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『妖怪ウォッチ2』大金星の可能性も? ファン層が対照的な『スター・ウォーズ』との激突

 いよいよ公開が間近に迫り、テレビCMのオンエアのほか、監督とキャストによる記者会見、プレミアイベントも開催され、ちまたの話題を独占している10年ぶりのシリーズ最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(12月18日公開)。夏過ぎくらいからか、さまざまな一般商材とのタイアップCMや商品があちこちにあふれ、作品ブランドの持つポテンシャルの高さとその話題性をこれでもかというほど見せつけられてきていたが、ふと周囲を見回すとどうも盛り上がっているのは、30代以上が中心のようだ。対して、同週末公開の『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』(12月19日公開)。すっかりブームは過ぎ去っているのかと思いきや、昨年ほどの騒ぎにはなっていないが、低学年の子どもを中心にファミリー層の間ではしっかりと関心を集めているようだ。

◆本筋の話題でラストスパートをかける『スター・ウォーズ』

 リアルタイムで『スター・ウォーズ』1〜3作目を観ていた世代である30〜40代以上の人たちの間では、拭い切れない衝撃を受けた『スター・ウォーズ』シリーズの最新作公開を心待ちにしている人は多い事だろう。筆者も何を隠そう青春時代に『スター・ウォーズ』にハマり、フィギュアを壁一面に張り付けていたのはいい思い出……。翻って今年、夏過ぎくらいから公開が近くなるに連れて増えてきた多岐にわたる大量のタイアップ商品は、飲料や靴、時計、洋服、ケーキ、髭剃り、さらには航空機や列車、引っ越し業者まで……身の回りのありとあらゆるところがスター・ウォーズであふれ返っている。

 もはやなりふりかまわず生活に必要なものすべてがコラボ商品で埋め尽くされることに“?”なファンもいたようだが、公開まで1週間というタイミングでの監督とキャストの来日により、本筋の映画の話題が増えてきたことで、モチベーションを取り戻している人も多いことだろう。ただ、やはりメインのファン層は30代以上のようで、20代になるとシリーズを1作も観たことがないという、置いてきぼりの人たちも思いのほかいるようだ。SFアクションというジャンルにそれほど関心がない世代との壁が見える。

 一方、同週末公開で、対照的なファン層をもつメジャー作品であり、虎視眈々と逆襲の機会をうかがっている(?)のが、昨年一大ムーブメントを巻き起こした『妖怪ウォッチ』の劇場版第2弾『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』。とくに低学年の子どもたちを中心にファミリー層に絶大な人気を誇る『妖怪ウォッチ』だが、昨年は前売り券の販売が東宝史上最高の114万枚を記録。50万セット用意された特典メダルは瞬く間に消え去り、オークションサイトで高値で売買されるなどの大騒動になっていた。

◆昨年には及ばずも安定したファン層に支持される『妖怪ウォッチ2』

 今年、100万セットが用意された特典は、メダルとジバニャンのカード。さらに前売り券にはQRコードがついており、ニンテンドー3DS『妖怪ウォッチバスターズ赤猫団/白犬隊』から読み込むと「青コインG」が取得できる特典もある。ちなみに前売り券のデザインでは、大人がクスッとする遊び心が光る『ターミネーター2』のデザイン『T2』ならぬ『Y2』。昨年ほどのブームが過ぎ去っている今年、特典パワーやコラボ商品の引力を駆使しながら、なんとか話題を盛り上げようとの姿勢がうかがえる。

 ちなみに、関連書籍も昨年に引き続き好調な販売部数を記録し、『妖怪ウォッチ 2 元祖/本家/真打 オフィシャル完全攻略ガイド』は2015年の年間本ランキングでピース・又吉直樹の『火花』に次ぐ2位にランクイン。パンやカレー、お菓子類など前作に引き続き商品コラボの数々は健在。昨年登場したマクドナルドのカレンダーも継続されるほか、USJでは期間限定のアトラクション『妖怪ウォッチ・ザ・リアル2』も開催。もちろん、こちらでもメダルをゲットできるという徹底ぶり。さらにクリスマスシーズンの関連グッズ展開も作品の大きなプロモーションになっている。

 現在、前売り特典はほぼ無くなっているようだが、劇場によってまだ入手可能な場所もある。前売り券の販売状況は、昨年には及ばないものの近い割合まで伸びているようだ。子どもを喜ばせたい=妖怪ウォッチなら! という想いを抱く親世代が一緒に楽しむ連鎖が今年も生まれており、冬休みに入る12月後半からお正月にかけてのロングヒットになる可能性を大いに秘めている。

 年末年始の映画興行は、ファン層が異なる『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』と『映画 妖怪ウォッチ エンマ大王と5つの物語だニャン!』の2大激突になりそうだ。圧倒的な作品ブランド力からも、やはり公開週末の興行成績での前者の1位は間違いないだろう。しかし、内容がいっさい明かされていない同作のその先の興行動向は、作品の“でき”次第になる。一方、絶対数の多い根強いファン層を持つ後者は、クリスマスから年末年始にかけての安定した興行が見込まれ、ロングヒットになることは間違いない。『妖怪ウォッチ』が『ドラえもん』や『ポケモン』のような強度のある鉄板コンテンツに育っていくかどうかはまだまだこれからだが、今年の年末年始の映画興行では、あの『スター・ウォーズ』を破るという大金星がみられる可能性も決してゼロではない。
(文:吉田可奈、ORICON STYLE編集部)



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