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BABYMETAL、海外人気を後押しする“神バンド”の存在

 ワールドツアーの一時凱旋公演として千葉・幕張メッセで行われたワンマンライブを成功させる一方、イギリスの老舗メタル雑誌『METAL HAMMER』主催のアワードで、今年飛躍が期待されるアーティストを対象とした「BREAKTHROUGH」を受賞するなど、国内外で躍進を続けているBABYMETAL。その魅力については多くのメディアで語られているが、女性グループの枠を大きく超え、世界中のコアなメタルファンからの支持を得たのは、凄腕のミュージシャンを揃えた“神バンド”の功績がきわめて大きい。今回は彼女たちのステージングを支えるバックバンドの存在に改めてスポットを当ててみたい。

■“神バンド”の基本スタイルはモノトーンのメイクと白装束

 BABYMETALのステージは、難易度の高い楽曲を歌いこなすSU-METALの歌唱力、YUIMETAL、MOAMETALによる質の高いダンスパフォーマンス、そして凄腕ミュージシャンたちの“神バンド”により、完成度の高いエンタテインメント・ショウとして繰り広げられる。この“キツネの神の化身として召喚される”という設定の神バンドはそのメンバーは日本有数のトップミュージシャンで固められている。正統派ヘビィメタルはもちろん、スラッシュメタル、ブラックメタル、メタルコア、グラインドコアなどの要素を融合したBABYMETALの音楽性を体現するためには、当然、高い演奏テクニックが必要だ。

 さらにステージでは、このプロジェクトの世界観をビジュアル的に表現することも求められる(“神バンド”の基本スタイルはモノトーンのメイクと白装束)。この条件を満たすバンドメンバーを揃えられたことが、BABYMETALの世界的ブレイクの大きな原動力になったことは間違いないだろう。海外のライブにおいても、BABYMETALの3人はもちろん、神バンドのメンバーにも大きな声援が送られている。

■国内屈指のミュージシャンが集結した神バンド

 まずはバンドのリーダー格であるベーシスト、BOH。中島美嘉の「NANA starring MIKA NAKASHIMA」やギタリストのDAITA(ex.SIAM SHADE)を中心としたバンド「BINECKS」など参加してきたBOHは、日本では珍しい6弦ベースのプレイヤーだ。正確無比なプレイでBABABYMETALサウンドを支えながら、スラップ、ライトハンド奏法などを駆使したド派手なソロプレイでも注目されている。

 そしてギタリストは大村孝佳、Leda、藤岡幹大。マーティ・フリードマン、LIV MOONのサポ―トなどで名を上げた大村は、技巧的な速弾きと華麗なプレイスタイルを兼ね備えたギタリストだ(筆者が初めて彼を見たのは菊地成孔が率いる前衛的ジャズファンクバンドDCPRGだったのだが、あまりにも凄まじい速弾きに圧倒されてしまった)。Ledaはビジュアル系バンド・DELUHIなどを経て、T.M.Revolution、“DAIGO☆STARDUST”の復活ライブにも参加。BABYMETALでは端正なルックスと90年代以降のオルタナティブメタルの流れを汲むプレイでオーディエンスを沸かせている。

 ドラムを担当するのは、名ドラマー・青山純(2013年没)を父に持つ青山英樹。JAM Projectをはじめ、高い演奏能力が求められるプロジェクトをサポートしてきた彼は、2012年から“神バンド”に参加。超高速のビートと圧倒的な音圧を兼ね備えたプレイがBAYBMETALの要であることは言うまでもない。

■プレイヤーとしての個性とセンスも十分に発揮

 BABYMETALに対するバンドメンバーのモチベーションはきわめて高く、リーダー格のBOHは自身のブログで「ものすごい勢いで成長していくBABYMETALというプロジェクトに関われる事は僕にとって何者も代え難い貴重な経験」「常に成長し、いつも本気で、真摯な姿勢で物事に挑むSU−METALさん、YUIMETALさん、MOAMETALさんには心底敬意を抱いております」と記しているが、メンバー3人へのリスペクトを持ちながら、プレイヤーとしての個性とセンスを自由に発揮できていることが、このプロジェクトの成功の要因なのだと思う。また、90年代以降は一部のコアなファンに支えられてきたヘビィメタルというジャンルに再びスポットを当てたという意味でも、BABYMETALと神バンドの存在は本当に大きい。

 この後BABYMETALは『SUMMER SONIC 2015』『Ozzfest Japan 2015』などの大型フェスに出演、さらに9月から12月にかけて初の国内ツアー『BABYMETAL WORLD TOUR 2015 in JAPAN』を開催する。凄まじいテクニックと独自の世界観を共存させたステージングで、BABYMETALのパフォーマンスを支える神バンドに対する注目度は、今度さらに高まっていくことになりそうだ。

(文/森朋之)



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