4人組ガールズバンドSILENT SIRENが主催する夏恒例のイベント『サイサイフェス2017』が30日、東京・新木場スタジオコーストで開催された。4回目となる同フェスは約6時間半にわたって行われ、バンドやアイドル、シークレットゲストのピコ太郎を含めて全18組が出演。トリを務めたサイサイは新曲「ジャストミート」を初披露し、今年も盛況となった。

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　2014年から毎年夏に開催されている同フェスは、SILENT SIRENと交流があるグループ、メンバーが好きで出演依頼したグループなどが集まったサイサイ発信イベント。今年は新木場スタジオコーストに、メインステージ、ラウンジステージ、テントステージの3ステージを用意した。

　メインステージのトップバッターを務めたのは5人組バンドのフレンズ。ひろせひろせのラップ、おかもとえみの伸びやかなボーカルを軸に、楽しさあふれるサウンドで観客の心をつかむ。続いてアイドルとバンドをクロスオーバーする6人組・バンドじゃないもん！が登場。神聖かまってちゃんのメンバーでもある鈴姫みさこがドラムを叩き、望月みゆがベース、甘夏ゆずがギターとショルダーキーボードを演奏するなか、曲の途中では6人全員がダンスを披露して盛り上げる。

　ここでシークレットゲストのピコ太郎が全身ゴールドの衣装で登場。大歓声を浴びながら、世界中に一大旋風を巻き起こした「PPAP」などを歌唱。怪しげなムードを醸し出して会場の笑いを誘い、ピコ太郎ワールドを展開した。

　ロックユニットGLIM SPANKYはブルージーなロックチューンを響かせ、胸に突き刺さる歌詞、ボーカル・松尾レミのハスキーボイスで魅了。男性2人組・吉田山田は、吉田結威が奏でるアコースティックギターに乗せ、山田義孝が圧倒的なボーカル力を発揮。それに呼応するように吉田のボーカルが絡み、2人の力強いハーモニーに観客は釘付けとなった。

　この後、『サイサイフェス』オーディションからテントステージに出演を果たしたアマチュアバンドが紹介された。9歳の女の子もいる「Acc’ent」、女性2人と男性3人からなる「torolo」、兄弟ユニット「GROWING’S」、紅一点の4人組「Made in Raga-sa」の4組の中から見事優勝したのは「Made in Raga-sa」。ご褒美としてサイサイのワンマンコンサートのオープニングアクト出演権、副賞としてフェンダーのギターが贈呈され、メンバーは「オープニングアクトも、ギターもヤバいです！」と大興奮だった。

　後半戦に突入し、4人組ロックバンド・感覚ピエロが登場。横山直弘（Vo／G）が観客を煽りまくり、勢い全開のロックチューンを立て続けに演奏、エモーショナルなパフォーマンスで強烈な一体感を生み出した。

　トリを飾ったSILENT SIRENは、すぅ（Vo／G）、ひなんちゅ（Dr）、あいにゃん（B）、ゆかるん（Key）が「ありのままの自分たちで勝負をしたい」との思いから、衣装ではなく私服でステージに上がった。ひなんちゅは「好きなバンドのライブを見ていろんな気持ちになれました。ほんとにいいフェスですね」とエネルギーを補給したことを明かし、「私たち4人とも、ほんとに音楽が好きでバンドをやってるんです。『サイサイフェス』に出てくれたみなさんに感謝しかないですし、初めてサイサイ見てくれた人に私たちを好きになってくれたらうれしいです」と客席にメッセージを送る。

　すぅは「私たちは、あまりバンドマンの友だちが少ないのがコンプレックスだったんです。でも、ちょっとずつ自分たちの気持ちを伝えて、それがアーティストさんに伝わって、こうやって対バンしようよって言ってくれたり、お願いしますって言って快く引き受けてくれるのがめちゃめちゃうれしいです。これからも私たちは、バンドマン、ガールズバンドとしてもっともっと頑張っていきます！」と意気込むと、観客から大声援が送られた。

　そして、ニューシングル「ジャストミート」（10月11日発売）を初披露。すぅが「夏のツアー中に高校野球を見ながら作った」という曲は、恋する女の子の気持ちを野球に絡めた歌詞で、切れ味のいいビートとポップなメロディーが痛快なライブ向きナンバー。初披露にもかかわらず、観客もタオルを振り回してノリノリで盛り上がった。

　アンコールでは出演者がステージに再登場。バンもんの甘夏ゆずがギターで加わり、サイサイの「チェリボム」が披露された。ステージもフロアも一体となっての大合唱となり、大団円。すぅは「サイサイは5周年を迎えます。これからもワンマンライブ、『サイサイフェス』が続きますように！　また会いましょう！」と晴れやかに呼びかけた。