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八代亜紀、新作ブルースに挑む BAWDIES、横山剣、中村中が楽曲提供

 歌手・八代亜紀が、新アルバム『哀歌-aiuta-』(10月28日発売)でブルースに挑戦することがわかった。プロデューサーに寺岡呼人を迎え、THE BAWDIES、横山剣(クレイジーケンバンド)、中村中が楽曲提供。OKAMOTO’Sのハマ・オカモト(B)、オカモトコウキ(G)が演奏で参加し、世代を超えたコラボレーションで“2015年版ブルース”を歌い上げる。

八代亜紀初のブルースアルバム『哀歌-aiuta-』

八代亜紀初のブルースアルバム『哀歌-aiuta-』

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 初のブルースアルバムのコンセプトは、八代がこれまで歌ってきた日本の「歌謡ブルース」と、本場・アメリカの心を歌い継いできた「BLUES」の融合。プロデューサーに指名された寺岡は「自分でも予想だにしないオファーに最初はビックリしました。しかし、こんなチャンスはめったにないと思い、二つ返事で引き受けました」と異色タッグを喜んだ。

 “新しい”ブルースを作るため、寺岡は3組のアーティストに楽曲提供を依頼。ブルースをルーツとするTHE BAWDIESはブギー調の「Give You What You Want」、横山は大人の歌謡ブルース「ネオンテトラ」、中村は「哀しい歌が歌いたい」という八代のリクエストに応える形で「命のブルース」をそれぞれ書き下ろした。「Give You〜」にはOKAMOTO’Sのハマ・オカモトとオカモトコウキが演奏で参加した。

 THE BAWDIESは「完成した楽曲を初めて聴いた瞬間、八代さんの魂の宿った歌声の力強さ、包容力に圧倒させられました!」と感激。横山も「八代亜紀さんに曲を書く。子どもの頃から作曲家志望だった僕にとってこれは音楽屋冥利に尽きる栄誉でございます。イイネ!!! イイネ!!! イイネ!!!」と喜び、中村は「貧しくとも、さみしくとも、なにくそ!と自分を奮い立たせるために、そして、悲しみは胸に秘め、いたずらに露にしない奥ゆかしい人にこそ、せめて歌の中では、そっと“怨み”を吐きだして欲しくて、『命のブルース』は生まれました」と楽曲に込めた思いを明かした。

 アルバムを制作するにあたり、八代はレコーディングの合間を縫って、7月24日から約1週間にわたって「ブルースの聖地」米国メンフィスを訪れた。さまざまなブルースマンが日夜腕を磨いてきた「ビールストリート」などを巡ったほか、「BBキングブルースクラブ」では現地ミュージシャンとも共演。アルバムの歌入れは帰国後に行われた。

 八代は「今回の『哀歌』でも求めたものは『普遍』」と説明。「洋邦各年代のカバー、そして21世紀の今を切り取る新作ブルース。12通りの『哀』が詰まった『哀歌-aiuta-』の完成です」と自信をにじませる。11月17日にはブルーノート東京で一夜限りのライブを行う。

■プロデューサー・寺岡呼人コメント
自分でも予想だにしないオファーに最初はビックリしました。
しかし、こんなチャンスは滅多にないと思い、二つ返事で引き受けました。
レコーディングさせていただいて、とにもかくにも驚いたのは、その歌唱力と説得力です。
リズム録りの際、ご本人はあまり歌いたがらず「そこを何とか!」と仮歌をお願いすると、ビックリするような歌をサラッと歌い、その歌にミュージシャン達も鼓舞され、演奏がガラッと変わるのです。
歌入れも大体1テイクから2テイクで終わり。
1日で最大5曲の歌を入れた事もあります。
しかもどれも完璧なのです。
今若手のアーティストの歌入れは1日1曲〜2曲が精一杯で、しかも何テイクも録り、コンピューターで細かく直していきます。
そんな中での八代さんの歌唱力は僕にとって驚愕に値するものでした。

「ボーカリストはかくあるべし」

今後の僕自身のキャリアにとっても、とても貴重な体験をさせていただきました。
アルバムのプロデューサーとしては、「洋邦のブルース」というテーマだったのですが、日本のブルースというと、僕ら世代にとっては「歌謡ブルース」「演歌」というイメージが強かったのですが、村田陽一さんのモダンなアレンジ解釈により、むしろ現代の人にこそ聴いて欲しい楽曲に生まれ変わりました。
そして、そこに八代さんの唯一無二の声が吹き込まれ、現在進行形の「ジャパニーズブルース」が出来上がったと思っています。
さらに、クレイジーケンバンドの横山剣さん、THE BAWDIES、中村 中の書き下ろし曲を加えることで、オリジナリティーあふれる「八代亜紀のブルース」が完成したと思います。
八代さんのファンの方はもちろん、このアルバムは若い人達にこそ聴いてもらいたいアルバムになりました。
ぜひ聴いてみてください。


■八代亜紀コメント
ご近所さんが座布団を持って我が家に聴きに集まるほどの名手であった父の吟う浪曲を子守唄がわりに聴いて育ちました。
「声音の変化」「フレーズの抑揚」「ブレスの緩急」そして「言霊」。
こういったものが渾然一体となってまだ物心もつかない私の幼心の琴線にも確実に届いていました。切ない母子ものを聴きながら意味も分からずに「お父さん、悲しいね」と感想を言っていたそうです。
そんな幼時体験を持つ私にとって「浪曲は日本のブルースである」という持論を持つに至ったのは極自然な流れでした。
初めてブルースを聴いた時にもあの時と全く同じ衝撃を経験しました。
そしてそれは今聴いても変わることはありません。
即ち普遍的な「悼み」「哀しみ」は時代、言葉、場所といったギャップを問わないということなのでしょう。
今回の「哀歌」でも求めたものは「普遍」。
洋邦各年代のカバー、そして21世紀の今を切り取る新作ブルース。
12通りの「哀」が詰まった『哀歌-aiuta-』の完成です。

関連写真

  • 八代亜紀初のブルースアルバム『哀歌-aiuta-』
  • プロデューサーを務める寺岡呼人
  • ブギー調のブルースをTHE BAWDIES
  • 大人の歌謡ブルース「ネオンテトラ」を提供した横山剣(クレイジーケンバンド)
  • 「哀しい歌が歌いたい」という八代のリクエストに応え「命のブルース」を書き下ろした中村 中
  • ブルースアルバムに初挑戦した八代亜紀

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