11月22日、都内で狩野英孝こと「50TA」のライブが開催された。昨年12月22日の「クリスマスライブ」以来、11ヶ月ぶりの「復活ライブ」として、公式ホームページなどで観覧募集をかけたところ約4500人の応募があり、当日は当選した約900人が会場に集まった。ORICON NEWSではこのライブの舞台裏に潜入取材を敢行した。

【写真】その他の写真を見る

　開演時間が迫る中、観客に告げられたのは、狩野へのドッキリライブだということと、『金曜★ロンドンハーツ』（テレビ朝日系）で放送予定であること。何かを期待していたファンはいたと思うが、いざ「仕掛け人として出川（哲朗）さんや（ロンドンブーツ1号2号の田村）淳さんが現れても反応しないで、50TAのライブに集中してください」と説明されると、みんな大喜び。大きな歓声が沸き起こった。

　今回の仕掛人は、2001年に芸能人初のブラックメールを仕掛けられて以来、同番組では事あるごとにドッキリを仕掛けられてきた“レジェンド”出川哲朗。9月15日に放送された『金曜★ロンドンハーツ』で、「長年の敵討ちを！」と、田村淳に対してドッキリを仕掛けながら、まさかの返り討ちにあった出川が、リベンジを誓って立ち上がり、「今度は絶対、失敗できない」とターゲットに選んだのが狩野だった。

　今年、身から出たさびで約4ヶ月半も活動を休止していた狩野に対し、「事務所の先輩としてしっかり狩野を落とし穴に落として新たな出発の背中を押したい」と息巻く出川。「仕掛人として下手すぎる」と不安げな淳に、「きょうのライブのために新曲も2つ作らせました」と、用意周到に準備をしてきたことをアピールする。

　ライブがはじまると、会場に張り巡らせたレーザーやスモークなどのステージ演出に「本物のコンサートみたい。すごい！」と、リアルガチにびっくりする出川。本物のライブでなければ、ドッキリの仕掛けがいもないでしょうに…。MCや衣装チェンジを挟みながらも、ライブはどんどん進んでいく。「もう、次にいくの？　休むひまないな」とボヤく出川を、「休める収録なんてねぇから」と淳がピシャリとつっこむ。

　さらに、出川は仕掛人として会場に潜入するため、コーラス隊に変装した姿を見て「これ、ヤバくない？　バレない？　大丈夫？」とオドオド。前回、「ビビり過ぎ」「全然近づいていない」などと散々言われたドッキリに再挑戦し、なんとか気づかれずにやり遂げた出川に、淳が「やり過ぎってところまでやってましたね。高揚感がすごいでしょう。これがドッキリだから！」と醍醐味を伝える場面もあった。

　今回の放送では仕掛け人・出川のドタバタ劇と、まんまとドッキリに掛かかる狩野の様子、さらには50TAのライブとしても楽しめるという、要素が盛りだくさんのスペシャル。ドッキリの顛末は放送を見てもらうとして、改めて感じたのは、ドッキリという企画そのものが、かかわる全ての人を信用しないと成立しないものだということ。50TAのライブをスケジュールどおりに進行させるためのスタッフやダンサーなどの出演者、そして何より約900人の観客のことも信用しなければ、今回のドッキリは成り立たない。誰か一人でも不審な言動をして、狩野が気づいてしまったら台無しになってしまう。

　そういう意味で、ステージ上や客席で出川や淳が何をしていても見て見ぬふりをして、出川の仕掛けるドッキリに協力した観客たちが、すごいと思った。ライブ自体は無料でも、自腹で会場までやってきて、コンサートグッズを買って、3時間くらいのライブという形の収録に付き合って、放送されるまで見聞きしたことはSNSなどを含め、口外しないという約束を守って…。そのドッキリリテラシーの高さに感心する。

　『ロンドンハーツ』も番組開始から18年が経過し、その間、数えきれないほどのドッキリ企画を放送してきた中で、信用できるファンがいるというのは、いまの御時世、大きな強みだ。

　『金曜★ロンドンハーツ3時間SP』は12月15日（後7：00）放送。