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【編集長の目っ!】ポルノグラフィティの決意表明

■全曲初めて2人だけで書き上げ、次代へ“挑戦”。

 最近、会議の席で「まず仮説を立てて、検証、そして進化させなければ物事は進まない」という言葉がよく出る。何か新しいことにチャレンジするときは、まず“否定=負けること”から入らず、成功への仮説を立て、あらゆる角度から検証し、さらにその仮説を進化させ、そこで初めてやるかやらないかを判断する―――新しい領域へ踏み出すための常套手段だ。

ポルノグラフィティ(岡野昭仁、新藤晴一) 

ポルノグラフィティ(岡野昭仁、新藤晴一) 

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 ポルノグラフィティは、昨年デビュー10周年を迎え、11月の東京ドーム初公演でアニバーサリー的な空気に区切りをつけ、次への一歩を踏み出したわけだが、その最初の一歩が、3月24日にリリースする2年7ヶ月ぶりのオリジナルアルバム『∠TRIGGER』だ。

 これまでのポルノグラフィティの作品は、2人とak.homma(本間昭光)の3人の才能と感性で生み出されてきたわけだが、今回は初めて2人で全ての作品を手がけている。これに関して岡野は「どういう評価をされるのかわからないけど、思い切って挑戦してみようと。賛否両論あっても、それを自分達の肌で受けてみたいと思った」と語っている。全部を自分達でやるからには、責任も全て自分達で負うという決意表明だ。

 そういうスタンスになった場合、まず考えるのは「自分達には何ができるんだろう」と、改めて自分を見つめ直すことだろう。今回の作品にはそんな熱を感じさせてくれる言葉が散りばめられている。そしてどの作品も“濃い”。2人の“ポルノグラフィティ”に対する想いや気持ちが、色濃く出ているように感じる。当然、岡野昭仁、新藤晴一というこの2つの“個性”から生み出されるものが“ポルノグラフィティ”なわけだが、今回は“それぞれのポルノグラフィティ像”というものが主張されている気がする。

 それが自分らしさの追及になっているということだが、だからといって、決して2つの“ポルノグラフィティ”が存在するわけではなく、やはりポルノの音だし、ポルノの歌だし、どこをどう切っても、唯一無二の“ポルノグラフィティ”だ。今まで飽くなき挑戦を続けてきたポルノグラフィティの姿が浮かび上がってくる。

 ソロでもグループでも、10年間第一線で活躍し続けることがいかに難しいかは、実際に活躍しているアーティストの数を見れば一目瞭然。ほんのひと握りだ。それは本人とスタッフが1番わかっている。マーケットの変化や、ユーザーの趣味志向の変化は、毎日といっていいほど劇的に変わっていく。そんな中にあっても、揺るがないモノを提供し続けなければ、10年、20年支持されることは不可能だ。

 ポルノグラフィティだって、ここまで決して順風満帆だったわけではない。山あり谷あり、我々が知らない部分でも色々なことがあったに違いないし、それでもファンの心を掴む作品を出し続け、いいライブを続けることでここまでやってきた。いつの時代もチャレンジを続け、それをものにし、今のポジションを築いた。

 まさに10年という節目。11年目という新しいスタート。ここで彼らは攻めに出た。まずは、2人のエネルギーがこれでもかというほど詰まっているオリジナルアルバム『∠TRIGGER』で、その攻めの姿勢を“検証”し、そして更に5月からスタートするこのアルバムを引っさげての、ポルノ史上最多公演数の全国ホールツアーで“進化”させる―――そしてその先にあるものは……。

 その先にあるものを目指して、ポルノグラフィティのチャレンジは続く。


 ポルノグラフィティ

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関連写真

  • ポルノグラフィティ(岡野昭仁、新藤晴一) 
  • オリジナルアルバム『∠TRIGGER』(3/24発売) 

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