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徳間ジャパン、アニメ再参入の勝算「戦闘能力を高めていくしかない」

 今月1日、創立50周年を迎えたレコード会社の徳間ジャパンコミュニケーションズ(以下、徳間ジャパン)。この大きな節目に同社が挑むのは、アニメ事業への“再参入”だ。かつては徳間書店・スタジオジブリ作品とも縁の深かった同社が、なぜ、今、アニメに“再参入”なのか? 執行役員・品川致審氏にその狙いと今後の展望について聞いた。

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 先日、テレビアニメ化が発表された『週刊少年サンデー』(小学館)の伝説のコミック『うしおととら』(原作:藤田和日郎、1990-96年連載)。競合他社との版権獲得合戦の末、徳間ジャパンが手がけることになった。

 品川氏は「再参入の準備を始めたのが、2年半前。昨年1月から制作宣伝本部内にアニメ事業準備室として『Aプロダクト』を内部設立し、テレビアニメ製作委員会への参画を進めてきました。すでに市場が出来上がっていて、先行する他社がたくさんある中、実績のないメーカーに作品を預けてくれるか、簡単にはいかないだろうと覚悟はしていました。それが、参入企業が増えれば、競争が活発になって、業界が活性化するんじゃないかと、前向きに評価してもらえたのは、うれしい誤算でした」と話す。

 4月からTBS、BS-TBSほかで放送が始まる『レーカン!』(原作:瀬田ヒナコ、芳文社『まんがタイムジャンボ』連載中)の製作にも加わっており、番組の映像ソフト(Blu-ray、DVD)の発売元、主題歌以外の音楽(キャラクターソングや劇伴音楽等)の商品化を担当する。

■競争激化? 再参入の勝算は?

 アニメ産業はおおむね好況が続いている。映像ソフト市場におけるアニメの売上額は876.3億円(前年比3.9%増)と好調を維持(オリコン『年間映像ソフトマーケットレポート』集計期間2013年12月30日〜14年12月28日)。アニソン・キャラソンも、週間ランキングでは毎週のようにTOP10入りする作品が登場している。2011年以降、市場的にピークであった06年から07年の制作数を超えそうな勢いで、このまま作品数が増え続ければ、16年には制作現場のキャパがパンクするのではという予測もあるくらいだ。

 再参入の勝算は? 品川氏は「勝利の方程式なんてものはないでしょう。ただのパイの食い合いにならないように、独自の切り口を見つけ、自分たちの戦闘能力を高めていくしかないと思っています」と潔く言った。

■老舗レコード会社にアニメの“DNA”

 1965年に日本8番目のレコード会社、太平音響株式会社として発足した徳間ジャパン。千昌夫吉幾三水森かおりらが所属し演歌のイメージが強いが、かつては、THE STALINBOΦWYPerfumeなど、さまざまな有名アーティストを生み出してきた。5年ほど前に品川氏が現職に就任し、さまざまな改革に取り組んでいるところだ。

 アニメ事業への参入もその一環で、「私はこの会社が5社目なのですが、レコード会社をいくつか移ってきた経験からいうと、その会社が持っている“DNA”に逆らったことをやってもうまくいかないと強く感じています。勿論それは新規事業でも同じです。徳間ジャパンの“DNA”に流れているものと、いま需要があって、これから新しい需要を創り出すことができるものを探っていったら、マッチするものの一つがアニメだったということです」。

 かつて徳間書店のグループ企業として、1980年代に日本初のアニメ専門の「アニメージュレコードレーベル」を作り、『銀河英雄伝説』や『魔法の天使クリーミィマミ』など、現在につながるアニメ音楽ビジネスを展開した歴史がある。2001年10月に親会社が徳間書店から第一興商に変わり、近年ではアニメ事業への積極参入は行われていなかったが、“DNA”として残っていることに賭けた。

 「演歌も扱っていることもあってコンサバなイメージに見られることもありますが、70年代初期に日本で最初にロック専門レーベルを作ったのも徳間ジャパンですし、80年代には他に先駆けてパンク専門レーベル、アニメ専門レーベルを設立しました。最近の例で言うと2012年まで所属していたPerfumeですね。彼女たちのブレイク時には、私は他社にいましたが、こんな思い切り方はなかなか出来ないなと思いながら見ていました。そういった、エッジィに振り切ったプロジェクトを受容し、それを成功に繋げてきたのが徳間ジャパンの“DNA”の本質だと思っています。アニメ事業においてもそういう“DNA”を生かしていきたいと思っています」。

 アニメ事業で展開するビジネスは、テレビアニメの製作、ビデオグラム、主題歌やキャラクターソングなどの関連音楽、キャラソンのコンサートなども含めた音楽興行など。「アーティストとアニメを有機的にクロスさせた取り組みや、女性向けの作品を積極的に手がけていきたい」と話す。

 2014年度の音楽ソフトの売り上げをまとめたオリコン『年間マーケットレポート』の「メーカー別シェア」では徳間ジャパンはTOP10以下だったが、『ラブライブ!』関連のオーディオ、音楽映像商品の売上が好調だったランティスが前年14位→9位に浮上した例もあり、アニメ事業をフックにした徳間ジャパンの挑戦は始まったばかりだ。



関連写真

  • “再参入”の徳間ジャパンコミュニケーションズが製作に加わる新アニメ『レーカン!』(4月スタート)と『うしおととら』(今夏スタート)(C)瀬田ヒナコ・芳文社/レーカン!製作委員会 (C)藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ 執行役員・品川致審氏 (C)ORICON NewS inc.
  • “再参入”の徳間ジャパンコミュニケーションズが製作に加わる新アニメ『レーカン!』(4月スタート)(C)瀬田ヒナコ・芳文社/レーカン!製作委員会
  • “再参入”の徳間ジャパンコミュニケーションズが製作に加わる新アニメ『うしおととら』(今夏スタート)(C)藤田和日郎・小学館/うしおととら製作委員会
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