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【編集長の目っ!】西川貴教の想いが、準備期間わずか1年で滋賀初の大型フェスの成功をもたらした
■行政を動かし、アーティストのブッキングまで、西川の強い想いがあらゆることを動かした
なにをするにも1回目とか最初は大変、いや超大変である。1人のアーティストが、地元への恩返しのために、大型ロックフェスを企画し、動き始めたのは昨年である。それはT.M.Revolutionの西川貴教が『滋賀ふるさと観光大使』に就任し、「音楽で地元に恩返しがしたい」と、行政のヘッドである嘉田滋賀県知事に協力要請したことから始まった。
県知事の全面的なバックアップがあったにしても、わずか1年足らずの準備期間で、琵琶湖の畔に2日間で3万人もの人を動員するイベントを実現させるは、至難の業である。もちろん滋賀県と県民の全面的協力、スタッフ、数え切れない人達の協力があってこそのイベントだが、なにより西川の行動力と、交友関係の広さが大きな力になったことは間違いないだろう。
9月19日、20日、イベントの開催を祝福するかのような澄み切った青空の下、滋賀県で初めての大型野外ロックフェス『イナズマロック フェス 2009』が琵琶湖烏丸半島の芝生広場で行なわれた。会場周辺には滋賀県の物産ブースが並び、滋賀の名産品をアピールしていた。会場は琵琶湖のまさに湖畔で、雄大な湖面と山々が一望できる最高のロケーションだ。
最高のロケーションゆえに交通手段の不便さ、宿泊施設の絶対数などが大きな問題になってくるが、参加した誰もが「来てよかった」と思える最高の環境だった。昼間はキラキラと輝く湖面が眩しく、夕方は見事なサンセットが湖面と山を照らし、心地イイ風が吹いてきて、夕闇が下りてくると星空が広がり、自然に包まれていることを実感しながら聴く音楽は、また格別だ。ステージから見える風景にアーティスト達も感動を口にしていた。なかなかこんなロケーションでフェスは開けないと思う。ポルノグラフィティのライブで一度訪れたことがある、兵庫県・淡路島の明石海峡公園も素晴らしいロケーションだった。
今その琵琶湖の環境汚染が大きな問題になっているが、生態系が変わりつつあることに危機を感じている西川は「もとの琵琶湖を取り戻したい」と、同イベントの収益の一部を、琵琶湖保全の活動基金（マザーレイク滋賀応援基金）に寄付をする。
開演前に西川と話をする時間があったが、「本っ当に大変だった…」と苦労を滲ませていた。だが、それ以上に開催できたことの喜びが大きかったことが伝わってきた。
若い頃は地元がイヤで飛び出した西川。ライブのMCでは「大嫌いだった街で、大好きなおまえらと、今、この時がある」と語り、滋賀とは「こんな小さな日本の中でも、琵琶湖を指差せば、自分はここの出身だ」とすぐに示せる「しるし」のようなものだと万感の想いで語っていた。
自分が生まれ、育ててくれた故郷に再び誇りを持ち、その想いを音楽を通して“イベントという形で恩返し”をするという心意気が素晴らしい。お金を寄付して終わり、ではなく、自分の故郷の素晴らしさを日本全国から駆けつけたファンに感じてもらい、それぞれの故郷のことを考えて欲しいということだろう。
初日は滋賀県知事が、2日目は大津市長が開会宣言をするなど、みんなで1つになって作り上げたフェスなんだという想いが伝わってきた。滋賀出身のUVERworldはまさに凱旋公演だし、西川の交友関係から様々なアーティストが参加し、ステージの転換の際には滋賀出身の世界のナベアツをはじめ、吉本興業のお笑い芸人が盛り上げるなど、どこかアットホームな雰囲気で、いい空気が流れていた。2日目には明石家さんまも登場。「来年はバンドで参加をする」と客席を喜ばせていた。
西川は「今の段階でいい加減なことは言えないけど、必ずやるよ、ここで！」と言い残してステージを去った。ハッキリと来年も、ということが明言できないところに、開催までの大変さを改めて感じさせられた。でもこんなに素晴らしいイベントを、1回で終わらせるのはもったいない。
なんとかまた来年も、行く夏を惜しみながら、夏フェスを締めくくるこのイベントを観たいと心から思った。
T．M．Revolution｜UVERworld｜ポルノグラフィティ
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なにをするにも1回目とか最初は大変、いや超大変である。1人のアーティストが、地元への恩返しのために、大型ロックフェスを企画し、動き始めたのは昨年である。それはT.M.Revolutionの西川貴教が『滋賀ふるさと観光大使』に就任し、「音楽で地元に恩返しがしたい」と、行政のヘッドである嘉田滋賀県知事に協力要請したことから始まった。
県知事の全面的なバックアップがあったにしても、わずか1年足らずの準備期間で、琵琶湖の畔に2日間で3万人もの人を動員するイベントを実現させるは、至難の業である。もちろん滋賀県と県民の全面的協力、スタッフ、数え切れない人達の協力があってこそのイベントだが、なにより西川の行動力と、交友関係の広さが大きな力になったことは間違いないだろう。
9月19日、20日、イベントの開催を祝福するかのような澄み切った青空の下、滋賀県で初めての大型野外ロックフェス『イナズマロック フェス 2009』が琵琶湖烏丸半島の芝生広場で行なわれた。会場周辺には滋賀県の物産ブースが並び、滋賀の名産品をアピールしていた。会場は琵琶湖のまさに湖畔で、雄大な湖面と山々が一望できる最高のロケーションだ。
最高のロケーションゆえに交通手段の不便さ、宿泊施設の絶対数などが大きな問題になってくるが、参加した誰もが「来てよかった」と思える最高の環境だった。昼間はキラキラと輝く湖面が眩しく、夕方は見事なサンセットが湖面と山を照らし、心地イイ風が吹いてきて、夕闇が下りてくると星空が広がり、自然に包まれていることを実感しながら聴く音楽は、また格別だ。ステージから見える風景にアーティスト達も感動を口にしていた。なかなかこんなロケーションでフェスは開けないと思う。ポルノグラフィティのライブで一度訪れたことがある、兵庫県・淡路島の明石海峡公園も素晴らしいロケーションだった。
今その琵琶湖の環境汚染が大きな問題になっているが、生態系が変わりつつあることに危機を感じている西川は「もとの琵琶湖を取り戻したい」と、同イベントの収益の一部を、琵琶湖保全の活動基金（マザーレイク滋賀応援基金）に寄付をする。
開演前に西川と話をする時間があったが、「本っ当に大変だった…」と苦労を滲ませていた。だが、それ以上に開催できたことの喜びが大きかったことが伝わってきた。
若い頃は地元がイヤで飛び出した西川。ライブのMCでは「大嫌いだった街で、大好きなおまえらと、今、この時がある」と語り、滋賀とは「こんな小さな日本の中でも、琵琶湖を指差せば、自分はここの出身だ」とすぐに示せる「しるし」のようなものだと万感の想いで語っていた。
自分が生まれ、育ててくれた故郷に再び誇りを持ち、その想いを音楽を通して“イベントという形で恩返し”をするという心意気が素晴らしい。お金を寄付して終わり、ではなく、自分の故郷の素晴らしさを日本全国から駆けつけたファンに感じてもらい、それぞれの故郷のことを考えて欲しいということだろう。
初日は滋賀県知事が、2日目は大津市長が開会宣言をするなど、みんなで1つになって作り上げたフェスなんだという想いが伝わってきた。滋賀出身のUVERworldはまさに凱旋公演だし、西川の交友関係から様々なアーティストが参加し、ステージの転換の際には滋賀出身の世界のナベアツをはじめ、吉本興業のお笑い芸人が盛り上げるなど、どこかアットホームな雰囲気で、いい空気が流れていた。2日目には明石家さんまも登場。「来年はバンドで参加をする」と客席を喜ばせていた。
西川は「今の段階でいい加減なことは言えないけど、必ずやるよ、ここで！」と言い残してステージを去った。ハッキリと来年も、ということが明言できないところに、開催までの大変さを改めて感じさせられた。でもこんなに素晴らしいイベントを、1回で終わらせるのはもったいない。
なんとかまた来年も、行く夏を惜しみながら、夏フェスを締めくくるこのイベントを観たいと心から思った。
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2009/10/05
