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Salley『1stアルバム完成! デビュー1年を振り返って今、思うこととは?』

透明感のあるアイリッシュ感と哀愁を帯びたロックサウンド、無垢で奥深い歌詞と歌声。その奥に混沌としたエモーショナルな感情が渦巻いている――。そんな独特の“Salleyワールド“全開の1stアルバムが完成した。デビューしてからの1年間も、さまざまな想いを巡らせ悩んだ“混沌の期間”だったと言ううららと上口浩平。これまでの2人が見てきた風景、そして辿り着いた今の場所から見えた景色が『フューシャ』を聴けば見えるに違いない。

最初は頑張り過ぎてたけど、力を抜いてSalleyらしさを出せばいいんだなって(うらら)

――5月でデビュー1周年になりますが、この1年を振り返った感想は?
うららいろいろあったので思い返すと長かった気がしますね。初めての経験もたくさんあって、なかでも初めてテレビに出た時の自分のパニくり方はすごかった(笑)
上口浩平僕も初のテレビ出演は緊張しました。お客さんが入る生番組だったんだけど、自分が何を言ってるのか全然わからなくて、ひとりでスベりまくってたっていう(笑)
うらら今あの時の映像が残っているなら、すぐさま消していただきたい(笑)。でもそういう壁をひとつずつ乗り越えようと、すごく努力してた1年だったと思います。特に最初の頃は“Salley”にはたくさんの大人が関わっているんだから、私がちゃんとしなきゃいけないっていうプレッシャーがすごくて。自分でもよくそこまでやったなっていうぐらい頑張り過ぎていたんですよ。でも去年の年末ぐらいから、力を抜いて自分たちの中から出てくるものを提示していけばいいんだなって、一周してやっと吹っ切れましたね。
上口僕らは歴史のあるユニットじゃないから、何がSalleyらしいのかがわからず、手探りのスタートだったんですよね。僕自身もヒットを作った人間じゃないっていうだけの理由で、自分のセンスに自信が持てなくて。でもやっぱり、自分のこだわりとかカッコいいと思うものはちゃんと作品に反映させるべきだなと。試行錯誤してそういう原点に返れましたね。

――アルバムが2人で最初に作った曲「その先の景色を」からスタートしているのも、原点に返ったというSalleyを象徴している気がします。
うらら「その先の景色を」を1曲目にして、最後は「My little girl」という曲で終わるっていうのは最初から決めていたんです。何もわからずとにかく前に進みたいと思っていた「その先〜」の主人公が、いろいろな経験を経てやっぱり前に進まなきゃいけないと決心する――それが「My little〜」でこの曲をラストにすることで、これからのSalleyを想像してもらえる流れを作りたかったんですよ。
上口でもそれ以外は基本的にアルバムのテーマとかコンセプトを考えずに、ただ良い曲を作って入れていったっていう感じです。結成してアルバムレコーディングするまで、コンスタントに制作をしていたので何かに追われる感じでもなく、無意識の中でメロディーやアレンジが生まれたというか。僕はそれがすごく音楽的だなと思っていて、強引に引き出しを開けるんじゃなく、自分の鳥肌が立つタイミングを突きながら曲を作っている。だから、今はもう思い浮かばないだろうなっていう曲が多いんだけど、そういうものを寄せ集めて1stアルバムにできたのは嬉しかったし、これからもそういう作り方をしたいなと。

ディレクターが「赤い靴」を褒めてくれたのが嬉しくて、自分に自信がついた(上口)

――では、あえてテーマを挙げるなら、結成からこれまでのレアなSalleyが詰まった1枚ということ?
上口そうですね。そう考えてアルバムを聴くと、デビュー曲の「赤い靴」は自分たちにとって大きな曲だったなと改めて思います。この曲ができた時にディレクターがめちゃめちゃ褒めてくれたのが嬉しくて、それをきっかけに自分の感覚を信じていいんだって思えたりもしたので。
うらら私も「赤い靴」はやっぱり良い曲だなって見直しました(笑)。しかもアルバムでは静かな優しい曲で包み込むような雰囲気になったあと「赤い靴」がくるっていう並びなので、急にグサッと刺されるみたいなニクい曲順になっていて。いい意味ですごく鋭利な曲だなと思いましたね。

――確かに、静かな優しい曲――アルバムタイトル曲「fuchsia」から「赤い靴」の流れは、純粋さと毒っけを併せ持つSalleyの二面性が際立っています。
上口「fuchsia」は静かにつまびいて歌っているだけで成立しちゃう世界観っていうか。そういう素朴なテンションにすることで重厚感を出したくて作った曲なんですよ。
うららだから歌詞もかなり少ない言葉数で、人の心にぽつんと落とすようなイメージで書いています。「頑張って」でも「頑張らなくていいよ」でもなく、ただ「頑張ってるんだね」って言ってくれる。そんなそっと寄り添うような歌にしたかったんですよね。

――この曲に限らず、うららさんの書く詞は基本的に言葉数が少ないですよね。行間を読ませる最小限のフレーズで、何層にも重なった感情の奥行きを聴き手に想像させるというか。
うらら私、直接的に説明するのがあまり好きじゃないんです。“この人、こう言っているけど、本音はこうだな”とわかっても、あえてそこに気付いていない本人目線で書いて、その人の裏に隠されている感情を浮き彫りにしたいというか。あと私自身、自分の中に天使と悪魔の両方がいたりするので、その2つの人格が出たり入ったりするのかもしれない(笑)

――そういう混沌としたエモな世界観こそ、Salleyワールドの真骨頂。4月から初の全国ツアーもスタートしますが、ステージではそれをどんな風に表現したいですか?
うららバンド編成やアコースティックを混ぜながら、CDとはまた違うドラマチックな展開にしたいですね。で、あとはガチガチに決め込まないことも大事かなと。2人とも原稿があるとミスるタイプなので。
上口僕、音読が苦手なんですよ。昨日もラジオのコメントで原稿を読むだけなのにめちゃくちゃ緊張して、“オレ、29歳にもなって何でこんな震えながらしゃべってるんだろう”って。
うららそれまで普通にしゃべってたのにブースに入った瞬間、ヘビに睨まれたカエルみたいになってた(笑)。多分、枠を作られるとダメなんでしょうね。なのでライブも技術的な面では頑張るけど、精神的には自由にリラックしてやれたらいいなと思っています。
(文:若松正子)

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