億単位の賞金も プロゲーマーの戦い「e-Sports」とは

 今年2月、東京アニメ・声優専門学校がプロゲーマーを養成するコースを新設(開講は16年4月)することを発表し、「e-Sports」という用語がゲームファンのみならずビジネス界でもにわかに注目を集めるようになった。日本におけるビジネスの可能性をレポートする

■日本サーバ新設で世界から注目

 e-Sportsとはエレクトリック・スポーツの略で、ゲームをスポーツ競技として捉えた名称。欧米やアジアではサッカーや野球などと同様に企業スポンサーのついたプロリーグやチームが多数存在し、億単位の高額賞金をかけた世界規模の大会も例年開催されている。特に韓国では子どものなりたい職業2位に選ばれるなど、プロゲーマーへの憧れや知名度が高い。またアメリカでは大会規模によって出場する外国人選手にアスリートビザを発行しているなど、社会的にも認められた競技となっている。

 かたや日本ではいまだ一般まで認知は広がっていないが、ここにきてe-Sportsの発展に向けた動きが活発化している。その一例として世界大会でも活躍するチーム「DetonatioN FocusMe」が、今年1月に日本初のフルタイム・給料制のプロチームとして確立したことも話題だ。

 同チームを運営するSun-Gence社の代表取締役・梅崎伸幸氏は、東京アニメ・声優専門学校の講師に名を連ねるなど、e-Sports発展に寄与してきた。

「e-Sportsで最も人気が高いのはLoLというオンラインゲームですが、これだけゲームファンの多い日本で
浸透しなかったのは日本語でプレイできないのが大きな理由です。そのLoLが日本にサーバを設けるという情報を得て、いよいよ日本でもe-Sportsの本格的な盛り上がりが来ると確信しました」(梅崎氏、以下同)

■主な収益はプレイ動画配信とスポンサー料

 かつては某企業のトップ営業マンとの二足のワラジで、プロゲーマーとして世界大会にも出場した経験のある梅崎氏によると、世界のプロ選手の主な収益はゲームプレイ動画の配信とスポンサー料だという。

「よく億単位の大会賞金が話題になりますが、例えば前回のLoLの世界大会の視聴者数は約2700万人。し
かもコアファンが多いので、ながら見ではなく、手に汗握って注視する。グローバルにアピールしたい企業にとって、低コストで宣伝価値の高いスポーツなんです」

 DetonatioN FocusMeにもすでに複数のスポンサーがついており、PC周辺機器の広告キャラクターに起用
された所属選手も。また来年には、医療器具メーカーと共同開発したゲーム専用メガネも発売予定だ。

「日本のゲーム人口は4000万人。その多くがスマホで遊ぶライト層ですが、スマホアプリ会社が続々とe-Sportsの投入に乗り出しています。あと1〜2年後には、確実に日本でもe-Sportsという用語が浸透してい
ることでしょう」

 なお同専門学校では、大会の企画・運営や組織マネジメントなどの人材も育成する。世界からやや出遅れた日本におけるこのビジネスも、今後数年で急激に様変わりしそうだ。

(ORIGINAL CONFIDENCE 15年8月31日号掲載)



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  • 8月8日、東京・ベルサール秋葉原で開催されたLeague of Legends年間王者決定戦「LJL 2015 Grand Championship」の様子(C)Pro eSports Team - DetonaitoN
  • 世界大会でも活躍するチーム「DetonatioN FocusMe」。複数の企業とスポンサー契約を結んでおり、公式ユニフォームには各社のロゴがあしらわれている(C)SANKO INC. All Rights Reserved.
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