お笑いタレントのつぶやきシローが、来年1月22日発売の著書『イカと醤油』（宝島社刊）で小説家デビューすることが23日までにわかった。親子愛を描いた処女作は、構想含めて約2年も費やした力作で、つぶやきは「ゴースト（ライター）を付けずに頑張った。そこは胸張れるところね」と身を乗り出してアピール。代名詞ともいえる「あるあるネタも入れた」“らしさ”満載で「これが映画化とかになったら嬉しいな。監督とか、脚本とか、主役とかも僕がやったりして…。それは違うか。って言ってて、全部やっちゃたりして」と妄想は膨らむばかりだ。

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　「つぶやき」続けて芸能生活16年を迎えたつぶやきが、ついに小説を書き下ろした。頑固で偏屈な親父と従順な息子を描き、現代では忘れかけていた親子愛を軸とした心温まるストーリーに仕上がっている。

　依頼を受けた当初は乗り気ではなかったというつぶやき。「だって、無理なんですよ。僕、小説なんてまともに読んだことないし、雑誌だって漫画もあまり読まない。あんまりお勉強ができない子だったし」「なんで売れてもいない俺に話が来たのかな〜」と自虐めいた発言を並べ、それでも担当編集の「書けますから」という思いに“根負け”してペンを握った。

　執筆作業を経験し「ネタを書く方がしんどい。5秒や10秒に1回笑いを作る方が辛い」と実感したそうで「誰でも、“1冊”は書けると思いました。僕でも書けたんですから」とニンマリ。「2冊目から大変なんでしょう」と、執筆を生業とする小説家に敬意を表した上で「小説は、僕にとって“平地”だったんで、1回目はなんでもできた。元々ハードルが下がっている状態だから、訳わからずとも書けちゃうんだよね〜」と目を細める。

　それでも、ネタ作りとは全く違う作業に戸惑いもあった。「ネタとかって、なるべく無駄な言葉を省く。もちろん、フリの言葉がないとダメなんだけど。でも、本はどんだけ親切に説明するかだと思う」と、慣れない説明文に苛立ちを覚えたこともあったという。

　「最初は、台本みたくなっちゃった」という文章も、担当編集の助言などを借り「素晴らしい文脈は書けないけど、付け足して書いていって、あるあるネタも入れた」ことで完成にこぎつけた。「もうね、生みの苦しみがありました。だから、出来た子は全部かわいい。それはネタでも本でも一緒」と溺愛ぶりを語るが「息子のようって、今は本のことを考えてるから言えるけど、普段は考えてないんだろうね」と調子よくオチも付ける。

　数々の著名人が執筆に挑戦している昨今をふまえ、つぶやきは「爆笑問題の太田（光）さんや水嶋ヒロさんが出した後だし、僕のなんて見向きもされないでしょう」と編集者泣かせな発言。ただ「作品ができたことは嬉しい。俺が本出せるなんて、ありがたい」と感謝の言葉が溢れる。

　「極端なこと言うと、読んだ人数が増えてほしい。1冊しか売れなくても、貸したりして広まって、それで1億2千万人が読んでくれれば。最後の人は、もう本がボロボロだよね。手垢だらけとか…」と、目標何万部という野望よりも、読者の感想が聞きたくてたまらない様子だ。

　印税は「ないと思った方がいい」というスタンスで「今、売れない時代ですから」とあっさり。また、同じく小説家デビューを果たしたばかりの水嶋の『KAGEROU』にライバル心もなく「意識して、悪口いうくらいがマスコミは『よっしゃ』ってなるかもだけど、オレにはそんな勇気はないわ〜」と肩をすぼめていた。

　著書『イカと醤油』は、12月24日（金）より全国の書店およびインターネット書店にて予約受付開始。