約束の時間だけが
過ぎてくカフェテラス
白い扉が開くたびに
思わず来る人をのぞく
冷めた紅茶のカップには
新しい口紅
最後の待ち合わせだから
この色をえらんだの
ときめく胸をおさえて
この店にとびこんだあの頃
過ぎた日々だけが今も鮮やかに
パノラマとなってよみがえる
音も無くしのび寄る別れ
そう 気づいていたわ

ガス燈の薄明りが
またひとつ消えた
朝まで語り明かしても
もう優しくなれないふたり
とぎれた会話を埋める
いつわりの微笑(ほほえみ)
冷たい心で愛を
引きずるのはよしましょ
まぶしい季節の中を
無邪気にかけまわっていたの
過ぎた日々だけが今も鮮やかに
パノラマとなってよみがえる
心のカレンダーをめくれば
いつまでも出逢った日