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ピクサーの米国スタッフが語るジョブズ氏の映画作り

 世界が注目し続ける映像製作会社ピクサー・アニメーション・スタジオで、製作を務めるキャサリン・サラフィアン。最新作『メリダとおそろしの森』(公開中)では初の試みとして女性を主人公に据えた。サラフィアンが語る働く女性、そして昨年他界した同社の創設者の一人であるスティーブ・ジョブズ氏の映画作りとは。

映画『メリダとおそろしの森』の製作を務めるキャサリン・サラフィアンが故・スティーブ・ジョブズ氏との映画作りを明かした。(C)ORICON DD.inc

映画『メリダとおそろしの森』の製作を務めるキャサリン・サラフィアンが故・スティーブ・ジョブズ氏との映画作りを明かした。(C)ORICON DD.inc

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―― 今回初めて女性を主人公に据えた狙い

 この作品の発案者である女性監督のブレンダ・チャップマンに6歳の娘がいたことが始まりでした。毎日毎日言うことをきかない娘とケンカをしながら“この子がティーンエイジャーになったら、どうなるのかしら?”と。女性の主人公は初めてですが、ピクサーとしては今回だけでなく、常に違う作品を作り続けることを心掛けているんです。

―― 反抗期という言葉では括れない、主人公メリダの芯の強さ

 思春期のメリダはとにかく母親の言うことにすべて反発し、女の子らしいことを遠ざけているように見えます。でも、本当は“お転婆”というより自分のやり方を貫きたいだけなんです。ドレスを着るのも大好きだし、将来自分が王女になる宿命も、ちゃんと受け入れているんですよ。

 ただ、そこには自分のやり方がある。その姿は、働く女性も共感できると思うんです。私自身も映画界で働く女性の一人として、“女らしさを捨てて男性のように働きたい”というわけではなく、自分らしくやりたい。独立心も旺盛だし、そのために自分のやり方、生き方を貫くというのはとても大事だと思っています。

―― 創立当初から変わらない、ピクサーの作品作りのテーマ

 「3〜103歳の人までが楽しめる作品を」という考えですね。子ども向け・大人向けという対象者を区切った映画作りではなく、何よりまず、自分たちが観たいと思う作品を作る。何歳になっても自分の心の中にある“子どもの部分”を満足させたい。自分たちが観たくなる映画を作り続けてさえいれば、きっと観客は喜んでくれると信じています。

―― ピクサーの創設者の一人であるジョブズ氏

 ジョブズ氏はピクサーの創立メンバーの一人として、そして私達にとって大切でかけがえのない人でした。残念ながら今回の作品に関しては完成版を観ることができなかったんですが、途中のバージョンは観ています。彼はとても家族思いの人なので、その観点からも“家族の絆”をテーマにしたこの作品をすごく気に入ってくれていました。

―― ジョブズ氏の映画作りへのこだわり

 ジョブズ氏は、映画作りがスタートする当時から一貫して、作品のテーマ的なことだけではなく『アートとテクノロジーの融合』を提示し続けました。この作品の企画が始まったのは2005年ぐらいで、今回初めて“プレス”という新たなソフトウェアを開発し、取り入れることができました。髪の毛の質感などもさらにリアルに表現することができたので、彼もかなり興奮気味に喜んでくれていたんです。

 特に技術面でのアドバイスはありませんでしたが、彼が言い続けたのは『いいアイデアこそが最高のビジネスプランである』、そして『最高のものを作れ』。その言葉に尽きるんです。今回の作品はどの角度から見ても非常に高いレベルで完成させることができました。きっと彼も誇りに思ってくれると思います。

―― もしもジョブズ氏がこの作品にスコアを付けるなら?

 もちろん100点満点です(笑)。完成版をもしも観ることができたなら、すごく喜んでくれたと思います。そしてピクサーの作品すべてを愛してくれていたので、どの作品にも満点を出してくれたはずです。

>>『大島優子 SPインタビュー』


 映画『メリダとおそろしの森』

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  • AKB48・大島優子が主人公・メリダの声優に挑戦! 映画『メリダとおそろしの森』/(C)DISNEY / PIXAR .All Rights Reserves.

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