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レコード産業が取り組むアジア中心の海外展開〜配信に関する海外での契約成立急増

 アニメやコミック、あるいは食やファッションなどの領域を中心に、日本文化が海外で受け入れられつつあることもあり、日本の音楽、アーティストの海外展開の機運も、ここに来て再度高まっている。これも確実に音楽業界全体にとっての一つのミッションとなっているが、日本を含むアジア全域に進出しているK-POP のような、一つの潮流というほどの動きには、いまだ至っていない。

「日本音楽娯楽快線(Japan Music Entertainment)」日本レコード協会が08年6月に開設した日本の音楽に関する海外向けポータルサイトで、英語版、中国語版という2ヶ国語に対応。

「日本音楽娯楽快線(Japan Music Entertainment)」日本レコード協会が08年6月に開設した日本の音楽に関する海外向けポータルサイトで、英語版、中国語版という2ヶ国語に対応。

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 「韓国のように国を挙げてコンテンツの海外進出戦略を打ち出し、実践しているケースを見ても、こういったことには、やはり国の支援が欠かせませんから、協会としても、関係省庁に対する支援の要望は今後も続けていきます」とレコード協会専務理事の田口幸太郎氏は語るが、関連団体である音楽産業・文化振興財団(PROMIC)の主催で、04年から「東京アジア・ミュージックマーケット(TAM)」がスタート。07年からは経済産業省との共催で「Japan国際コンテンツフェスティバル(コ・フェスタ)」の音楽部門の公式イベントとして再スタートし、10年より「東京国際ミュージックマーケット(TIMM)」に改称されて毎年10月に開催されている。

 レコ協では、このTIMM内で行われる商談会を通じて、日本の音楽の海外ライセンス促進をPROMICと連携して実施。近年は特にアジア各国における音楽配信に関する契約数が飛躍的な伸びを示しており、10年度開催分では1万743曲だった契約楽曲数は、11年には21万3443曲となった。

■海外向けポータルへの訪問者数対策も

 また、08年6月には日本の音楽情報を中国語、英語の2言語で海外へ発信するポータルサイト「日本音楽娯楽快線」(中国名:〜日本明星官方網站〜、英語名:Japan Music Entertainment)も開設。日本発の情報発信に努めており、今年5月には、中国の大手検索エンジン「baidu」のネットワーク専門サイトへの広告出稿を行い、同サイトへの月間訪問者数も、それまでの数万程度から一気に20万強に急増。加えて、会員社個々では限界がある各国の市場やユーザーに関する情報収集や分析なども随時行い、会員社による海外進出を側面から支援していく構えだ。

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  • 「日本音楽娯楽快線(Japan Music Entertainment)」日本レコード協会が08年6月に開設した日本の音楽に関する海外向けポータルサイトで、英語版、中国語版という2ヶ国語に対応。
  • 昨年行われたTIMM 商談会の光景。特にアジア地域に向けての、日本の音楽の配信契約楽曲数が急増している
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