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【編集長の目っ!】泣きたい人必聴、Tiara『Tears』

■抜群の質感の歌声から伝わるストレートな気持ち

 “配信世代のヒット曲”とはどんな曲なんだろう?イントロにインパクトがあって、メロディが親しみやすく、そして等身大の歌詞のラブソング……というのが大きな要素だろうか。さらに、やはり“泣ける”というところが欠かせないポイントだと思う。感動して泣ける曲、哀しくて泣ける曲、特に誰もが体験したことがある恋愛のシーンを描いた、等身大の歌詞に泣けるという人が多いようだ。

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 最新のサウンドに、せつないシーン、胸のうちを描いた言葉をよりせつなくする、ストリングスを効果的に使ったアレンジが多い。とにかく、言葉に寄り添うようにというか、言葉を瞬時に風景に変えるアレンジが施され、泣ける曲になっている。

 やはり言葉。言葉が大切だ。それもドラマのような世界を描くのではなく、誰もが感じる、体験したことがあるあのときの気持ち――を、ストレートに表現している歌詞。そしてそれをストレートに聴き手に伝えることができる、歌のうまさ、声質。これが三位一体となって、“配信世代のヒット曲”になる――と、こうして書きながら、改めて確認をしてみた。

 というのは、Tiaraのアルバム『Tears』を聴いて、感じるところがあったから。彼女は2009年9月に「さよならをキミに...feat.Spontania」でメジャーデビュー。これが配信ヒットし注目された。でも個人的に「おっ!」と思ったのは、続いて11月にリリースした配信限定シングル、「誰よりも好きなのに」を聴いた瞬間だった。古内東子の名曲、すごく難しい曲を、その世界観を失うことなく、Tiaraの色をきちんとアピールできていて、素晴らしいなと思った。その後もシングル、アルバムをコンスタントにリリースして、1stアルバム『Message for you』(2010/5/12)は10位に初登場した。彼女の世界観が徐々に広がりを見せているなか、2/16に2ndアルバム『Tears』をリリースする。

 『Tears』というタイトルは、彼女がこれまで作ってきた作品を振り返った時に、「涙」という言葉が多く使われていることに気付き、自分にとって「涙」が大切なもの、キーワードになっているということで付けた。
 ほとんどの曲の作詞を自分で手がけ、等身大の言葉、等身大の飾らない世界を描いている。様々なミュージシャンやクリエイターたちが参加していて、彼女が描く涙の世界観が、いろいろな形で描かれている。
 彼女はこのアルバムについて「私が流した涙は皆も同じ。皆が流した涙は私も同じ。聴いてくださった方の心がふわっと浄化されるような、そんなアルバムになっていたらとても嬉しいです」と言っている。

 その曲を聴いて思いがけず涙してしまった、という曲に出会えれば幸せだし、“泣きたい気分”の時に、その曲を聴いたら絶対泣けるという、必殺の曲があるのも幸せだと思う。そして、泣ける曲というのは、絶対に忘れない。どんなに年を取っても、いつまでも心のなかにある。嬉しい時に聴いた曲よりも、哀しい時に聴いた曲のほうが、断然覚えていると思う。泣ける曲=自分にとっていい曲ということになる。

 『Tears』にはそんな、泣ける曲たちが詰まっている。かくいう僕は、決して配信世代とは言えない年だけど、それでも伝わってくるものがある。抜群の質感の歌声は、誰からも愛されそうだが、特に女性からの支持が高いようだ。決して押し付けがましくなく、強烈なメッセージという感じではないが、“共感”できるというのが、彼女の最大の武器であり、女性からの支持を集めている理由だ。

 Tiaraの声に涙してみて下さい。

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  • 『Tears』2月16日発売 
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