメディア合同研究所「JIAMS(ジェイムス)」を備えた四條畷キャンパスがある。

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