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飽和状態の国内アイドル市場、“海外輸出”が更に活発に!?

世界に浸透した“OTAKU”と更なる密な関係を構築するのが狙い

 例えば、BABYMETALなどはフランス、ドイツ、イギリス、アメリカのワールドツアーを開催し、レディー・ガガのツアーのオープニングアクトも務めた。でんぱ組.incもインドネシア、シンガポール、アメリカ、フランス、インドなどでライブを開催し、一定の集客を達成。そして、Cheeky Paradeも10月にニューヨークで単独公演に挑むなど、様々なアイドルグループが本格的な海外進出を目論んでいる。

 また、そのような動きとリンクする形で『国内最大のアイドルによる国際音楽見本市』と謳ったイベント『@JAM EXPO 2014』が、先ごろ神奈川・横浜アリーナで開催。100組のアイドルが参加し、業界関係者向けのセミナーも開かれ、でんぱ組.incプロデューサーの“もふくちゃん”こと福嶋麻衣子氏が、「秋葉原発、世界へ」と題する講演を行った。

 2008年に結成、2011年にメジャーデビューしたでんぱ組.incは、もともと福嶋氏が秋葉原に開いたライブ&バー「ディアステージ」を拠点に活動していたが、人気が急速に広がり、今年5月には初の日本武道館公演で1万人を集めた。福嶋氏によれば、デビュー当初から「海外向けのアイドルユニットにしようと、日本的なものを意識して取り入れてきた」とのこと。“SAMURAI,FUJIYAMA,CUPNOODLE”の「日清カップヌードル 現代のサムライ篇」CMソングになった最新シングル「ちゅるりちゅるりら」(7月30日発売)は象徴的。戦国時代をテーマに、アレンジでも和楽器をフィーチャーした。

 日本のアイドル文化の核は秋葉原に凝縮されている。そのアキバカルチャーを世界に発信したいと、以前より考えていた福嶋氏。「秋葉原は世界一のヘンタイな街。おかしなこともここでなら許されて、趣味に没頭する人たちをバカにしない。唯一無二の文化があります」。オタクにはネガティブなイメージがあったが、近年はポップカルチャーと結びついて裾野が広がっている。同時に、海外でも“OTAKUフェス”が活況を示すように、シンガポールの『AFA(Anime Festival Asia)』は8万人、でんぱ組.incも出演したフランスの『JAPAN EXPO』は23万人を動員。台湾の『漫画博覧会』には60万人と、日本のコミックマーケット(55万人)も上回った。「子どもの頃から(海外のテレビで流れる)日本のアニメを観て育って、自然にオタクになった人が多いようですが、ここ数年でアイドルの“輸出”が増えました。アニメ、ゲームと3本柱になっています」と福嶋さんは言う。ネット戦略が功を奏し、でんぱ組.incも動画サイトを観てファンになったケースがほとんどとか。

JKT48やBELLRING少女ハートら、異国混合ユニットに注目

 「今後海外で活躍する可能性のあるアイドルは?」と福嶋さんに尋ねると、名前が挙がったのが、『@JAM EXPO』のステージにも立った“BELLRING少女ハート”。全員黒ずくめの衣装でサイケなロックチューンを歌って会場を沸かせたが、もともと台湾人のTIRAをセンターに据えていて(現在はビザの関係で帰国中)、昨年10月には初の台湾公演を実施し、TIRAも合流してライブを行った。「海外との文化交流が入ったユニットが出てくると、いいんじゃないかと思います。文化はホームが大事。でんぱ組.incも秋葉原がホームだから広げやすかった。海外で活動するなら日本のアイドルメソッドは引き継ぎながら、メンバーは現地の子を集めたいです」(福嶋さん)

 『@JAM EXPO』にジャカルタから駆けつけて出演したJKT48が、まさにこのスタイル。AKB48の海外の姉妹グループとして誕生したJKTは、オーディションでメンバーを集め、劇場公演を基盤にし、今年3月には日本と同様の「選抜総選挙」も実施。ファンの応援スタイルも日本と変わらず、インドネシアのアイドル・リテラシーを高めている。きれいな顔立ちとスタイルで、日本人にとっては程よくエキゾチックに感じるメンバーも多く、今後“逆輸入”されて人気を呼ぶ可能性もある。

K-POPに習う!? 海外進出で重要なのは、“コンセプト”と“語学習得”

 関係者向けセミナーでは、日本のガールズカルチャーを世界に発信するWEBサイト「Tokyo Girls Update」を運営する(株)オールブルーの助野太祐社長も講演を行った。助野さんは「コンセプトによってどこかの国に受け入れられるという意味では、すべてのアイドルに海外進出のチャンスはあると思います」と言う。ただ、大きなタイアップを付けて大量プロモーションすれば売れるというわけではないのは、近年の日本市場と同じ。しっかりコンセプトを設計したうえで、メンバーが語学を習得することも重要――というのが、助野さんの見解。そして、「3年間は現地で活動を続けてほしい、と地元の関係者に言われる」とのこと。そういう意味では、K-POPアーティストの日本国内の一定の成功も参考にするべき点はある。

 また、アメリカでは歌唱力が重視され、ウクライナではスポーツ選手がアイドル視されるなど、各国で求められる偶像観も異なる。「清純なイメージと可愛い衣装という日本のアイドルらしさに加えて、国ごとの独自性を取り入れるのが重要では」と助野さんは展望している。

 飽和状態の日本のアイドル市場で少ないパイを奪い合うより、海外に展開していくことがビジネス的にも求められつつある――もちろんそれは、イベント出演やライブ開催に止まらない形で。今後は日本とは異なる価値観に乗り、意外なアイドルグループが海外で火がつくこともあるかもしれない。
(文:斉藤貴志)

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