人生を振り返り、一番甘酸っぱくて恥ずかしいのが中学時代――この事実に反論する人はいないだろう。身体の成長に心の成長がついていかず、本人は一生懸命だが客観的にみればマヌケな言動をしてしまったり…。しかし、大人になると当時の自分の純粋さを懐かしく思い出したりもする。特に言及されるのは男子中学生で、「かっこいいスキヤキ」のQ.B.B(泉昌之)は、男子中学生のバカさ加減を恐るべき記憶力の細かさでマンガに描いた「中学生日記」で第45回文藝春秋漫画賞を受賞した。 しかし女子中学生だって負けてはいない。雑誌「コーラス」連載中の「ラウンダバウト」(渡辺ペコ 集英社 第1巻発売中)は、女子中学生・野村真の物語。大ファンの漫画家がブログで“机に向かってばかりいるので身体がなまる“と書けば、中学生にとっての精一杯のお金でプロティンを贈ってみたり、女の子だけでAV鑑賞にトライするなど、エキサイティングでマヌケな毎日を送っている。アダルトビデオのようなモチーフはこれまで男子の青春グラフティに登場するもので、女子のそれにはまず見当たらなかった。少女向けコミックの性描写が過激と指摘されて久しいが、女の子がAVに興味を持って、友だち同士で騒ぎながら観るなんて描写は、少女マンガに今までなかった新鮮な試みだろう。 | ラウンダバウト 1(著者:渡辺ペコ/出版社:集英社) |
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2007/11/18