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佐藤健と小栗旬、“漫画実写化俳優”のツートップ

 佐藤健主演の映画『バクマン。』が、公開から25日で観客動員数100万人突破とヒット中だ。同作は、『デスノート』の原作・大場つぐみと漫画・小畑健コンビが週刊少年ジャンプで連載していた人気漫画を実写化した作品。Gペンを剣に見立てて、漫画家のアグレッシブな創作現場を表現したアクションシーンでは、『モテキ』(2011年)の大根仁監督による演出で、佐藤の渾身作『るろうに剣心』シリーズでの剣さばきが活きている。

◆『るろ剣』から『バクマン』で名手ぶりを見せた佐藤健

 とかく人気漫画の実写化には、原作ファンの厳しい視線がつきまとうものだが、『るろ剣』で佐藤は、そんな状況を見事に吹き飛ばしてみせた。まさに主人公・緋村剣心のキャラクターが憑依したような熱演で、超人的な殺陣アクションに挑み、ほとばしる殺気までも見事に体現。そんな同作に魅了された原作ファンも多く、堂々のシリーズ三部作は文句なしの大ヒットを記録した。

 それまでにも佐藤はドラマ『メイちゃんの執事』(フジテレビ系/2009年)や『BECK』(2010年)『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(2013年)などの漫画実写化作品に出演。それぞれのキャラに扮したその演技は、原作ファンも含む幅広い層から異例ともいえる高評価を受けてきた。『るろ剣』に続き、『バクマン。』でも漫画キャラを見事に演じきって作品の世界観を形作った佐藤は、漫画キャラ実写化の名手として、その名を馳せつつある。

 では、漫画実写化俳優(果たしてそんなジャンルがあるものなのかわからないが)の第一人者といえば、まず『デスノート』(2006年)『カイジ』(2009年)などでの怪演が光ったレジェンド的な存在として、藤原竜也が思い浮かぶ。さらに近年では、小栗旬がニューヒーローとして着目されている。

 小栗は、その名を世に知らしめたドラマ『花より男子』(TBS系/2005年)から『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』(フジテレビ系/2007年)『クローズZERO』(2007年)『岳-ガク-』(2011年)『宇宙兄弟』(2012年)『ルパン三世』(2014年)と圧倒的な作品数の漫画実写化作品でメインキャラを演じ、それぞれの作品でヒットを連発してきている。

◆邦画実写シーンで“外さない”俳優への映画界の期待

 そんな佐藤と小栗、ふたりの共通点は、漫画ファンであることを公言しており、作品への愛があふれていること、原作ファンのナイーブな心情への意識が高いことが挙げられる。だからこそ、原作漫画ファンをねじ伏せるほど、役になり切ってみせることも可能になる。“実写作品は原作とは別物”という見方も多いが、原作ファンとしては、やはり大好きな漫画が実写化されるのであれば、だれがどう演じるのか、どんな作品に仕上がるかは気になるもの。そんな期待、関心を裏切ることなく、実写作品ならではの世界観を構築していることが、ふたりの評価の要因になっている。

 もちろんそれは俳優だけの力によるものではなく、監督をはじめとするスタッフの総力から成り立っている。しかしそこには、アスリート並みの訓練をも積む俳優の惜しみない努力、プレッシャーに打ち勝ち期待以上のものを創造する強固な精神力、プロ意識の高さがある。それがあってこそ生み出されるもの。逆に言うと、それ抜きには成り立たないものであり、そんななかから漫画実写化俳優の名手が自然と浮き上がってきているのだろう。

 来年1月23日から公開される人気漫画原作の実写映画『信長協奏曲』で、主演の小栗はドラマに続き、サブローと織田信長の一人二役に挑む。佐藤に続いて、小栗の名手ぶりがまた世間をにぎわせることになりそうだ。昨今の映画シーンを見渡すと、邦画実写のヒット作の大半は、人気漫画原作の大作が締めるのが現状。そんななか、“外さない”このふたりの俳優にかかる映画界の期待は、ますます大きくなっていきそうだ。



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