音楽ライブ等のイベントが多数実施された14年12月度ではTOHOシネマズだけでも実に19作品で生中継が実施される活況となった。なかでもEXILE TRIBEは60サイトを超える規模で上映され、ほぼ満員の盛況となった。
■ODSに音楽ドキュメンタリー作品増加の兆し
ここ数年、ライブ・ビューイング・ジャパンがけん引する形で、音楽・舞台の生中継で急速に認知を拡大させ、市場として定着したODS(※ Other
Digital Stuff /映画館で、通常の映画配給とは異なる音楽・演劇等のコンテンツを上映すること)。近年では東宝映像事業部による、通常配給とは一線を画した短期間の映画配給も増加。映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』などのヒットシリーズも登場した。
一方で、昨年末から徐々に増えているのが、アーティストの楽曲制作やツアーを追ったドキュメンタリー作品だ。過去にはMr.Children の『Split The Difference』(10年)のヒットや、すでに毎年恒例となったAKB48の「DOCUMENTARY of AKB48」シリーズなどの作品の成功があり、14年12月に上映されたBUMP OF CHICKEN、L’Arc-en-Cielの作品では興行収入1億円超えのヒットを記録している。
これまではパッケージ化の際の特典映像などで収録されるのみだったツアードキュメンタリー映像等が、劇場上映という機会を得たことで、新たなビジネスチャンスをも生みつつあるのだ。もちろんビジネス面だけなく、アーティストにとっても表現活動の1つとして、重視する動きも目立ち、14 年8月公開のSEKAI NO OWARI『TOKYO FANTASY』ではフランスの映像作家、ファエル・フリードマンが監督を務め、アニメーションパートなども織り交ぜた作品に仕上げた。また、RADWIMPSの作品(14年11月公開)もジャケットデザインや映像制作で活躍する永戸鉄也氏が監督を担当。L’Arc-en-Ciel のワールドツアーを追ったドキュメンタリー(14年12月公開)ではアメリカ出身の映像ディレクターで、トヨタやマイクロソフトなどの企業CM などで活躍するRay Yoshimoto氏が監督を務めている。
このほかにも、UVERworld、クリープハイプなども、気鋭の映画監督や映像作家を起用し、クオリティーの高い作品を発表している。なお、L’Arcen-Cielは8日の限定上映だったが、早々に興行収入1億円を超え、急きょ上映期間を延長するヒットとなった。
また、RADWIMPS やSEKAI NO OWARI は、アーティスト本人によるトークイベントも実施するなど、劇場上映の際にも精力的な稼働が見られた。ライブエンタテインメント市場の盛り上がりとともに、ドキュメンタリー作品の映画館興行は15年以降ますます増加していきそうだ。
■音楽ドキュメタリー2作が興行収入1億円超えのヒット
録画系で首位となった『BUMP OF CHICKEN“ WILLPOLIS 2014”劇場版』は、14年4月から7日にかけて実施されたツアーの模様を追ったドキュメンタリー。同公演では、オープニングアニメとして、映画『寄生獣』、『永遠の0』の山崎貴監督が手がけたショートアニメが上映されており、今回の劇場版では、“完全版”として、3DCGアニメ短編映画「WILLPOLIS」を製作し、2部構成での上映となった。
なお、同ツアーでは、山崎氏のほかに、蜷川実花氏、チームラボ、AR三兄弟など、各ジャンルのトップクリエイターたちが参加したライブ演出も話題となっており、それらを高画質で収めた映像も訴求したようだ。
2位の『Over The L’Arc-en-Ciel』は世界14都市で17公演を行ったワールドツアーを追ったドキュメンタリー。同作品用にオフィシャルグッズも製作されている。
生中継系の首位となった『EXILE TRIBE〜』は、14年12月28日に北海道・札幌ドームで開催されたツアーファイナルの模様を全国の映画館および香港、台湾の映画館へも生中継した。当日はTシャツ、フラッグ、マフラータオル、缶バッジなどのオフィシャルグッズ(一部)も販売したほか、キーホルダーやブレスレットなどODS会場限定グッズも用意された。
また、ももクロや宝塚歌劇といった、ODSを多数実施し、ファンにも定着したコンテンツの2タイトルが2位、3位にランクインしている。
■データ提供について
・TOHOシネマズ/ティ・ジョイ提供データに基づく
・劇場数はTOHOシネマズとティ・ジョイを合算したもの
・ランキングは該当月に上映された作品の動員数でランキング化
・「録画系」:コンサートやドキュメンタリー、舞台、スポーツイベント等を収録した作品
・「生中継系」:コンサートやスポーツイベント、ファンミーティング等を生中継した作品
(ORIGINAL CONFIDENCE 15年1月26日号掲載)
■ODSに音楽ドキュメンタリー作品増加の兆し
ここ数年、ライブ・ビューイング・ジャパンがけん引する形で、音楽・舞台の生中継で急速に認知を拡大させ、市場として定着したODS(※ Other
Digital Stuff /映画館で、通常の映画配給とは異なる音楽・演劇等のコンテンツを上映すること)。近年では東宝映像事業部による、通常配給とは一線を画した短期間の映画配給も増加。映画『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』などのヒットシリーズも登場した。
一方で、昨年末から徐々に増えているのが、アーティストの楽曲制作やツアーを追ったドキュメンタリー作品だ。過去にはMr.Children の『Split The Difference』(10年)のヒットや、すでに毎年恒例となったAKB48の「DOCUMENTARY of AKB48」シリーズなどの作品の成功があり、14年12月に上映されたBUMP OF CHICKEN、L’Arc-en-Cielの作品では興行収入1億円超えのヒットを記録している。
これまではパッケージ化の際の特典映像などで収録されるのみだったツアードキュメンタリー映像等が、劇場上映という機会を得たことで、新たなビジネスチャンスをも生みつつあるのだ。もちろんビジネス面だけなく、アーティストにとっても表現活動の1つとして、重視する動きも目立ち、14 年8月公開のSEKAI NO OWARI『TOKYO FANTASY』ではフランスの映像作家、ファエル・フリードマンが監督を務め、アニメーションパートなども織り交ぜた作品に仕上げた。また、RADWIMPSの作品(14年11月公開)もジャケットデザインや映像制作で活躍する永戸鉄也氏が監督を担当。L’Arc-en-Ciel のワールドツアーを追ったドキュメンタリー(14年12月公開)ではアメリカ出身の映像ディレクターで、トヨタやマイクロソフトなどの企業CM などで活躍するRay Yoshimoto氏が監督を務めている。
このほかにも、UVERworld、クリープハイプなども、気鋭の映画監督や映像作家を起用し、クオリティーの高い作品を発表している。なお、L’Arcen-Cielは8日の限定上映だったが、早々に興行収入1億円を超え、急きょ上映期間を延長するヒットとなった。
また、RADWIMPS やSEKAI NO OWARI は、アーティスト本人によるトークイベントも実施するなど、劇場上映の際にも精力的な稼働が見られた。ライブエンタテインメント市場の盛り上がりとともに、ドキュメンタリー作品の映画館興行は15年以降ますます増加していきそうだ。
■音楽ドキュメタリー2作が興行収入1億円超えのヒット
録画系で首位となった『BUMP OF CHICKEN“ WILLPOLIS 2014”劇場版』は、14年4月から7日にかけて実施されたツアーの模様を追ったドキュメンタリー。同公演では、オープニングアニメとして、映画『寄生獣』、『永遠の0』の山崎貴監督が手がけたショートアニメが上映されており、今回の劇場版では、“完全版”として、3DCGアニメ短編映画「WILLPOLIS」を製作し、2部構成での上映となった。
なお、同ツアーでは、山崎氏のほかに、蜷川実花氏、チームラボ、AR三兄弟など、各ジャンルのトップクリエイターたちが参加したライブ演出も話題となっており、それらを高画質で収めた映像も訴求したようだ。
2位の『Over The L’Arc-en-Ciel』は世界14都市で17公演を行ったワールドツアーを追ったドキュメンタリー。同作品用にオフィシャルグッズも製作されている。
生中継系の首位となった『EXILE TRIBE〜』は、14年12月28日に北海道・札幌ドームで開催されたツアーファイナルの模様を全国の映画館および香港、台湾の映画館へも生中継した。当日はTシャツ、フラッグ、マフラータオル、缶バッジなどのオフィシャルグッズ(一部)も販売したほか、キーホルダーやブレスレットなどODS会場限定グッズも用意された。
また、ももクロや宝塚歌劇といった、ODSを多数実施し、ファンにも定着したコンテンツの2タイトルが2位、3位にランクインしている。
■データ提供について
・TOHOシネマズ/ティ・ジョイ提供データに基づく
・劇場数はTOHOシネマズとティ・ジョイを合算したもの
・ランキングは該当月に上映された作品の動員数でランキング化
・「録画系」:コンサートやドキュメンタリー、舞台、スポーツイベント等を収録した作品
・「生中継系」:コンサートやスポーツイベント、ファンミーティング等を生中継した作品
(ORIGINAL CONFIDENCE 15年1月26日号掲載)
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2015/01/25