2016年に大ヒットしたアニメーション映画『君の名は。』の新海誠監督最新作『天気の子』（7月19日公開）の製作報告会見が2日、都内で開催された。会見の冒頭で『天気の子』スペシャル予報（5分15秒）が初上映され、舞台裏で見ていた女優の森七菜（17）が感極まって泣いていたことをほかの登壇者たちが明かした。

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　会見には、新海監督（46）、『天気の子』の主人公・森嶋帆高役の醍醐虎汰朗（18）、ヒロイン・天野陽菜役の森七菜、夏美役の本田翼（26）、音楽（主題歌・劇伴）を担当したRADWIMPSの野田洋次郎（33）、桑原彰（34）、武田祐介（34）、川村元気プロデューサー（40）が出席。

　『天気の子』スペシャル予報は、これまでに生み出された新海監督作品（『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』『君の名は。』）の世界と、新たに世に送り出される『天気の子』の世界が融合するように編集されたスペシャルな映像。

　会見中、このスペシャル予報の話題になり、醍醐が「七菜ちゃん、裏で泣いていたよね。涙ぐんで（ステージに）出てきたよね」と明かすと、森は照れながら「新海さんの歴史を感じて。この歴史の後継者なのか、と思うと改めてうれしいな、と思い、こみ上げてくるものがありました」と話した。平気そうにしていた醍醐も実は「泣きたくなかったので、あえて気を紛らせていました」と白状していた。

　そんな2人の会話を横で聴いていた新海監督。醍醐、森、ともに声優経験のない2人をメインキャストに起用した経緯について、「応援したくなる少年少女の声。2000人くらいオーデションをやった中で、初めて聞いた時から『私を見て！』と手を上げているような声だと思った。この2人だったんだ、この2人がこの作品のためにこのタイミングで、ここにいてくれたんだ、と、1ヶ月間という長期のアフレコの中で、日々確信していく実感がありました。本当にいいと思います」と太鼓判を押した。

　試写会なども行わず、公開ギリギリまで「作業をする」と、新海監督。通常では考えられないことだが「『君の名は。』がたくさんの方に観ていただけたらこそ、できること。前作に助けていただいているな、という気はすごくします」。

　完成品はまだ目にしていないものの、ストーリーのすべてを知る醍醐は「感情の起伏が激しくて、泣いたり、笑ったり、悲しがったりする映画。（Vコンテを）見終わった後に、愛について深く考えました。帆高と陽菜の恋愛物語でもあるんですが、僕は家族や友人、身近にいる大切な人をもっと大切にしながら生きていこうと思うことができました。ただたた面白いだけでなく、そういったことも考えられる本当に素敵な作品になっていると思います」。森も「壮大な物語。帆高と陽菜が選択したことを見て、私たちはどうしたらいいんだろうと考えさせてくれる映画。多くの人たちに観てもらいたい」と、アピール。

　新海監督は「観る人によって意見が分かれる映画かな。しいていえば、そこが今回、攻めているところ。東宝の夏映画として、こう終わればみんなが納得するよね、というのとは違うことをやっていると思います。醍醐くんと七菜ちゃんがそれぞれ言ってくれましたけど、『あなたはどう思う？』ということを投げかけるものが強くある作品だと思う。観ていただくしかありませんが」と話していた。