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【編集長の目っ!】いきものがかりばかりがなぜウケる?その秘密が詰まった、いきものがかり初のベストアルバム

■これがいきものがかりですっ!

 2006年のデビュー以来、快進撃を続けているいきものがかり。今年は全47都府県ツアーを成功させ、間もなくアリーナツアーがスタートする。そのアリーナツアーに引っ提げていくのが、11/3にリリースされる初のベスト盤『いきものばかり〜メンバーズBESTセレクション〜』だ。いきものがかりはこれまでに4枚のオリジナルアルバムをリリースしている。『桜咲く街物語』(07・3/7;約26.1万枚・最高位4位)、『ライフアルバム』(08・2/13;約25.3万枚・最高位2位)、『My song Your song』(08・12/24;約46.6万枚・最高位1位)、『ハジマリノウタ』(09・12/23;約56万枚・最高位1位)と、どれもヒットさせ全て20万枚を超え、前作は約56万枚と、着実に、そして太い成長カーブを描いている。もちろん、これまでリリースした19作全てに、タイアップが付いているシングルのヒットがあったからこそだとは思うが。そんな彼らの初めてのベスト盤ということで、自然と大きな注目が集まる。

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 それにしてもなぜいきものがかりばかりが、こうもウケているのだろうか?それは水野良樹と山下穂尊という、大衆歌=ポップスをきちんと書くことができるソングライターと、そのコトバとメロディと世界観を、素直にまっすぐに聴き手に届けることができるシンガー・吉岡聖恵という最強の組合せだから。ポップスというのは、決して洗練されすぎたり、カッコよすぎたりしないものだ。そうじゃないと子供から大人まで幅広い層から愛されない。その“塩梅”がいきものがかりの歌は最高にイイ。そして、3人の佇まい。いい意味でオシャレすぎず、カッコよすぎず、これまたその“塩梅”がいい。歌の雰囲気と歌い手の雰囲気とががっちりリンクしていて、その世界観が1ミリもブレることなく聴き手に伝わるから“安心感”を与える。

 自分達に興味がない人たちの足を止め、聞かせる――ストリートで歌っていた彼らがずっとやり続けてきたことだ。ストリートで道行く人の心を掴むには、やはり一瞬で聴き手の耳と心を捉えるメロディと言葉、そして“届ける”力を持った声が必要だ。誰もが知ってる曲をカバーするのではなく、オリジナルを歌うならなおさらだ。いきものがかりにはその力がある。ストリートからメジャーシーンに場所を移してもやること、気持ちは変わらないはずだ。相変わらず“勝負”している。だから彼らの曲はこんなにも支持されているのだ。

 彼らにインタビューするとよく出てくるのが「僕らがどんな曲を作っても、聖恵が歌えば“いきもがかりの歌”になる」という言葉。吉岡の、元気だけどどこか郷愁を感じさせてくれる声。気持ちよさと安心感を感じさせてくれるまっすぐな声。決して高度なテクニックを駆使して…というタイプではない。奇をてらうことなく、聴き手の心に真っ直ぐ届けようとするその真摯な“想い”が、水野と山下が書く琴線に触れるメロディとともに伝わってくる。最新シングル「キミがいる」では吉岡が詞・曲ともに手がけているが、当たり前だけどやっぱりきっちり“いきものがかりの歌”だ。

 今回のベスト盤『いきものばかり〜メンバーズBESTセレクション〜』は、ただのシングル集ではなく、メンバーのこだわりが詰まった“いい歌集”だ。新曲、初CD化曲、ライブでの定番曲、ファンからの支持が高いアルバム曲やカップリング曲を収録した、選曲にも曲順にもこだわった全31曲。ぜひ1曲目から順番に聴いて欲しい。様々な角度からいきものがかりというグループを映しだして、ある意味“丸裸”にしている。いきものがかりの素顔見せます、そんな雰囲気が漂う。だからずっと彼らのファンという人にも、ここで初めて彼らの世界に触れるという人にも、どちらにとっても“新鮮”なはずだ。

◆アルバム『いきものばかり』インタビュー
『普遍性や幅広い世界観をたっぷり堪能できる超保存盤!』(10/11/02)

⇒ 『編集長の目っ!!』過去記事一覧ページ 

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  •  
  • 初回盤『いきものばかり〜メンバーズBESTセレクション〜』 
  • 通常盤『いきものばかり〜メンバーズBESTセレクション〜』 

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