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【編集長の目っ!】aikoのニューシングルは、ミニアルバム級の満足感

■シングルなのにミニアルバムのような満足感に浸れる新作「向かいあわせ」

 ちょっと働きすぎじゃないかと思うぐらい、ここのところのaikoの動きは凄まじい。2月まで全国ホールツアーをやり、2/3に今年一発目のシングル「戻れない明日」をリリース(1位)。そして、3/31に2年ぶりのニューアルバム『BABY』をリリースして、見事1位をゲット。それを引っ提げてのアリーナツアーが、4/24の横浜アリーナを皮切りにスタートする。でもその前に27枚目のニューシングル「向かいあわせ」を4/21にリリースと、その動きはまさに怒涛。当然リリースの合間には数え切れぐらいの取材をこなし、さらにPV撮影、ライブのリハーサルと、本当に体は大丈夫??とこちらが心配になるぐらいだ。

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 「向かいあわせ」はご存知の通り、井上真央主演の話題の映画『ダーリンは外国人』の主題歌になっていて、映画を観た人はもちろん、まだという人もCM他ですでに耳にしている人が多いと思う。

 何気ない日常こそが、実は2人にとっては幸せで、せつなすぎる毎日で、そんな時間が流れる中で、ふとした瞬間になんだか涙が出てくる……そんなシーンを切り取り「あぁ やだ……涙が出る」という印象的な言葉で表現している。aikoならではの心象描写と、ポップでせつないメロディ、そしてそれをきっちり伝えてくれる、抜群の肌触りの島田昌典のアレンジが三位一体となって、胸に押し寄せてきて、そして広がっていく。

 しかし「向かいあわせ」はこれだけでは終わらない。実はカップリングが聴き応えがあって、3曲入りなのにミニアルバムのような満足感がある。特に、M3の「甘い絨毯」。カップリングにして約7分の壮大なバラードだ。aikoの歌が、これまで以上に情感タップリで、その世界に引き込まれる。その歌をさらにせつなくする島田氏のアレンジがここでも冴えている。

 M2「カケラを残す」の詞は、ぜひ歌詞カードを見ながらじっくり聴いて欲しい。わずか20数行なのに、まるで短編小説のような説得力。そのひと言ひと言に感じることができる“体温”が心地イイ。決して特別なことではない、誰もが想い抱く、好きな相手に対して心から素直に想うこと、想えることが書かれている。好きな人は特別だし、だからその人への想いは特別なこと、という考え方もできるかもしれないけど、この作品の詞は、“体温”を感じるまっすぐで素直な言葉だからこそ、聴いた人がそれぞれの想いをさらにこの作品に投影できるし、そんな作品こそが、心に残るものになるのではないだろうか。

 2月にツアーが終わったばかりといっても、怒涛のリリースラッシュ。だからこそ余計に今回のツアーの内容が濃いものになるのだろうし、それを受けてファンの「早くライブで聴きたい」という想いも募っているだろうし、なんだかすごいライブになりそうな予感……。

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  • 4月21日にリリースしたシングル「向かいあわせ」 
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